PS 1000pieces 301-☆301かわものしろき つきがおをめで あなたのしろき つくばえをめで 「照る月の たびねのとこや しもといふ 葛城山の 谷川の水」2019.10.01 ☆308 ぼくのこころは いつもさまよひ きみをさがして いつもさまよひ 「杣かたに みちやまどへる さを鹿の 妻どふこゑの しげくもあるかな」2019.10.19 ☆309 まひるのおとくず しずかにつもりて やはのねざめに しずかにひびいて 「秋の夜は おなじ尾上に なく鹿の ふけゆくままに ちかくなるかな」2019.10.19 ☆310 よるにかなしく きこえるこえは あきにつめたく かわかぬそでは 「さを鹿の なくねは野べに 聞こゆれど 涙はとこの ものにぞありける」2019.10.19 ☆311 あまおとをつれ きりにわけいり かげをたよりに きりにわけいり 「さらぬだに 夕べさびしき 山ざとの 霧のまがきに を鹿なくなり」2019.10.19 ☆312 ゆらりゆうらり こよいはうきね ゆらりゆうらり このよはうきね 「湊川 うきねのとこに 聞こゆなり 生田のをくの さを鹿の声」2019.11.14 ☆313 けえんけんけん しかのおとつぶ びょうとふくる まつのおとつぶ 「うきねする 猪名の湊に 聞こゆなり 鹿のねをろす 峰の松風」 ☆314 しずかなよるに わたるしかの音 ぼくがいるから わたるしかの音 「夜をこめて 明石の瀬戸を こぎいづれば はるかにをくる さを鹿の声」2019.11.14 ☆315 ぼくはまってる よるにわたって ぼくはしってる おってくるのを 「湊川 夜ふねこぎいづる 追風に 鹿の声さへ 瀬戸わたるなり」2019.11.14 ☆354 くもより したたる いろは紅 しぐれて ながれる いろは紅 「むら雲の しぐれてそむる もみぢ葉は うすくこくこそ 色も見えけれ」2013.11.22 ☆355 ゆうべのいろは かわらないのに こずえそめても かわらないのに 「しぐれゆく よものこずゑの 色よりも 秋はゆふべの かはるなりけり」2013.11.22 ☆356 陽にみがかれて 今うかばれる紅 夏ごもりをへて 今ときはなつ紅 「おぼろげの いろとや人の 思ふらん 小倉の山を てらすもみぢ葉」2013.11.22 ☆357 秋の女神の 手に嘆じて 夏の姫との 色を比べて 「君見むと 心やしけん たつた姫 もみぢのにしき 色をつくせり」2013.11.22 たつた姫 紅筆とって 富士に刷き 秋の筆 富士の裳裾に 紅を刷く 秋の湖に 紅といて 富士を刷く ☆387 とうとうきてしまった 昨日のこだまはすてて とうとうみてしまった 明日のことばをはって 「きのふこそ 秋はくれしか いつのまに 岩間の水の うすこほるらむ」2012.11.28 ☆388 ひとつふたつの にしきのなごり とえにはたえに ふまれるひかり 「いかばかり 秋のなごりを ながめまし けさは木の葉に あらしふかずは」2012.11.28 ☆389 水をむすぶ この寒さの 腕をむすぶ 世の寒さの 「泉河 水のみわたの ふしづけに 柴間のこほる 冬はきにけり」2019.12.17 ☆390 きのうはたしかに そこにあったのに あなたはたしかに みてたはずなのに 「ひまもなく ちるもみぢ葉に うづもれて 庭のけしきも 冬ごもりけり」2012.12.06 ☆391 どこに生まれようとも 洗われねばならぬなら なにに倦まれようとも 顕されねばならぬなら 「さまざまの 草葉もいまは しもがれぬ 野辺より冬や たちてきつらん」2012.12.13 ☆392 あなたの放つこと葉に 力あることを知ってて あなたの延べし手より 形になることを覚えて 「すむ水を 心なしとは たれかいふ こほりぞ冬の はじめをも知る」2012.12.13 ☆393 いっさいがっさい つれさるあらしよ いつでもけっして わらわぬあなたよ 「秋のうちは あはれ知らせし 風のおとの はげしさそふる 冬はきにけり」2012.12.06 ☆394 しろきうわもの すべるおときき たかきしんいの おりるおときき 「わぎもこが 上裳のすその 水なみに けさこそ冬は たちはじめけれ」2019.12.17 ☆395 てにてにのこる ふゆのこはいろ めにめにはいる おくれたこころ 「いつのまにか かけひの水の こほるらん さこそあらしの をとのかはらめ」2011.12.20 ☆396 ひとつ風に ひとつ筆も 繕わぬ まつげさらして ふたつ声に ひとつ綾も 纏わぬ こころさらして 「外山ふく あらしの風の をと聞けば まだきに冬の をくぞ知らるる」2011.12.24 ☆397 しろきうすぎぬ おりて あららかなおと つつみ つきぬことのは ためて あらぶるこころ たえぬ 「はつしもや をきはじむらん あか月の 鐘のをとこそ ほの聞こゆなれ」2011.12.26 ☆398 鐘おとのなみ 氷をつなげて 白き花むすび 恋うひとのね 空をつたいて 透く星さかせ 「高砂の 尾上の鐘の をとすなり あか月かけて しもやをくらむ」2012.01.02 ☆399 ひとりもいない このしろき夜に ひとりでいない このひろきよに 「ひさぎをふる 小野の浅茅に をく霜の しろきを見れば 夜やふけぬらん」2012.12.21 ☆400 ひとよふた夜の 恋いをすごして ひとよふたりの ときをすごして 「冬きては 一夜ふた夜を たまざさの 葉わけの霜の ところせきかな」2012.12.21 |