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Beauty Source キレイの魔法

恋愛セミナー68【東屋】

第五十帖  <東屋  あずまや-2>  あらすじ

母君は浮舟を連れて、早速二条院を訪れました。
若君を生んでますます美しくなった中の姫を間近にした母君は、身分はそう隔たっていなかった
はずなのに、何故こんなにも境遇が違ってしまったのかと娘・浮舟と比べて情けない思いです。

何日かたって、匂宮がやってきました。
夫・常陸の守よりも立派に見える貴族達が匂宮に付き従う様子や、若君を可愛がる美しい姿に
惚れ惚れと見入る母君。
八の宮とも格段に違う威勢の大きさを感じ、豪勢に暮らしていると思っていた今までの暮らしが
思いあがったものであったと思います。
こんなに素晴らしい人ならば、たとえ年に一度の逢瀬でもかまわないと、中の姫の運勢の強さを
羨む一方、浮舟を匂宮のそばにおいても見劣りはしないだろう、と考える母君。
あの左近の少将も匂宮の取り巻きですが、みすぼらしく見え、すっかり見下してしまうのでした。

匂宮が宮廷に行ってしまうと、母君は中の姫の前で宮の素晴らしさを褒め称えます。
あまりにも大げさで田舎びた母君の様子にあきれながらも、浮舟の美しさは好ましく思う中の姫。
浮舟の将来を母君が頼んでいるちょうどそのとき、薫が二条院を訪ねてきました。
「美しい方と聞いておりますが、匂宮さまほどではないでしょう。」と言い、物陰から覗く母君ですが、
目の当たりにした薫の素晴らしさに、驚愕してしまいます。

薫は相変わらず結婚が意に添わなかったことや、大姫への思いが忘れなれないことや、
中の姫への恋心をそれとなく訴えます。
薫の心を静められるかもしれないと、中の姫は浮舟が二条院に来ていることを伝えました。
「大姫の代わりならば身に携えて恋しい思いを撫でてはらう人形にしましょう。」とざれ言にする薫。
「みそぎ河の瀬に流す人形などとおっしゃるなら身に携えて下さるなどと誰が頼みにするでしょうか。」と中の姫。
それでも薫は中の姫から浮舟に思いを伝えてくれるよう頼んで帰りました。

母君は薫の美しさや残り香を賞賛しているので、中の姫は浮舟との縁談を奨めてみます。
浮舟を出家させることも考えていましたが、すべて中の姫にまかせようと決心する母君。
常陸の守からも屋敷に戻るように催促がありましたので、浮舟を残して去ることにします。
二条院を出るとき、帰ってきた匂宮に「誰か。」と問いだだされる母君。
「常陸殿です。」と従者が答えたのを、「殿とは偉そうに。」と匂宮の取り巻きに笑われた母君は
本当に情けなく、浮舟の身分だけはこれ以上おとしめない様にしようと思います。
常陸と名のった車が、薫ではないかと疑う匂宮。
女房の友人だと中の姫は少し怒って見せています。

次の日、中の姫は髪を洗うことになり、夕方、匂宮は一人部屋にいることになりました。
若君も眠っているのが退屈で、屋敷の中を歩っていた時、襖の奥に見たことのない女性・浮舟を目にします。
美しい様子に惹かれ、近づいてきた匂宮に名前を聞かれ、顔をそむける浮舟。
噂に聞いていた薫かと思いながら困っていると、浮舟の乳母がやってきて匂宮に気づきます。
「なにをしておられるのです。」乳母が睨みつけても、かまわず浮舟のそばに横たわる匂宮なのでした。


恋愛セミナー68

1 薫と浮舟      人形として
2 匂宮と中の姫   なれた夫婦
3 匂宮と浮舟     何かがおこる

上流階級から身を落とすことの悲哀が感じられる帖です。
八の宮が、よほど良い相手でなければ宇治からでないようにと姫たちに遺言したのかがわかりますね。
中央で宮廷に仕える貴族と、地方長官になった貴族では天と地ほどの差があるのです。

それでも、いったん上流階級の家に親戚として出入りし、後見を得られれば、返り咲くことも可能。
いったんは婿と決めた少将を、匂宮を見たあとでは軽蔑している母君の、心の変化が面白い。
中の姫と繋がっていると認めてもらえれば、匂宮と繋がっているのと同じこと。
夫から一人の人と大切にしてもらいたいと言っていた母君が、匂宮や薫の素晴らしさに魂を奪われて
「年に一度の七夕のような逢瀬でもよい。」と思うのは、映画スターに中てられた女性のよう。

世にもてはやされるアイドルを見て興奮した母君は、娘を中の姫に預ける決心をします。
中の姫は確かに美しい。でもうちの浮舟も捨てたものじゃないわ、身分だって本来ならそれほど
違わないのだから、という自負を感じます。

薫の思いも、まだはっきりしません。
一人の人を思い続けることを看板にしてきた薫。
中の姫への恋心をみせたばかりで、すぐまた他の女性へ心を移すのは、あまりに軽薄だと思われるからなのか。
あまりの身分の違いに戸惑っているからか。
慎重な性格がまた顔を出しています。

一方の匂宮。
平安時代、女性が髪を洗い乾かすのは一日がかりの大仕事。
放っておかれた経験のあまりない匂宮は、自分の屋敷だからとどこまでも入り込んでいって
普段から女房達と関係していたのでしょう。
浮舟はどうなってしまうのでしょうか。


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