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東京都八王子市の高尾山はもうずいぶん昔から傷だらけの山だった
まず中腹に位置する寺が自分たちが自家用車で行き来出来るためと・・・参拝客の便宜を図るためになだらかな舗装路を敷いた。 それでも自然というのは力強く偉大で、川は水をたたえ森には昆虫、昆虫を捕食する鳥類、そしてイノシシやムササビが静かに生息を続けていった。 ケーブルカーの先にビアガーデンが作られてもこの灯りに珍しい昆虫が飛来し、仕事帰りに酒飲んで憂さを晴らす人たちと、夜な夜な灯りの下落ちてくる昆虫を待つ昆虫採集愛好家との間に険悪なムードが流れることなど稀だった。 昆虫採集が自然破壊だと言い出す輩が増えていった背景には、実は原発推進を何がなんでもやめたくない人たちを煽動した政府と、同じやり方が見え隠れする。 金である。 そして怒りの矛先を巧みに摩り替える。火種を投げ込むことで仲間同士を争わせる。その隙にさっさとしたいようにする。 気づいたときには、手遅れだ。 高尾山の近くのサマーランドという天下り産業は長く瀕死の有様だった。 そこにお客を増やすために道路を作ろうという案が浮上する。 道路を作るということはある種のお役人にとりほくほくするような状況が発生するらしい。 だからお役人は道を作ったりやたらと箱物を建てるのが大好きだ。そういう仕事だけは誰も提案しないのに率先してやりたがる。 やがて高尾山周辺の土地買収が始まった。 それと時を同じくして自然保護団体も、高尾山の自然を護ろうと反対運動が起こる。 そして 東京都は、こうした団体との摩擦を回避するために礼によって常套手段に出た。 「昆虫採集は自然破壊行為です」として高尾山に採集網の持込を禁止する条例を提案した。 だが昆虫採集愛好家というのは人の心の裏を読むことに長けている大変研ぎ澄まされて鋭い人たちが多いので、即座にこのからくりを見抜いた。 住民同士を関係ないことで争わせ、その隙に工事を着工しようというのだと。 事実ひっかかった人たち・・土地買収に応じたような人たち・・は、子供が虫取り網を持って駆け走っているのを見て 「元気が良いね」 と言わず 「そこで何をやってる!虫を採るな!!」 大人げなく怒鳴り散らした。 この世界中昆虫ほど個体数が多くしぶとい生物もなく、また子供ひとりが採る虫の数がどんだけかもしれていることを思えば、個人の虫採り程度で昆虫が絶滅の危機に瀕するなどということがありえないこと位馬鹿でもわかるのだ。 ましてや自分が子供の頃を考えてもらいたい。 夏休みに真っ黒に日焼けして野原や山を駆けて蝶やトンボ、セミといった昆虫を嬉々として追いかけはしなかったか? 自分らが自由に虫採りをすることを楽しんだのに、いまの子供にそれをするなというのはなんという手前勝手な価値観の押し付けか。 もっと大切なことがある。 昆虫を捕まえて手のひらに載せたり、飼ってみたりすることで、生命に触れ、自然に、命の不思議さ、もろさ、美しさを学ぶ。 そして、自然の大切さを体で感じることが出来るのだ。 虫を採れない自然など不自然だ!私は都にパブリックコメントを投げ込んだ。 娘も(当時中学生)都知事宛に長い長い手紙を書いた。内容はホームページにいまも公開している。 結果どうなったのか、私たち親子は知らない。 もとより東京都の考えは、こうだったのだろう。 こざかしい自然保護団体の矛先をこれまたごまかしの効かない昆虫採集愛好家たちへ向けよと。 結局高尾山のどてッぱらには、大きなトンネルの穴が開通してしまった。 それよりもミシュランに高尾山が掲載されてからはもうあの山は終わったと思っているので、ここしばらく振り返ってもみなかった。 八王子市にプルトニウムより毒性の高い放射性物質が検出されたと共同通信のニュースで閲覧した。 みなさまのNHKは真実から遠ざかって大事な情報を一切伝えようとしない。 核を保有し戦争を始めたがっているらしい都知事は、東京都民がお国のために被曝することを推奨するかのように何もしないから、おそらくは高尾山の放射能汚染は、深刻なのではないか。 たった一基の原発がおしゃかになっただけで 東日本の自然は、崩壊してしまった。 見ればそれとはわからない変わらない美しさをたたえながら、触れることも叶わない。 皮肉なことだがそれはかつて、お役人やもののわからない人たちが理想としてきた自然保護のありかただ。 立ち入るな、近づくな、触るな、遠くから眺めるだけで楽しめ! 不自然な自然との関わりのなかで、命の重みもわからなくなる キラキラ光る川に入って、岩場に隠れる沢蟹をこの手で捕まえることは二度とできない。 中央道が完成してから山の南側斜面から姿を消したムササビたち 光に敏感に反応する彼らだが目に見えない毒を察知することは出来ないだろう。 汚染された昆虫を捕食した鳥たちもケーブルカーの下を悠然とお散歩していたイノシシの親子も 静かに死んでいくのだろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011/10/05 09:48:02 AM
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