The Moons「Fables Of History」レビュー
お久しぶりです!更新しない間に、兄弟がフジロック出演で別々の日に来日!というビッグニュースがあったにもかかわらず、そのフジロックに参加できなかった為にすっかり拗ねきっていたサリシナです(笑)私はといえば、8月のBeach Boys来日ライブに行って参りました!本当に素晴らしかったです!!言葉にならない奇跡の光景を見ることができて、本当に貴重な体験をしたな…と。今年の夏Beach Boysを見ることができたことは、人生の中でもビッグイベントの一つになったと思っております。生で大好きな曲「Wouldn't It Be Nice」を聴いて、踊ったあの夏の日を私は一生忘れないと思います。生きていて本当によかった!大袈裟な表現かもしれませんが、本当にそう思えるほど最高の時間でした。そして今回はそのBeach Boys…の話ではなく。Beach Boys、そしてその他私の大好きな60年代のバンドの空気を背負って活動しているバンドについてちょっとだらだらとお話させて頂こうかと思っています。Twitterでお世話になっている方々からは、「もういいよ!」と言われそうなくらい(笑)私がここ数ヶ月でどっぷりはまってしまったバンドです。THE MOONSです!自分の理想のバンドに出会ってしまって、本当にびっくりしました。バンドなのですが中心人物は写真に写っているボーカル&ギター、そしてほとんどの楽曲を作っているAndy Crofts(ちなみに彼はポール・ウェラー師匠のバックバンドでキーボード、ギターを務めております)バンドメンバーはかなり頻繁に変わっているようで、最近も大幅チェンジがあったよう…?です?(公式ではなにもお知らせがなかったのですが)事実上は彼のソロ・プロジェクトという形になっているようです。このバンドは去年のBeady Eyeのツアーでオープニングアクトを務めたりもしておりました。彼の作る曲は本当に素敵なんです!すごいすごいって何が凄いんだよと、突っ込まれても私はうまく説明できないんですが、超モッズ、超60年代サウンド、サイケで超ロック。昔ながらの古典的なサウンドを引っ掴んできて、とてもうまく自分の曲にしてしまうのです。あれ、このメロディ、リズム、ギターの鳴り方、キーボードの音、どこかで聴いたことがあるような?そういった曲が多いために、するっと耳に入り、60年代UKロック好きにぴたっとはまってくれるような、そんな曲をたくさん作っているバンドです。音楽を作る「才能」は、もちろん持っているのだと思いますが、それよりもAndy Croftsからは「超絶音楽好き」な匂いがぷんぷんするのです。「ああ、あのバンドのあの曲みたいな曲やりたいなあ」っていう、本当に音楽を作る上での一番最初の理想を、ずっと夢見てそれを叶え続けているように感じられるというか…ものすごく楽しんで曲を作り上げているような気がしてなりません。そのMoonsこのたび2ndアルバム「Fables Of History」を発売しました!それを聴いて大興奮のままにこれを書いております。1stもとにかくたまらなくいいのですが、折角なので発売されたばかりの2ndの簡単なレビューを書いてみようかと…それでは参ります。1.BE NOT ME→まさかの一曲目のタイトルが「俺じゃねえ!」!これはライブでも既に歌われていた曲で、私はちらっとだけ聴いたことがありました。一曲目にふさわしいポップさで、キーボードの音が最高のアクセントになっています。私がMoonsに惹かれたのは、ギターは勿論、このキーボードの音であったかもしれません。彼らのキーボードの音を聴くと私の大好きなバンド、Zombiesがふっと頭をよぎるのです。2.FOREVER CAME TODAY→「永遠は今日やってきた」BE NOT MEのアウトロとうまく連結して始まります。これもサビ部分がとっても聴きなじみのあるメロディです。「ああ、あの曲!」ってふっと出てこない私の耳知識の浅さが憎い…!一曲目に続いてとてもポップ。途中で入る「Ah~」っていうため息みたいな声がいいですね。お気に入り。Yesterday has gone but tomorrow looks alright「昨日はもう過ぎ去ってしまたけど、明日はきっと素晴らしいはずさ」っていうフレーズが耳に残ります。3.REVOLUTIONARY LOVERS→タイトルがいいですね!「革命的な恋人」私はこういう表現がたまらなく大好きです。とってもかわいらしい一曲です。ラスト間際に無音、声のみのブレイクが入るのですが、それがとてもいいです。それこそBeach Boysのようで。(AndyはBeach Boysのブライアンがとても好きだと言ってました)しかしながら自称OASIS芸人の私が聴くと、この曲は全体的にStay Youngを思い出さずにはいられませんでした(笑)。すいません。4.JENNIFER SITS ALONE→最近シングルカットされた一曲。「ジェ二ファー、君は惑星を離れゆく旅人」という素敵なフレーズから始まるこの曲はBeatlesやこれまたBeach Boysを思わせる穏やかなメロディ。Andyは天体が好きなのか(バンド名もそうですが)1stから引き続き、今回のアルバムでもユニバースやプラネット、といったフレーズがとても多いです。しかし私は彼の、この惑星規模のラブソングが大好きです。ちなみにNMEはこの曲をアルバムのベストトラックに選んでいました。異存なし!5.DOUBLE VISION LOVE→これもシングル曲。以前ギターを弾いていたジェームスが作った曲です(1,5,12はこのジェームスが作った?関わった?曲のようです)。メロディはレトロですが、どこか新しい音。Andyの「だぶびじょっらっはははあぶ!」っていう歌声がしばらく耳から離れなくなります。必ず。PVのペーパームーンズ(笑)が可愛いです。Andyが初期ジョン・レノンのようなギターの弾き方をしているのも見所!ガニ股!6.ENGLISH SUMMER→シングルDOUBLE~に収録されていた一曲です。ただ、PVもあるので、両A面という感じだったのかもしれません。メロディがうっとりとしていて、じっとりとした雨が降り、曇り空、そんな景色が思い浮かぶような一曲です。Andy自身も「典型的な英国の天候を歌にした」と言っておりました。この曲のPVでAndyが白い傘を持っているのですが、私はそれが婦人用の傘に見えて、かわいらしくて仕方ないです(笑)7.SOMETHING SOON→最初聴いた時に、あれ?誰かコーラスを雇ったの?と思った自分を殴りたい一曲(笑)!ポール・ウェラー師匠とのコラボ曲です!これがまた大層渋い仕上がりで…その、カッコいいんですよ…言葉にならないくらい…!これはもう聴いてください!!!と一番お勧めしたい一曲です。そのガザガザとしたギターの音に私はキンクスやアニマルズが浮かびました。8.ITS TAKING OVER→この曲はシングル「Let It Go」のカップリング曲だったのですが、今回歌い直され、アレンジし直しているみたいです。私個人的にはカップリングの時のアレンジがお気に入りだったりするのですが…!できれば二つ比べて聴いて欲しいです。どうしてこの曲がカップリングだったんだ?と思うくらい良い曲だったので、今回アルバムに入ってくれて嬉しいです。カップリングの時の方には「ヘイ!」と掛け声なんかが入っていて素敵だったのですけれどね…!Moonsの魅力の一つはコーラス、歌中の掛け声(掛け声?)のタイミングの素晴らしさだと勝手に思ってるので…。いや、勿論こっちも素敵ですよ。9.CAN YOU SEE ME→だだだだっと激しい曲が続いての一呼吸、という感じです。穏やかな曲なのですが、Andyの歌声はなぜかとても力強いです(笑)彼は声を変えるのが特技じゃないかと思うくらい、曲によって別人のような歌声に聴こえるときがあります。Beatlesのカバーをすればジョン・レノンの声に、Smithsのカバーをすればモリッシーの声に聴こえる。不思議です。10.HABIT OF A LIFETIME→この曲もいいですね…!大好きです。なんだろう?アルバムの中では一番毛色が違う感じ。そのせいかこのアルバムをひととおり聴いた時に一番耳に残っていたのがこの曲でした。ちょっぴりラテンな感じ。ボンゴの音(らしきもの、多分)が聴こえるのでそう感じるのかもしれません。ただ、中盤、音が消えてからのギターソロでいつもの雰囲気に戻ってなんだかちょっとだけホッとします。11.LIGHTS OUT→だいたいアルバムの中でのこのあたりの順番に入っている曲は中だるみしていることが多いような気がするのですが、ここでこのイントロか!!くるか!やるか!コノヤロー!にくい!と叫びだしたくなるイントロです。イントロだけでお腹いっぱい。曲全体ももちろんカッコいいですよ!でもイントロ。聴いたらなんとなく私の言っている意味がわかると思うので聴いてください(笑)!実は私はこの曲がアルバムで一番お気に入りかもしれません。12.THE FIRST GOODBYE→ジェームスの関わった曲です。彼の歌声はとてもぼんやりと響き、その歌声がこの曲のロマンチックさを際立てているように思えます。「最初のさようなら」とは何か?すみません歌詞がうまく訳せず、確実なことはいえないのですが、私が感じたのは「母体からの離脱」「誕生」が、「最初のさようなら」ということ…を…歌っているのかな?そういえば、私が大学で教育の授業を受けたときに「赤ちゃんが一番最初に覚えるジェスチャーは何か?」という質問をされたことがありました。それは「バイバイ」です。皮肉ですよね。生まれてすぐに覚えることが「さよなら」だなんて。これから数え切れないほどの出会いを重ねるのに、そこにはかならず「さよなら」がある。そんな話をふっと思い出しました。あれ、私これどこかで書いた気がするな?まあいいか(笑)!ラストの一曲としては、切なくて、甘くて、最高であったと思います。そしてボーナストラックのTRY ME,LOVE MEで、アルバムは終わりです。はい、以上私のとてもくだらない感想でした…ちょっと普段以上にひどいレビューですみません。私の記憶では、このアルバムには本来「Fables Of History」という曲が収録される予定でした(確か…)。しかし今回発売時に公開された曲目から、表題作の曲が消えている!という事態になっておりました。一時期youtubeにその曲のDEMO音源があがっていて、私は数回聴いたことがありました。60年代の女性ポップグループの曲のような感じ。ただ、このアルバムリリース前、バンドメンバーが変わったり(一緒に曲を作っていたジェームスが居なくなった?こと、「Fables Of History」という曲をジェームスが作っていた??ということ)と見えないところで何かがあったのではないかな、とちょっとだけ不安になる感じでした…が!しかし2ndその不安を吹っ飛ばしてくれるような最高の仕上がりでした!丁度昨日公式から日本宛にアナウンスがあって、ここから購入できます。ちなみにここにMoonsのPVも貼ってあるので、ぜひ見てみてください。そしてこのAndy、10月にあるウェラー師匠の来日公演にキーボード弾きとしてやってきます。ステージに立つそのお顔が見られたら嬉しいな~長い文章、読んで頂いてありがとうございました!※Moonsに関しては、残念ながら今のところ日本語のサポートがどこにもないので、私が書いていることには大きな誤りがあるかもしれません。勘違いや思い違いもあると思いますので、気になった方は彼らの公式サイトなんかで確認をしてみてください※