オスカー候補のキーラ・ナイトレイ主演。「
ブリジット・ジョーンズの日記」も
この作品を現代に置き換えたものなのだそうですね。
18世紀末のイギリス貴族社会で生まれた、
ジェイン・オースティンの小説は
映画の原作となった「
高慢と偏見」の他に
、「エマ」、「分別と多感」、「説得」
「ノーサンガー・アベイ」「マンスフィールド・パーク」など。
学生のとき「比較文学」というかなり退屈な授業で取り上げられていたのが、
この「
高慢と偏見」。
夏目漱石が英国留学をした際、買い集めた数々の文学作品の中のひとつで、
高い評価をしていたもの。
授業のためと、仕方なく買い求めた本でしたが、読み始めると、止まらないほど面白く、
他の作品も読み進めることになりました。
【高慢と偏見】
【あらすじ】
英国の田舎町の
ベネット家には
娘が五人、当時の女性には相続権がないため、
ベネット夫人は婿探しに躍起になっていたところ、引っ越してきたのが
年収5000ポンドの
ビングリー氏。
さらにその友人
ダーシー氏は年収10000ポンドの大地主。
長女で美人の
ジェーンはたちまち
ビングリー氏の心をとらえるが、
内気なため思いを伝えることができない。
次女で才気煥発な
エリザベスは、高慢な言動をする
ダーシー氏を心よく思えない。
下の妹たちは、町にやってきた将校に夢中。
身分、財産、家庭環境など、バラエティに富んだ適齢期の男女が次々に登場し、
数々の紆余曲折を経て、物語の中で誕生する
四組のカップル。
ベネット家の姉妹の中で、本当の幸せを射止めるのは?
読んだことはないのですけれど、ハーレクインロマンスシリーズ、
この作品が原点なのでは?などと。
撮影は英国、
ジェイン・オースティンが生きた18世紀やそれ以上前に立てられた
建造物で行われたそう。
ダーシー氏の邸宅にある彫刻の数々は、実際の貴族が所有するもの。
中でもベールを纏った聖女の像は、彫刻とは思えないほど繊細な作り。
作品中に出てくる食事が、上流階級のものとは思えないほど質素なことや
田舎町での舞踏会のドレスや、
フランス革命直後の英国連隊の制服なども興味深く拝見。
【ノーサンガー・アベイ】
エリザベスを演じているのが、
キーラ・ナイトレイ。
彼女は難読症だったそうで、幼いころから山のように聴いたブックテープの中で
虜になったという作品がこの「
高慢と偏見」。
ゆえに
エリザベスはずっと憧れの存在、監督に何度も売り込んで役を射止めたそうです。
思いの伝わるよい演技でした。
ダーシー氏は、
マシュー・マクファディン。
主に舞台で活躍、ロイヤル・シェイクスピア劇団で受賞もされている方だそう。
陰気で高慢な男性が、実は繊細で友人思いで、物語が進むごとに
ハンサムに、セクシーに、魅力溢れる紳士に見えてくる。
非常によい役者さんなので、今後の活躍、見守ってゆきたいです。
注目はエリザベスとダーシーの間に割って入る大貴族
・
キャサリン夫人を演じた
ジュディ・デンチ。
「
クィーン・ビクトリア・至上の恋」で女王を演じた貫禄で、
高慢を絵に描いたような女性を演じています。
最近では「
ラヴェンダーの咲く庭で」で、孫ほど歳の離れた音楽家に恋する役をされたとか。
この方も、キーラ・ナイトレイと並んで、オスカー候補になられましたね☆
【ラヴェンダーの咲く庭で アロマ・パッケージ】
物語、出演者、美術と、どれをとっても素敵な佳品です。
「プライドと偏見」HP