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恋愛セミナー21【乙女】

第二十一帖  <乙女 おとめ>  あらすじ

朝顔の君への源氏の思いは尽きることがありません。
源氏は女五の宮へも便りを欠かさないようにして、無理に事を運ぼうとはしないのでした。

葵上が残した源氏の息子・夕霧(ゆうぎり)が12歳になり、元服の時を迎えます。
夕霧は故・太政大臣の三条の屋敷で育ったので、元服式もここで行いました。
源氏の息子であるということで、世間は四位になるだろうと(地方長官である受領は五位。)思われていましたが、
源氏は夕霧を六位にして、大学寮で勉強させることにしました。

夕霧は不服ですが、とにかく一生懸命勉強して早く出世しようと思います。
毎日、部屋に篭って勉強にはげみ、源氏が落ちぶれていた優秀な人材を家庭教師にしたおかげもあって、
大学寮の試験に良い成績で受かりました。

そのころ、冷泉帝の中宮に、斎宮の女御が立ちました。源氏は太政大臣になり、もとの頭の中将は内大臣に。
(秋に思いをかける中宮のことを以降「秋好中宮(あきこのむちゅうぐう)」と言います。)
内大臣は娘・弘徽殿の女御が中宮になれなかったことが悔しくてなりません。
そこでもう一人、王族の血を引く娘・雲井の雁(くもいのかり)が三条の屋敷で大宮に育てられているのを
次の帝となる東宮に嫁がせようと急に思い立ちました。

三条の屋敷に出かけ改めて会ってみると、雲井の雁はとても可愛らしく、東宮にも相応しいようです。
そこへ、夕霧がやってきました。実は夕霧は雲井の雁とは幼なじみ。
ずっと一緒に三条の屋敷で大宮に育てられたいとこ同士です。
内大臣は夕霧を見ると、雲井の雁に会わせないようにしてしまいます。

その日、内大臣は以前から関係を持っていた三条の屋敷の女房の部屋で、
雲居の雁は夕霧を相手にしていたので宮廷に嫁ぐことはできない、という噂話を耳にします。
怒った内大臣は大宮を責め、雲井の雁を自分の屋敷に引き取ると宣言します。

とうとう雲居の雁が内大臣の屋敷に行く日、夕霧は決死の思いで会いにきます。
「会える時にもっと会っておけばよかった。」と嘆く夕霧。
「私も同じ気持ちよ。」と応える雲井の雁。
幼いながらもお互いを恋しいと思い合う二人を見咎めて、雲井の雁の乳母は
「いくら立派な人でも六位なんかではね。」などと嫌味を言うのでした。

そのころ、宮廷に五節の舞姫を出すことになり、源氏からは部下である惟光(これみつ)の娘が選ばれました。
雲井の雁のことで気落ちしていた夕霧は、控え室にいる娘を見てその美しさに心ひかれ
「以前から思っていました。」と歌をよみかけます。
娘は典侍として宮廷に仕えることになっていましたので会えなくなる前にと、夕霧は娘の兄に手紙を託します。
父である惟光はその手紙を見つけて怒りますが、相手が夕霧ときくと機嫌を直し
「私も明石の入道のようになれるかもしれない。」と期待をかけています。

夕霧はその後も雲居の雁にも惟光の娘にもなかなか会えないまま勉学に励みました。
花散里は夕霧の世話を大宮のかわりにと源氏から頼まれ、心をこめて尽くします。
夕霧はあまり美しくない花散里を父・源氏が大切にしていることを不思議に思いながらも、
性質のやさしさを尊んでいるのだろうと思ったり、顔を見ないようにしているのではなどと
想像したりして、大人びた考えを身につけてゆくのでした。

二月二十日頃、朱雀院の住まいへ帝と源氏が招かれました。帝と源氏は同じ赤の衣を着ていたので瓜二つに見えます。
朱雀院もさらに美しくなっています。
夕暮れ、庭の池に船を浮かべ、そこで式部省での試験に出る漢詩を作ることになり、夕霧も乗り込みました。
「春鶯囀(しゅんおうてん)」が舞われるなか、朱雀院と源氏は桐壺帝の花の宴を思い歌を交わしあいます。
夕霧は素晴らしい漢詩を作って試験に合格、文章の生(もんじょうのしょう)になり、位も従五位に上がりました。

源氏はかつての六条御息所の屋敷のあったあたりに広大な住まいを作ります。
六条院と呼ばれるその住まいを四つの町に区切り、それぞれに女主を配しました。
西南の町は秋好中宮の里にして秋の風情を楽しめる場所に。
東南は源氏と紫の上の住まいで春の草木をふんだんに。
東北は花散里と夕霧のために、馬場と涼しそうな泉がある夏のたたずまい。
西北には明石の君、たくさん植えた松に積もった雪で冬の風景を。

それぞれの町に住む女性達は文や贈り物を交わして仲良く付き合っています。
明石の君も、全ての女性が移り住んでからひっそりと冬の町にやってきました。
源氏の娘を生んだということで、とても丁重な扱いを受けています。

恋愛セミナー21

源氏の次の世代に、だんだんと移ってゆく予感です。
夕霧と雲居の雁の幼いロマンス。ただし、さすが源氏の子。
会えないとなると美しい娘をすぐに見つけています。
12歳で花散里と源氏の夫婦関係に対してもなかなか鋭い見方をしていますね。

朧月夜と源氏が出会ったちょうど同じ季節に、朱雀院としみじみと昔を語り合う源氏。
自分の二の舞をさせたくない、との思いから真面目に勉学に励むようにさせた源氏。
春鶯囀を見ながら、若き日の自分の姿を思い出していたことでしょう。

さて、まるで後宮のような六条院を作り上げた源氏。
愛した女性たちが、自分を中心に仲むつまじくしている贅を尽くした住まい。
きっとこれは男性の夢なのではないでしょうか?

しかしながら、完成されたものにはすぐ飽きてしまうもの。
次の帖では、そんな源氏の新たなる情熱が展開されてゆきます。


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