2023/07/22(土)05:42
BUSTAFELLOWS season2 総評(ネタバレなし)
主に購入を迷われている方向けのネタバレなし感想やや辛口です。
※前作のネタバレについては、season2公式サイトに記載されているものに関しては配慮していませんのでご注意ください
前作が昨年プレイした中でも三本の指に入る程楽しめたので、続編は予約購入しました。
【世界観】
舞台は前作同様、仮想アメリカのニューシーグ。
お馴染みのベルスターやワイアットアープに加え
バソアルトなどの新エリアが追加されています。
【キャラクター、グラフィック】
原画はすめらぎ琥珀先生が続投され、メインキャラの立ち絵はブラッシュアップされているように見えました。
今作も服装や装飾品などの差分が豊富で目パチ、口パクあり。
サブキャラやスチルを含め作画が安定していますので、この辺りは安心感があります。
テキストウィンドウに出ている会話の後ろで他のキャラが話しており、画面に奥行き感があるのはシリーズならではの演出。
製作陣としてはスマホで行うグループ通話画面のグレードアップなどを推していましたが
アダムがキャスターを降板して帰国しており、ゼロアワーのシーンが減ったせいか
前作で見慣れてしまっているせいか、画面の動きについては月並みなADV。
特段目新しい演出があったようには感じられませんでした。
【シナリオ、糖度】
糖度については前作同様キャラによって格差があり、全体的に低め。
章編成はプロローグ、個別ルートが19~32章、エピローグとなっています。
この19~32章という数字を見ても明らかな通り、ルート毎の章編成(長さ)に差があり過ぎます。
続編ならではの、シリーズファンへのサービス(前作サブキャラの使いどころ等)にも格差があり
新規サブが出張り過ぎていて、メインを食っているようなルートもありましたし
エピローグへ繋がる伏線の散りばめ方には相当な格差があったように思います。
個別ルートは冗長に感じ、オートでほったらかしのプレイスタイルになってしまいました。
続編はどう足掻いても新鮮味に欠けて当たり前なので、それをカバーできる何かが欲しかったところ。
【攻略】
プロローグ開始時点からメインキャラの誰と結ばれた世界線なのかを選択しますので、ルート分岐は非常に簡便です。
ED数は全員2つで、GOODかBADかの2択。
愛キャッチは担当カラーの演出からSE演出に変更されましたが、正解しても音が鳴らないものも含まれています。
また、時間制限付きの選択肢は時間切れが正解でも不正解でも音は同じ。
しかし、チャートシステムが搭載されたことで、手探りでもコンプリートはしやすくなったと感じました。
メイン5人のGOOD ED読了でエピローグが解放されます。
・攻略推奨順について
前作同様エピローグ以外ルート制限はないので、素直に推しからプレイして良いと思います。
ただしシナリオ格差が激しいと感じたので、コンプ前提のモチベーションを考慮すると
リンボ、シュウ辺りから手を付けるのがおすすめです。
【システム】
選択肢画面で一切のセーブ操作が行えないというのは改良されましたが
蓋を開けてみれば通常セーブしか行えず、クイックセーブ&ロードを活用したい場合は結局ログを遡ってクイックセーブをする羽目になります。
また、時間制限付きの選択肢中はセーブが行えません。
その他特段不便だった点はありませんが、オート再生スピードに関して
モノローグの速度に合わせるとボイス付きのテキストが遅く
ボイスに合わせるとモノローグが早すぎて読めません。
また、未読スキップが未読部分で止まった際はそのテキストのボイスが丸々飛びます。
このデメリットを活かしてきついシーンのボイスを飛ばす、という活用法ができるのは結果的に助かりました。
要は、未読スキップをONにすれば未読テキストも強制的にボイスが飛ばせます。
デメリットとしては、聞きたい場合はログから再生しなければならないこと。
後述しますが、辞典システムは搭載すべき内容だったと思います。
【BGM、UIなど】
主題歌は前作と打って変わってしっとりしたバラード調。
シナリオの大筋が主人公やメインキャラの出自、
現代ものならではの社会問題に切り込んだヒューマンドラマ的な内容でしたので、合っているか否かでいえばまずまず。
ただし、『NOVALIS』ほどダイレクトではないので、エピローグを終えて聴きなおしても全てが繋がった感はあまりないです。
ついでに言うとbestieはシナリオに全く絡まないので、そこもズコーだったかなと。
UIについて。
肝心のメニュー画面はタッチの方が断然操作しやすかったので、
ジョイコンでのプレイはやや不便に感じられるかもしれません。
【総評】
ネタバレせずにどう表現しようか難しいところですが
ぶっちゃけ一言でいうとこれで終わることはないと思います。
そして、様々な面で前作の方が断然楽しかったです。
もう付き合っている段階から始まるので、恋愛過程については一切期待しない方が良いですし
前作では、知っているとちょっとニヤニヤできるいい塩梅だったあれこれが
制作側の自己満足と言えるレベルで頻発し、いちいち横文字の意味をググらないと意味がわからないテキストが多すぎました。
これで辞典システムを搭載しなかったのは悪手でしかないと感じます。
リアリティを追求した結果、一般的な日本人のユーザーが置いてきぼりになっているのでは。
もっと言うならば、続編で解決すると思っていたことが何一つ解決しなかったので
その辺りのガッカリ感も強かったかなと。
主人公のテウタは米国の成人女性にしては見た目言動が幼く、それが可愛らしい点もありますが
今作ではそれがあまりにも欠点として際立っており勿体なく感じました。
2が発売されたばかりでこんな事を言うのもアレですが
3では綺麗に完結させてほしいと願うばかりです。