2230889 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

昆虫倶楽部リターンズ 岡山矢掛編

昆虫倶楽部リターンズ 岡山矢掛編

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2020/01/24
XML
カテゴリ:ハンドメイド
2020年1月24日(金)大阪松竹座

『壽初春大歌舞伎』

45年ぶりの上演『九十九折』
幕末の京都が舞台
悲運の男木谷屋手代清七がいよいよ地獄の底に叩き落とされていく転落劇救いのない末路が、残酷なまでに淡々と、ぞっとするほど覚めた視点で、描写し尽くされていく
ラストの清七、八坂の力蔵、芸者雛勇の修羅場
芝居という非日常空間で展開する凄惨かつ悲壮の極みを堪能
悲運の手代清七は松本幸四郎
このままテレビシリーズにしてもヒット間違いなしかの完成度の高い演技力に、感服
時代設定もあいまって時代劇チャンネルにかかっても違和感なさそうな秀作

勤皇派の武士を支援したおおだなの主人が断罪されるのを避けるため主人の罪を被り汚名を一身に着せられ都から落ち延びた手代の清七が5年ぶりにひょっこりと、店に姿を現すや、歓迎するどころか、いまさら帰ってこられては目の上のこぶとばかりに厄介者扱いし追い払おうとする手代たちの無慈悲と店のために罪を被り出世も恋も諦めねばならなくなった清七の境遇にひたすら同情するもなすすべなくせめてもと300両の金を渡そうとする主人の情愛、我欲のみにて生きる小者と懐に慈悲持つ人間との対比
いまも昔も変わらぬ理不尽と無常の人間模様

善良な人が救われず転落するのを誰にも止められない悲惨

だが、転がり落ちていったのは、清七自身の心の持ちようも確かにあったと思う

300両もの支度金を持たされ暇を出されたのだ
過去を捨て去り再出発することも不可能ではなかった
5年も諸国をさ迷っていたのだから、とりあえず上方へ出てみたりしてなんとでもやり直せたはず

引き返す機会はいくらでもあったのに、思いきれずに、自暴自棄となり、やがて刀を振り回し凶行に走る

一寸先の、闇

人は誰でも、少し運悪く道を踏み外せば、取り返しのつかない淵に堕ちる

そんな誰にも起こりうる、道を間違えたら陥る別の次元の人生を、覗き見るような、怖さ






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2020/01/24 11:56:57 PM



© Rakuten Group, Inc.