ちょっと言葉に浸る俺

 ふと浮かぶ、下らぬ空想固まり淀み、拙い言葉に思いが積もる。
 などと。

 「じゃまするよ」
 ノコギリもって
 言うことか

 友達「もどき」の声が、離れない、昔居た、間抜けな奴の、土足で人の大事な場所に踏み込む音が、離れない

 傷を見て
 嬉しく見直す
 肥後の守

 自分のナイフを、上手く研げたのだけど、そこまで、何度か僕の指に傷を付けた。でも、切れることが嬉しくて、いつの間にか、肥後の守をじっと見つめてた。じいちゃんの置いていった物を。

 ニッパーの
 先で潰した
 羽虫の跡に
 両手合わせて
 南無阿弥陀仏

 殺しておいて、何を・・・。そうは思っていても、やっぱり。
 小さいから、殺したから、彼らのために、手を合わせる位は。

 この砥石で
 俺の錆も
 落とせれば

 アイデア商品の砥石を左手に、錆を削り落とした、刃物を右手に、背中には、触れた人から貰った錆が、少しあるらしい。
 まだ鉄錆の匂いがする・・・。

 久々に
 背骨がきしむ
 深呼吸

 開放感の僕なりの感じ方です。気持ちいいんですよ、これが。最高です。でも、最近あまり、出来ないな。

 たまに読む
 科学雑誌に
 身もだえし

 説明しづらい。だが、実際、新技術とか、かなり掘り下げた研究とか、物理の基礎知識とか無くても面白すぎ。

 死ぬ死ぬと
 言ってもうすぐ
 ひとまわり

 ・・・、ウチの家系は、死ぬっていってから、十数年保つと信じてます。
 僕も何年生きれるかな?まず、祖母と母を観察。
 嬉しいやら悲しいやら、ウチの祖母は、長生きです。

 こんなにね
 大きくなったと
 冬の寺に

 あんまり覚えてもいないけど、父さんのお母さん、僕のもう一人のおばあちゃんの法事に、寺に行きました。今年のまだ寒い日。お経を読みながら、心の中で、「大きくなったよ」って。


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