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Beauty Source キレイの魔法

恋愛セミナー26【常夏】

第二十六帖  <常夏 とこなつ>  あらすじ

六条院に柏木たちがやってきたので、源氏は内大臣と昔の縁あった女性の子供を
柏木が探し出してきた、という噂の真偽を確かめます。
やはり噂は本当でしたが、ずいぶんと風変わりな女の子のようです。
源氏は夕霧に、同じ姉妹ならそんな落ち葉でももらったらなどとからかったり、
内大臣に玉鬘のことがわかれば、きっと大切にするだろうと思ったりしています。

源氏が玉鬘のもとにゆくと、夕霧や柏木たちもついてきて、
庭で屋敷のうちの風情ある様子をうかがっています。
玉鬘に、源氏は柏木に冷たくしないように諭したり、
夕霧が内大臣に雲居の雁のことで嫌われていることを話しました。
玉鬘は、ああ、そんな事情があって私という娘がいることを内大臣に伝えてもらえないのだ、とさとります。

源氏は和琴をかきならしつつ、内大臣がこの楽器の名手であることを話します。
源氏の美しい音色よりももっと素晴らしいという父の和琴を、いつか聞いてみたいと願う玉鬘。
琴の音に引き寄せられる玉鬘の美しさに、源氏は苦しいほどの愛しさを感じます。

玉鬘も、近づくだけで無体なことはしない源氏にだんだんと慣れ始めていました。
いっそ玉鬘を嫁がせてしまい、夫を六条院に通わせるようにすれば、
自分もこっそりと関係を持つことができるだろうかと、
源氏はまた事がややこしくなることを考えています。

内大臣は息子が引き取った娘のことを源氏に訊ねられたことを聞き、悔しがります。
同じ田舎で育った娘でも、源氏の方は美しさで評判になっているのもいまいましくて
「実の娘ではないのでは?」と疑う内大臣。
夕霧がいっこうに雲居の雁とのことを仄めかさないのも可愛げがないと感じて、
もっと昇進するまでは結婚を許さないと思います。

内大臣は久しぶりに雲居の雁を訪ねました。
薄い衣を着て、油断して眠っていた雲居の雁が驚いて起きた姿はとても可愛いらしく、
内大臣はその無防備さを注意しつつ、かといってあまりにも頑なな態度も良くないが、と教えます。
明石の姫がとてもおおらかに過不足なく育てられていて、次の帝への入内を期待されていることを話し、
雲居の雁も入内はできなくともつまらない男性に気を許さないように、とさとしました。

内大臣は迎え入れた風変わりな娘・近江の君(おうみのきみ)を仕えさせていただけたら、
少しはましになるでしょうか、と弘徽殿の女御に訊ねます。
女御は「柏木の思い込みあっただけで、そんなにひどい方ではないのでしょう。」とおっとりと応えました。

内大臣が近江の君に行ってみると、彼女は五節という女房と双六をして大はしゃぎ。
ものすごい早口で「小賽、小賽!(しょうさい 相手が振ったサイコロに
小さい目がでるようにするおまじない。)」と叫んでいます。
もう少しゆっくり話したら、という内大臣に、生まれたときに祈祷をしてくれたお坊さんが
早口だったのがうつったようで・・・と応える近江の君。
けっして醜くはなく、生き生きとして愛嬌があり髪も美しい近江の君を見て、
確かに自分に似ている・・・と認めざるをえない内大臣。

身の周りの世話をしてもらったらもっと側にいてもらえるが、と言うと
「お父様のそばにいられるならおまるのお掃除でも何でもしますわ!」、
女御のところに行儀見習にでも、と言うと
「皆さんと一緒にいられるなら水汲みもします!」
すぐにでも出かけそうな近江の君に「そのつもりなら今日でも。」と伝え、内大臣は逃げ出しました。

近江の君は弘徽殿の女御に妙な歌を贈って皆を当惑させます。
「筥崎の松(はこざきのまつ)」とある返歌をもらって
「松って書いてあるから待つってことよ!」と大乗り気。
衣にむせかえるほど香をたき染めて訊ねる準備をするのでした。

恋愛セミナー26 

1 源氏と玉鬘      馴れ合う二人。
2 夕霧と雲居の雁   いまだ進展なく。
3 内大臣と近江の君  昔のつけが今ここに。

不自然な状態にも、だんだんと順応してしまっている玉鬘。
源氏も耐えてはいるのですが、玉鬘がほんの少しでも親しんでくると自制心が緩みます。
適当な婿を迎えて、玉鬘との関係を進めようと考える。
いつまでも、恋の現役なのですね。

後半は、内大臣の娘たちです。
頼りなくも可愛らしい雲居の雁。
おっとりと優雅な弘徽殿の女御。
早口で愛嬌者の近江の君。

末摘花、源典侍に続く、楽しいキャラクター近江の君を玉鬘と並べた紫式部は、本当に巧みです。
息詰まる源氏とのやり取りの中に、ふとこんな女性が紛れ込んでいるのも一興。

油断して眠っていた女性の美しさは、玉鬘も演じています。
一部の隙もない人よりも、こんな警戒心のない姿を好ましく思う気持ち、きっとどなたにもあることでしょう。
内大臣も、しっかりしているようでちょっとうっかりさん。
やはりこの娘たちの親ですね。
心惹かれる可愛げはそんなところにあるのかもしれません。


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