自分の得意分野を優先?負荷軽減を優先?
今人には言えないがやりたい仕事がある。問題はやりがいと能力的に得意な部分もあり、自分の本質に根本的に関わる職業を重視して選択するか、パソコンを多用しない自分に負荷が少ない職業を選ぶか迷っている。これまで両親にしか話していなかった。 先日こんなことがあった。母が姉のところに用事があって、時間があったので自分が代理で姉の所に出かけたときのことだった。「で、あんたは就職する気あるの?ないの?」随分とズバッと言ってくれる。 就職する気あるのか?と言われればそりゃあるに決まっている。あると答えると「何になりたいの?」とこれまたストレートに言ってくる。 本当はやりたい職業はあるのだが、ハードルが高い上に、しかもそこに行き着くまでに時間がかかる。できっこないと反対するものもいることは当然予想できる。自分の性格の分析、職業の向き不向き、ヤングユースハローワークでの職業適性システムの診断結果(当然参考程度だが)、そこからどうやって根拠を集めて、筋道立てて説得しようかと思っていた矢先だった。姉は一言の猶予も与えてくれなかった(笑)。 まだ根拠集めの段階で説得にかける準備ができていない状況で、姉に問い詰められて話すかどうか躊躇があった。だが話さなかったら、実の姉なのに本心をお茶で濁さないといけない関係なのか、本当に就職するする気があるのかさえ疑われるだろう。余計なわだかまりを招く結果になるより一気にスバッと言って姉の反応をみるのもいいかもしれない。 とうとう自分のやってみようと思う職業を姉に話した。姉は仰天した。姉のひきつった顔が止まらなかったのが印象に残っている。姉はその表情のまま会話に突入した。姉はひきつりながらも何故その職業をやりたいのか、こちらの言い分を少なからずとも理解してもらえたようだ。 だが賛成してもらえたわけではない。自分の最大の課題である『状況が読めない』『突発的な事態が発生したらパニックになる(瞬間的に冷静な判断ができない)』『間断なく当意即妙な受け答えができない』ことを指摘された。その職業をやるにあたって致命的な問題だということだ。これはまさに至極当然な指摘だと思っている。本を読んで克服できる問題ではなく、小さい時からの経験の積み重ねによるものが大きい。 この他にも資金面などいろいろ言われたが、結局この日は姉にこういう職業をやりたい、と言うにとどまる形になった。姉は意欲ではわからなくもないという顔は見せてくれたが、でも実際やるとなったらあんたの資質の面で色々と不都合が出てくる。もっと自分に負荷のかからない仕事は無いの?とどのつまりこういうことだ。 以前母から工場勤めでもいいんじゃないの?と言われたことがある。なるほど確かに今までやっていたプログラマーやシステムエンジニアという職業から比べたら脳に対して負荷が少ないだろう。事実私の場合は長時間パソコン画面に向かっているといわゆる脳の活動過多状態となり、その状態が継続して就寝後も睡眠の質が悪くなるのだ。そうなると夜中に何度も目が覚めた状態になり、翌日は意欲が低下した状態になる。いわゆる入眠障害だがこれに対しては入眠導入薬である程度対処できるらしい。しかし自分にとっては脳に過酷なプログラマーの仕事を続けている限りいたちごっこが続く。それに知能検査では言語的論理理解が他の分野と異なり相対的に低かった(非発達障害の人は一般に知能検査で各分野の能力差は大きくないらしい)。この診断結果を受けて、その当時やっていたプログラマの仕事を我慢して続けていても苦労しそうだろう。よりにもよって自分の苦手な能力の分野で勝負しようとしているのだから伸びる可能性は低い。こういう事情もあってプログラマーを辞める決断をした。今後はシステムエンジニアはもちろん事務職も就こうと思う気はさらさら無い。 しかし残念ながら機械は興味のある分野ではなく、しかも交代制の工場勤務は基本的に単調な作業の繰り返しな部分が多い。単調な作業の繰り返しは、一見脳に負担がかかるのを軽減するかもしれない。しかし刺激がないということは飽きやすい別の問題点もはらんでいる。ADHDは基本的に刺激の少ない環境を好まない傾向になる。会話が多く刺激に満ち、何か目標を目指そうと駆り立てる要素(言うなれば獲物を見つけた狩人というところだろうか?いささか失礼だろうが)が多い職業が向いていると思う。工場勤めは機械が好きで事務作業速度が速い人がむいているだろう。 ところがかくいう自分は物理は大の苦手。よい先生に恵まれなかったこともあるが、物理は浪人時代最後まで克服できなかった。力学は脳内でイメージが作れるのでわかるのだが、電磁気学はどうしてもイメージが作れずわからない。好きな教科は数学・化学・生物だった(化学は現役時代苦手だったが、予備校でよい先生に出会えたこともありものすごく伸びた)。事務作業が遅い、興味対象外、機械苦手。こういうことがあったので交代制のような工場勤めはおそらく向いていないと私は考えている。逆に周囲は耳が悪いからできっこないと反対される事が多いが、企画・経営要素を含んだ職業こそ、おそらく実力を発揮できるだろうと考えている。 理由は直感(非言語的論理理解)・数値計算・観察力・データの洞察力に優れていると自分でもわかり、事実、知能検査でもその存在の可能性を示唆する検査内容だった。ただし過度の勤務時間でなければ不注意もある程度防げるという条件付だが。シムシティー3000など多数の要素を管理する職業も案外向いているかもしれない。 そういった部分を見抜いてくれる人が現れることを切望すると同時に、自分のADHDゆえの特性的な問題、そして聴覚障害という持たざるを得ないという理不尽さがなお募ってくる。なにも自分に2つも大きな障害を持たせなくてもいいではないか、ということだ。どちらか1つだけならその特性を生かして職業に就く事も可能だろうが、2つの障害では個人能力の広範囲に苦手が分野がまたがり、その苦手分野が得意分野をも妨げるようになるのだ。こういった理不尽な部分を抱えているため、姉にも伝えた職業になりたかったのだが、結論を出していないが今後の職業に関して白紙撤回をしなくてはいけないかもしれない。 自室で自分の能力の足りなさゆえに就きたい職業に就けないことに苦悩する日はまだ続く。