歴史に残る高校選抜決勝・・・軍配は早稲田実業高に。
高校野球選抜決勝戦見られた方はいかがでしたでしょうか?この決勝戦はのレベルはすごかったですね斉藤・田中両投手とも高校レベルを抜きん出て、とても高校野球のレベルではなかったです。もはやプロ野球のレベルでしょうね。さてお約束の12時半、いつものようにテレビの前に張り付きました。3連覇を狙う駒大苫小牧・田中投手と、初優勝を目前にした早稲田実業・斉藤投手は15回延長いっぱいまで投げきった3時間37分の激闘は、1-1のまま互いに勝負を譲らず翌日の再試合に持ち込まれた。決勝が引き分けで再試合に持ち込まれたのは、三沢(青森)vs松山商(愛媛)以来の実に37年ぶりとなる。そして再試合を行ったこの日もハイレベルな投手戦となり、9回表、駒大苫小牧1-4早稲田実業の試合展開から三谷が2ランを打ち、1点差に迫る。そして最後の最後になんという最高のシナリオを用意!抑えれば早稲田実業が、追加点が入れば延長戦突入可能の大一番に、立った打者が田中投手になるとは。事実田中は今大会で本塁打を打っており、逆転も可能だった。この最高のシチューエーションに投手・斉藤、打者・田中という場面になるとは。初球からこの日も147km/hを出す2球続けてストライク、そのあとのボール球に手を出さず、さらにファールでカットして粘る田中。そして田中が投げた真ん中高めの7球目、田中のバットが空を切った。無念そうに天を仰ぐ田中。思わず叫ぶ斉藤。かけつけるナイン。そしてさわやかな表情でタッグアウトに戻る田中。決勝戦は最後までハイレベルな闘いだった。ナインが駆け寄り一歓声があがった後緊張が緩んだのだろうか、どんなときでも常に冷静沈着な斉藤がブワッと涙を流した。見事な男泣きだ。それをハンカチで拭う。斉藤の育ちのよさがよく現れた一面だ。一方泣きじゃくる主将を慰める田中投手の意外な一面を見た。それぞれ優勝盾と準優勝盾を受け、信じられない記録・ドラマを残して、「剛投手」と「ハンカチの王子様」はさわやかな表情で甲子園を去っていった。この決勝戦は高校野球史でも屈指の名勝負だった。何しろ両投手ともプロ顔負けの投球術。失点がなかなか起きない。どちらも流れを引き寄せられないまま、20日は延長戦突入、再試合となった。そして翌日も投手戦の様相を見せた。延長戦再試合までやって肩を壊して欲しくない。決着がつかなかったらこのまま両校優勝した方がいいと思った。だがやはり「両雄並び立たず」というのだろう。初回に制球難から早稲田実業に点が入り、そしてその点差が追いつくことは無かった。先ほども田中は「剛」の投手、斉藤は「柔」の投手と書いたが、試合結果はまさに「柔よく剛を制す」結果となった。だがどちらも高校レベルを超えた大投手。さらに成長してプロ入りを目指してほしい。■斉藤投手も田中投手もプロレベルの投球術 斉藤・田中両投手とも高校レベルを超えた投手だった。どちらも能力が凄すぎて打者が打ち崩す事ができない。とくに斉藤は投球術が、田中は身体能力とスライダーのキレが素晴らしかった。 田中はその並外れた体格能力を生かし、150km/hの速球や130~140km/hのスライダーを投げていた。スライダーにプロ並のキレと威力があった。しかし大会当初田中は調子を崩しスライダーを大目に投げていたようだった。このスライダーの多投がスライダーの軌道を読まれ、打者が塁に出るとイラつくわかりやすい投球スタイルが攻略の糸口になった可能性はある。 かたや斉藤の投球術はこの日は右打者に内角高め、左打者に内角低目を丁寧に突いていったのが印象的だ。さらに身体能力と球威こそは田中に譲るも、内に闘志を秘め、冷静沈着な斉藤投手は105~145km/hに変化する緩急と内外高低をうまく使い分けうまく打者心理を読んでいった。今日打たれた2本塁打は、絶好の球を、見逃さなかったことによる。このあたりはさすが駒大苫小牧というべきだろうか。これが斉藤が今大会通じて最小失点に抑えることができた理由だろう。この投げ分ける制球力はプロでもやっていけるどころか、プロ入り2~3年目の資質はあると思う。今後は球数を少なくする工夫も考えていけば、さらに成長するだろう。この冷静に判断する投球スタイルは巨人・桑田に似ているようにも思える。 たまに桑田や荒木、松坂のような大投手が決勝で独壇場を見せることがあっても、同じ年に大投手が延長戦再試合をやって投げ合い最後まで逆転寸前、両エースの対決で決着はあまり記憶が無い。こんなハイレベルな試合はおそらくあと10年は見ることはできないだろう。■今回の勝敗を分けた差は起用タイミングと投手の性格 この日の駒大苫小牧の最大の誤算は投手起用のしかただろう。この日の先発は田中ではなく2年の菊地だった。おそらく連投の田中の負担増を考慮してのことだったが、経験に差があり結果として1点を取られ1回持たずに田中が緊急登板、この後リズムを作っていくのに時間がかかり、その間にさらに1失点してしまった。結局この得点差は埋まらず、最終的に決勝打となった。これは投手のスタミナの持分にも左右されるので結果論だが、田中が最初から先発であったら再び白熱した投手戦を展開し、駒大苫小牧が勝利していた可能性を戦略として挙げる。一方早稲田実業は斉藤のスタミナの強さを把握して、7試合連続の先発登板となり、順調にリズムを作っていった。高校野球選抜決勝戦ともなると、どちらも投手としての能力が大きく高校全体の戦力差が小さい場合、1点のミスがそのまま決勝点になってしまう場合も少なくない。 そしてもう1つあるとしたら投手の性格の違いを挙げるだろう。田中投手はタッチやストライクボールの予想外の判定にイラつく場面が若干目についた。高校生で選抜決勝ならば精神状態を平静に保つ事は並大抵のことではできない。真面目な投手だと気になって後を引くことも少なくない。もう一方の斉藤投手は終盤で四球を出してしまう場面があったが、動揺やイライラを見せずに冷静に状況を判断、気持ちを切らずに後続をピシャリと抑えた。この部分が斉藤投手の失点が少ない最大の長所だ。