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Beauty Source キレイの魔法

恋愛セミナー33【藤裏葉】

第三十三帖  <藤裏葉  ふじのうらば>  あらすじ

内大臣は夕霧と話す機会はないものかと思案しています。
三月は大宮の亡くなった月で、法要の際に二人は顔を合わせました。
雨が降りそうな空模様の中、「もうそろそろ許してくださいよ。」と夕霧の袖を引いて言う内大臣。
「お許しがいただけないのでご遠慮申し上げておりました。」
夕霧がこう応えるそばから急に雨が降り出し、会話はそのままになってしまいます。
内大臣が何を言いたかったのか、夜もふけるまで考える夕霧なのでした。

四月、内大臣は自邸に藤の花が見事に咲いたので音楽の宴を催すことにしました。
内大臣は柏木を使者に、夕霧に招待の文を届けます。
「私の掌中の珠、美しき藤が深く色ついたこの黄昏に春の名残をお訪ねください。」
素晴らしい藤の枝につけられた歌に心ときめく夕霧。
「本当に手折ってもよいのでしょうか、黄昏にまぎれた藤の花を。」
柏木にこの歌をもたせて、先に帰しました。

夕霧は源氏に内大臣の歌を見せます。
「向こうから折れてきたのだからもう許せるだろう。早くでかけるように。」
源氏はとびきりの衣装を夕霧に与えました。

夕霧は水際立った姿で内大臣家に迎えられました。
内大臣は厚くもてなし、夕霧を酔わせようとします。
夜も更けて、内大臣は酔ったふりをした夕霧を、柏木の案内で雲居の雁のもとにいざないました。

帰ってきた夕霧の報告を、源氏は誇らしく思います。
そして、気を許して浮気をしないように、内大臣は意外に心が狭い人だから、と忠告しました。
源氏はまだとても若く見え、二人が一緒にいると美しい兄弟のようです。

その年の葵祭りを、源氏は紫の上と見物に行きました。
六条院の他の女性が同行を遠慮するほど、紫の上の威勢はたいしたもので人々の注目の的です。
源氏は葵上と六条御息所の車争いを思い出していました。
狼藉を受けた御息所の娘が中宮として誰も及ばない地位にあるのに対し、
葵上の生んだ夕霧が所詮は臣下として進んでゆくしかないことに改めて無常を感じ、
世を捨てたいのだが残される女性たちのことを考えると・・・などと紫の上に語ります。

この祭りにはあの惟光の娘・藤典侍(とうないし)も来ていて、夕霧は文を届けます。
雲居の雁のことを聞いて典侍は心が波立っていますが、夕霧とはこれからも関係を続けてゆきそうです。

紫の上は明石の姫の入内に際して、実母・明石の君に付き添いを託すことを思い立ちました。
明石の君も祖母の尼君も本当に喜んでこの申し出を受けます。
紫の上が入内の最初の三日間の付き添いをしたのと入れ替わりに、
宮廷に入る明石の君。
二人は初めて顔をあわせ、お互いの美しさ、たしなみの深さは
源氏に愛されるのに相応しいと認め合うのでした。

四十歳になるのを前に、源氏は准太上天皇(じゅんだじょうてんのう)になり、
帝の位を退いた院と同じ待遇になりました。
それでも冷泉帝は、真実の父である源氏に帝の位を譲れないのを残念に思っています。
内大臣は太政大臣に、夕霧は中納言に昇進。
「六位なんか。」と侮った雲居の雁の乳母は恐縮しています。
「こうなるとは思わなかったのだね。」と笑顔でいう夕霧。
夕霧はさらに、雲居の雁と幼い日々を過ごした三条の屋敷を改修して、夫婦仲睦まじく暮らし始めます。
内大臣も、この縁組は雲居の雁にとって入内するよりずっと幸せだったのだと満足しました。

十月、冷泉帝が六条院に行幸し、朱雀院もやってきました。
源氏が一段低い場所に座っていたのを、冷泉帝は同じ列に並ばせます。
紅葉のころで、朱雀院での紅葉賀を思い出す舞楽が始まりました。
青海波を頭の中将だった太政大臣と共に舞ったことが心に蘇る源氏。
自分はやはり源氏とは並び立てない存在だったのだ、と改めて思う太政大臣。
冷泉帝と夕霧は源氏に本当によく似ていて、いよいよ立派に美しさを増しています。
夕霧が笛を吹き、内大臣の息子の弁の少将が美声を響かせる中、宴は佳境に入るのでした。

恋愛セミナー33

1 夕霧と雲居の雁  幼なじみの恋が実る
2 夕霧と藤典侍    続いていた二人

夕霧と雲居の雁の仲を引き裂いてから6年、とうとう内大臣は自分から白旗をあげました。
娘を藤の花にたとえて誘うあたり、艶ではありませんか。

夕霧の方も、源氏に誘いにのって良いものか相談しています。
正式な結婚は本人達だけでなく家同士のものでもある。
まして、内大臣は源氏の申し出を断って顔に泥を塗った経緯も。
夕霧も父の顔を立てることをしなくてはならなかったのでしょう。

夕霧のおしゃれに気を配るシーンは恋の先達としての源氏の本領発揮です。
父親にカラーコーディネイトしてもらえる息子というのも、なかなか幸せものなのでは?
雲居の雁のもとから帰ってきた夕霧を迎えるシーンは、源氏の父親としての愛情が感じられてほのぼのします。
これが母親だったら、かなりなマザーコンプレックスに見えますけれど。

入内にこだわっていた内大臣は、臣下に嫁がせることが娘の幸せに繋がったことを認めました。
以前、弘徽殿の女御が後からきた帝より9歳年上の前斎宮に中宮の座を奪われたので、
今度は東宮より7歳年上の雲居の雁で対そうという目論見がありました。
けれど明石の姫の威勢を目の当たりにしてみて、雲居の雁はやはり勝てなかっただろうと思えたのかもしれません。
先に玉鬘が帝に仕えることを目されながら、髭黒の右大将のもとで運が開けたことも
大きな影響を与えていることでしょう。

明石の君も、ようやく娘のそばにいられることになりました。
紫の上が長年育ててきた明石の姫を手放したのは、明石の君への配慮もさりながら、
このままずっと宮廷に居勝ちになるよりも、源氏との生活を大切にしたいという思いがあったのでしょう。
子どもにかまけて夫を置いてはおけない妻。
さらに源氏が語ったように、そろそろ紫の上も余生を考え始めたのかもしれません。

さて、源氏は臣下の身から王族に返り咲きます。
源氏の隠れた帝位願望が実った形。
冷泉帝の父への破格の志を、源氏はどのような気持ちで受けとめたのでしょうか。


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