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Beauty Source キレイの魔法

恋愛セミナー59【総角】

第四十七帖  <総角-4 あげまき> あらすじ

匂宮は身分柄、宇治にはなかなか通えないので、京に移す用意をすると中の姫に伝えます。
三日目の夜から、もう将来が不安なることを聞き、悲嘆にくれる中の姫。
明るい場所で見ても中の姫は非常に美しく、宮廷にいる姉の女一宮よりも素晴らしいと思う匂宮。
優雅でくつろいだ匂宮を間近で見、その愛の言葉の聞きながら、
本当は大姫を思っている真面目すぎる薫よりは、と思う中の姫なのでした。

匂宮は宇治に通えないことを辛く思いつつも、やはり気軽な行動はできません。
中の姫の憂いを思いやり、自分は結婚しないという意志をさらに強く持つ大姫。
薫は引き合わせた責任もあり、匂宮の気持ちに注意を向けていますが、今回の中の姫への思いは
浮気心とは違うようで、ほっとしています。

九月も十日を過ぎる頃、二人は宇治を訪れますが、薫と大姫は相変わらず襖越しに話します。
「ほかの人に心を奪われることはないだろうから。」と強いて鷹揚に構える薫。
「近頃の衰えた姿をを見苦しいと思われるのは嫌なのです。こんなことを思うのも不思議ですわね。」
大姫の言葉に心をかき乱されたまま、薫は夜を過ごしています。
事情を知らない匂宮は、薫の慣れた振る舞いを羨み、すぐ京に戻らねばならないことに満たされない思い。
匂宮の悩みがわからない姫達は、先行きの不安を隠せないのでした。

匂宮は中の姫を京へ迎える場所を探しますが、周囲の思惑もあり難航しています。
六条院に住む夕霧の娘・六の姫との結婚を明石の女御からもすすめられているので、
中の姫への風当たりが強くなるようなことは避けたい匂宮。
いつもの浮気相手なら女房として仕えさせることもできるのですが、そんなことは考えられない匂宮は、
自分がもっと高い身分になった時は中の姫に最高の扱いをしたいと決めていて、どうしたらいいか思案にくれています。
三条の屋敷を増築し、大姫を迎えようとしている薫。
宇治での生活の面倒も細かく気を配る一方、匂宮が通えないことを案じて
「明石の中宮にはっきりと中の姫のことをお話して取り成して差し上げようか。」と考えています。

十月に入って、薫は紅葉狩りを理由に、匂宮が宇治へ繰り出せるように手配し、
姫達にも匂宮がやってくることを言付けました。
お忍びで出かけたつもりでしたが、事情を知った明石の中宮は、大勢の身分高い貴族を差し向け、
紅葉の宴はすっかり盛大なものになってしまいます。
これでは抜け出すこともできないとがっかりする匂宮。
宴が果てたあとは、皆に守られるように帰ってしまいました。

来ると言い、近くまで来ておきながら匂宮が帰ってしまったことに、すっかり気分が悪くなり寝込んでしまう大姫。
匂宮からの愛の言葉を直接聞いている中の姫は、思い詰めるほどではありませんが、やはり悲しげな様子。
大姫は中の姫の気持ちや結婚の辛さをあれこれ悩み、「これ以上恋の罪を積まないうちに死にたい。」とまで思います。

匂宮は宇治に戻りたいと願いますが、明石の中宮や帝は宮廷から出ることを許さず、軽率な行動をするのは
定まった相手がいないからだと夕霧の六の姫との結婚の手はずをすっかり整えてしまいます。
「気に入っている人があるなら女房にするように。東宮になるかもしれないあなたなのですから。」とさとす明石の女御。
薫は自分が二人ながら世話をすればよかったと、匂宮を中の姫に会わせたことを悔やむのでした。

恋愛セミナー59

1 薫と大姫      心は近づく
2 匂宮と中の姫   身も心も

大姫と中の姫の気持ちが変化してゆきます。
今まで恋文だけで、愛の言葉を降り注がれていた中の姫は、三日間誠実に通われれ、
匂宮の肉声で同じ言葉を聞き、初めて納得できたことでしょう。
行動と言葉が一致している匂宮の態度にも、好感を持っているようです。

大姫が衰えた姿を見られたくないと思うのも、その気持ちの変化に自分で気づいているのも面白いですね。
薫のことを意識しているからこそ、美しくみられたいと感じ始めている。
そう思うことさえ仏の道に反した「恋の罪」だと大姫は自分を戒めているのですが。

隔てを置いて男性に対する大姫と、身も心も対峙した中の姫。
匂宮が来ないことにも、以前なら同じように嘆き悲しんでいた二人。
大姫は、依然として頭の中の考えをどんどん暴走させています。

一方、中の姫は「宇治にはなかなか来られない。」と聞いていて心の準備ができている。
何より実際に逢った匂宮の裏表のなさを愛する気持ちも生まれている。
中の姫を庇護し、世間の風から守ろうとしていた大姫よりも、いまは中の姫の方が
人やものごとに対して鷹揚になれるほど、成長しているように見えます。

気軽に動ける臣下の薫と行動が制限されている匂宮。
東宮になるかもしれない重い身分の匂宮は宇治にもなかなか行けず、気のすすまない結婚を強要され、
中の姫を京に迎えるどころではありません。
薫は大姫をいつでも迎えられる準備を整え、あとはもっと打ち解けてくれさえすればとゆったり構えています。

匂宮の結婚は吉とでるのか、薫の余裕は実を結ぶのか。
次回、明らかになります。


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