岡本太郎さんの養女・敏子さんが天に召されたことを知りました。
万博が開催され「太陽の塔」にも再びスポットが当たったこの年に、と
感慨深く思っています。
岡本太郎記念館に足を運んだことがあります。
青山小学校から歩いてすぐ。
一等地とはいえ、民家もたちならぶ中に溶け込むように、建つというよりは
地から生えているようなところ。
門構えも民家のようで、入口を潜り抜けると生前の息吹がそのまま感じられる
空間が広がっていました。
岡本さんの作品が、それこそゴロゴロしていて、油絵などは重ねて立てかけられた状態。
パリのピカソ美術館で床に置かれたオブジェにつまづきかけたことを思い出しました。
敏子さんは、岡本さんの様ざまな言葉や行動を拾い集め、多くの本を世に送り出した方。
岡本太郎さんが元気だったころ「だれでも描けるし、描かねばならない。」という言葉とおり、
子供たちを対象にした「太陽の塔」をモチーフにした作品募集の審査をされたそう。
どっさり送られてきた作品のどれもが躍動感に溢れていて、太郎氏は大喜び。
「これもいいな」「あれもいい。」と作品の中を飛び回り、
「先生、そろそろ賞を選んでください。」という主催者側の言葉にも
「だめだ、決められない。全員に賞をやってくれ。」と
駄々をこねた?のだとか。
そんな様子を、敏子さんは愉しいタッチで書かれています。
「芸術は爆発だ! 岡本太郎痛快語録 岡本敏子著」
そののち「太陽の塔」をモチーフに作品を作り続けるアーティストも現われたとか。
敏子さんは岡本さんの影響を受けた若いアーティストの方にも暖かい声援を送った方。
記念館の入口には来場者のための感想ノートが置かれ、すぐ隣にお住まいの
敏子さんのお心使いが伝わってきました。
去年、こども会で行なった絵手紙やモビール教室、先日のお花見での貼り絵なども
「誰でも描けるし、描かねばならない」という言葉から大きな影響を受けています。
(実は、敏子さんの共著ともいうべき岡本太郎さんの本を手元に置いて毎日読んでおります。)
また、愛するものへ真の献身、自分の喜びが人の喜びにも繋がっていることの幸せも
教えていただきました。
成長するにつれ閉じてしまいがちな、感性を羽ばたかせる機会をこどもたちと
持つきっかけを与えてくれた岡本太郎さんと、彼の言動をわかりやすく文章に書き起こし、
精力的な活動で彼の功績を世に広めてくださった敏子さんに心からの敬意を表し、
天鐘を響かせます。
ありがとうございます。またお会いしましょう。
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