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カテゴリ:オーラの泉
「いじめ、引きこもり、子育て」について番組HPに寄せられたメールの中から、
いつくかのテーマを選んでお三方が語り明かされる特別企画。 国「いろんなことを勉強させてもらった年になりましたけれども」 美「あたくしも☆」 国「ただ世の中というのは、今年2006年、いろいろな事件がありましたね」 江「でもそれに合わせたようにこの番組があるというのも、善いか悪いか、ご縁だと思いますね」 美「天からの至上命令だから。昔は大事件とか、禍々しい事件は一ヶ月に一度か二度、 数少なかったけれども、今はそれが毎日でしょう?」 【引きこもり・ニートを生んだ物質至上主義】 国「視聴者の皆さんからのたくさんのメールで、よく出てくるキーワードが あったんですけれども、その一つが引きこもり。 僕はこの言葉は、ここ数年に生まれたのではないかと思うんですけれども、 何故そういう子供達が増えたんですか?」 美「そういう子、じゃなくて、大人もいるのよ。それは多くの原因があって、 一つや二つじゃない」 江「いろんなパターンがあると思うんですよね」 美「だから『引きこもりはこういう原因だ』と、ひとくくりにして結論を出すのは早計よ」 江「『オーラの泉』にも出演された宮本亜門さんみたいにね、繊細過敏で、 人生を見つめて引きこもりになるパターンの方、昔の絵本で言えば『三年寝太郎』、 ずっと引きこもっていたと思えば大活躍、という方もいらっしゃるだろうし、 不幸な引きこもりの方もいるし。引きこもりは、引きこもれる家があるから 引きこもれる訳だけれども、ニートという人たちも、気の毒な方たちだと私は思います」 国「そうですか。僕は失礼ですけれども『ニートという言葉で甘えているのかな』という 考えだったんですけれども・・・」 江「表面だけ見ればね。でも、『愛情のないところで育った人たち』ということですよ。 もし国分さんが私の子供で、もしニートだったら、ものすごく人生に対して取り組みますよ。 『とにかく親の名前の邪魔をしないで』 『お金をあげるから問題を起こさないで食べててね』という形がニートでしょう? 親の愛情がない証しじゃないですか。 もしそれが我が子だったら、私は徹底してその子にかかわりますよ。 一緒になって考えたり、どうやって道を切り拓いてゆくべきか、という風にします。 『お金を与えたら幸せ』と思ったら大間違いで、要は『愛に飢えた人たち』ということですよ」 美「お金を与えたら、それが逆に毒になる場合があるんですよ。 お金のありがたみとか使い方とかがわからない。そうすると、 体に悪い食べ物を買ってみたりだとか、ナイフを買ってみたりだとか、 とんでもないことにお金を使う、悪いことの方が魅力があるから。」 江「戦後、大人たちがそういう風潮を作ったんです。物がすべてだと思い込んで。 目に見えないものへの敬いを失くしてしまって、『物が神さま』『物がすべてだ』 その世代がだいたい言う決めセリフは『どれだけ与えたと思っているんだ』 『どれだけお前にしたと思っているんだ』『どれだけ金がかかったと思っているんだ』 子供を『投資と回収の元』にしたんですよ。株と同じ。 それだから『親に返してくれない』という言い方をするんです。 物やお金を与えることが愛じゃない。若い人たちが 『私は愛されているかどうかまったくわからない』というのは 『物やお金を与えることが愛』という風潮の中で育ったから 『愛って何でしょう?』と惑う。 美輪さんのコンサートや講演会に行って『愛ってそういうことなのか』と あれだけ多くの方たちが感動するのは、それがため、 初めて、本当の愛とは何なのかがわかるからですよ」 美「人間はね、食べるものによってだけ生きるのではないのよ。 空気や水と同じように、ロマンチシズムとか、叙情的なものとか、情緒だとか、 そういうものが心の栄養になるから。若い人たちは栄養失調なのよね。 ということは、育ててきた大人たちが文化の栄養失調だったの。 戦時中に『文化は軟弱』『心を書いた文学は女々しい』 『美しい絵?戦争画以外は描いてはならない』 『クラシック、ジャズ、タンゴ、シャンソン全部禁止』 歌舞音曲禁止令(戦時中に内務省がジャズなど 日本の対戦相手だったイギリス・アメリカの楽曲を敵性音楽として演奏中止にした。 当時日本の同盟国だったドイツ・イタリアのクラシックもひとくくりにされ 聴いたり歌ったりすると罰せられることも。)としてというのが出てね、 『軍歌以外は歌ってはならない』 千数百年続いた日本の文化を、たった五年間でご破算にしてしまったのよ。 それを終戦後になって取り戻すかなと思っていたら、アメリカからスラム文化が入ってきたのよ。 爆発、カーチェイス、殺し合い、暴力・・・とにかくそういうものばかり入ってきたでしょう? だからシンガポールのリー・クアン・ユー(1923~ シンガポールの初代大統領)という人は、 それを阻止して自国の文化を守ったの。韓国もそうだったのよ。 だからぺ・ヨンジュンだとかチャン・ドンゴンだとか、お行儀が良くてみんな品がいいでしょう? あれはアメリカと日本の文化を入れなかったからなの。 川端康成さんとか三島由紀夫さんとか私は『今に日本はスラム化するね』と 四十年前に言っていたのよ。その通りになってしまったの。 このまま放っておいたら、どんどん坂道を転がるようにますます荒廃して、 みんなスラム化してしまいますよ。 終戦後の混乱で、お父さんやお母さんたちは食べてゆくのに精一杯、焼け野原、 東京大空襲から66都市も大空襲されて全部灰になったのだから。 『情緒、奥ゆかしさ、礼儀正しさ、思いやり・・・それどころじゃない、 そんなことを言っていたら生きてゆけない』 闇市場に行って闇米をかついで闇列車に乗るときも、ドアから乗れない。 窓から乗り込もうとすると顔を蹴飛ばすんだから。当時は生存競争がものすごかったのよ。 とにかく生き残って、生き残って、子供を生んで育てたら、 いつのまにか勝手に子供は大きくなっている。 礼儀作法、敬語、謙譲語、丁寧語を一切知らない子が育っていたわけ。 字も読めない、文芸書も読まない、何にも知らない。 だから真面目できちんとして礼儀正しくてきちんとした言葉を話す人に対して、 ダサいとか、重いとか、怠け者が言い出してしまったわけ。今はそのままなのよ」 国「僕が小学校や中学校の頃、やはり一番格好がいいとしていた行動が『ダルい』、 先生のことを『先公』と言ったり。そういう風に育った気はします」 江「美輪さんがおっしゃるように、文芸書も何も読まないものだから ボキャブラリーがないでしょう?『ウザい、キモい、ダサい』だけで生きてゆく・・・」 美「ただの動物になってしまっているのよ」 国「僕は中学一年生のときにジャニーズ事務所に入って、 いろいろとお仕事をさせてもらいながら高校にも行っていたんですが、 出席日数が足りなくて中退するんですね。 それに対して、父親も中卒だったので、ものすごく僕に。 『お前はまだわかっていない。お金を儲けることの大変さとかがわかっていないから、 お前が高校を卒業しないんだったら、家から出てゆけ。国分家から名前を外せ』と言われて。 まあ単なる字ですけれども『国分家から僕は一回外れます』と書いて、 寮とかで一人暮らしをさせられるわけですよ。お金も両親からもらっていませんし。 それまではご飯を食べて残しても当たり前だったりだとか、 『おこづかいもっとくれよ』というようなところがあったんですが、 急に一人になってみると、もう。水道代、電気代の大変さ、親のありがたみ、 そこで本当に知ったんですね」 美「ジャニーズ事務所はそういう教育に対して、ものすごく厳しいからね」 国「そうですね。礼儀も僕は相当勉強させてもらいましたし・・・」 美「だからいいところへお入りになったのよ」 国「僕もそう思います。あと、僕は両親の、お父さんの行動に感謝しています。 それがなければ僕はもっと・・・」 江「世の中の人たちすべてではないけれど、一方では美輪さんがおっしゃったように、 物、物、物に行き過ぎてしまった人がいて。行き過ぎてしまったから、 世の中の『いい子の定義』=『勉強のできる子』、 要するに世の中の言ういい子とは、投資を回収できる子なんですよ。 お話を聞くと、国分さんはジャニーズのお仕事もあったから、 あまりたくさんお勉強ができなかったわけでしょう。 じゃあ国分さんは悪い子ですか?違いますよね。こんなにいい人、立派ですよ。 ちゃんと自分で働いて。 だから物質的価値感、物質至上主義だけでゆくと、差別も作るんですよ。 『輝いてTVに出ていらっしゃるからいいと思う』そうじゃない。 世の中でいろんな仕事をして、例えば学校は中学だけで、板前さんをやってという方も立派だし。 物で、回収で、となると差別化も作るし、本当に物質に行過ぎると恐ろしいんですよ」 美「先ほど言ったように、終戦後に焼け野原で、着る物、食べる物、住むところもない。 食べ物が一番、着る物が一番、トタン屋根でもいいから住むところが一番、 という風にきたから、価値感が物になってしまったのよ。 自分たちの価値感が物だけだから『礼儀作法?そんなもの!』 その考えが全部ツキに回って、子供に殺されたり、生存競争にやられたり。 みんなそれに気がつかないのよ」 江「物、物、物で育った世代が、今度は 『これだけかけたんだからお前はちゃんと回収しろよ』と子供を育てていって、 世の中を作り上げていったわけです」 美「まず大人の背中を見て子は育つのだから。見本となる大人達が 『末はこういう立派な人間になりなさいよ』というところから始めないとね」 江「私が言いたいのは、批判しているのではなくて、反省をしようということ。 大人の人たち、いわゆる団塊の世代(1947-49のベビーブームに生まれた世代)と 言われている人たち。すべてではなく『自分は間違っていた』と思っている人たちも たくさんいますが、『物、物、物』が正しいんだと信じ込んでいる人がいるんですよね。 それは違う。この時代を作ったのはみんなの責任であって、反省して、 社会のために一から参加してくれないと、困る。 だから『あなた方を必要としているんだ』ということ。みんなで関わらなくては、無理。」 美「みんなとにかくお金持ちになって、お金、お金と言っているけれども、 『死ぬんだよ、どっち道』あの世へ持ってゆけるわけじゃないんだから。 それなのに、自分が何をやっているかわかっていない大人ばかりなのよ。 無駄なことをしているの。」 江「あの世に持ってゆけるのは何かと言ったら、例えば国分さんなら、 国分さんがずっと経験してきたこと、感動してきたこと、『経験と感動』だけなんですよ。 これを泥棒さんが盗めますか?ジャニーズ事務所に入って、ステージを踏んで、 それこそいろんな経験をしたことを盗めますか?着ている服は盗めますよね。 でも国分さんが味わってきた経験と感動は盗めない。これが一番の財産だということ。」 国「なるほど・・・」 明日に続きます。 *** フリーページに「オーラの泉の日記」リンクを作りました。よろしかったらどうぞ。 「しあわせの話・いのちの話・オーラの泉より」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
December 30, 2006 09:31:20 PM
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