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カテゴリ:オーラの泉
お父様が亡くなって二年後に、西城さんはご結婚され、お子さんもご誕生。
ご家族のためにも仕事に力を入れていた時 ラクナ脳梗塞(脳の深部の細い動脈が動脈硬化を起こして小さい梗塞を発症するもの)に。 国「どういう状況でなったんですか?」 西「あの…済州島(チェジュトウ)で、韓国ですね。あんまり何か具合がおかしいので 友達の医者に『これ何だろう?』『多分、梗塞かもしれない』『それ何?』 上手くしゃべれないんですよ。平衡感覚がなくなって、歌で言うと、音楽の音程が取れない。 それでも『どうしたらいいかな?どうしてもディナーショーを やらなくてはいけないんだけど』何とかしのいで、キーを下げてやったんですけど まあ…はちゃめちゃでしたね、ひどくて…それでもやりましたね。 それであの…失語症というか、その三ヵ月後に『水』ということが言えないんですよ。 コップにある『それ、水だよね』というのが言えなくて 『………』とこれぐらい時間がかかる」 国「水だということが理解できないんですか?」 西「いや、水はわかっている、言葉にできない」 国「言葉が出ない」 西「言いたいことがスッと言えないんですよ。『困ったな、これは…』 三ヶ月過ぎると、どんどん悪くなっちゃう。うつ病になったりとか 『このままじゃ、もうちょっと生きてゆけないな…』みたいなことを考えてしまうような。 やはり、そういう風なものなんですって、後遺症としては。 半年後ぐらいになると、今度は『三歩進んで二歩下がる』みたいなね。 一歩はよくなっているんだけど、もうわからないんですよ、自分で。 『どんどん、悪くなっているんじゃないかな』と思って、どんどん落ち込んで… 一年、二年…二年たっても苦しかったですね。三年たって初めて 『あ、何か治す気になったな』という、自分が」 国「気持ちが」 西「だから病気も『気』だし、元気も『気』だし、ヒデキもキだし☆やはり 『病は気から』というのはここから始まっているんだな、ということを理解しましたね。 治す気がなかったら、病気は治らないんですよ」 国「三年かかるんですか」 西「かかります。それでその間に、自分との格闘があって、あの… リハビリに頑張っている自分が、こんなに自分で一生懸命、頑張ったことはないから だんだん好きになるんですよ。 『あ、僕はこんなに自分で頑張って…何か、いいな、こういう人生も』って その…考え方を変えるわけ。今までの自分と、比較しちゃいけないですよ。 『70%でいいや。この70%を上手に利用してやろう』ということで 逆に肩の力が抜けて、いろんなことができるようになった」 国「それは何かきっかけみたいなものは?」 西「やっぱり家族ですよね。僕はこの世界、辞めようと思いましたから。 もう、歌えないと思ったんで。 世の中『元気になって良かったですね』ばっかりじゃないですか。でも、その 『大丈夫です』と言いながら、頑張らなきゃいけない自分が辛くなっちゃったんですね。 『俺、辞めようと思う』と言ったときに、女房が 『ゆっくり時間がかかって病気になったんだから、ゆっくり歩いて、治していこうよ』 という、時間のかけ方をね、言われた時に 『そんなに焦っていないんだ、俺より。焦っているのは俺なんだ』って悟って 『子供も生まれたし、よし、じゃあ一緒に』 初めて一生懸命、自分を治そうと努力したんですね。 言語障害の子供たちを教える先生に、一緒についてトレーニングするんですよ。 もうね、涙が出ちゃう、最初は」 国「どんなトレーニングを?」 西「あの…舌の筋トレっていうんですかね、冷やしたり、温めたり、刺激を与えたり それからアナウンサーがやるような口の開口ですね。(口唇運動訓練…口を動かして 筋肉や神経に刺激を与える、構音訓練…発音をして音を正しく出す) それだけじゃなくて、今度は有酸素運動で歩いて、血行を良くして… 全てのことをやらなくてはいけない。それをやっぱり…四年続けてやっと… 『やっと、まともになったかな?』という感じですよね…」 国「そもそも、病気の原因というのは?」 西「これがね…あの…結婚して、長女が生まれて 『この子のために、よし、頑張ろう!』っていう気が、まあ逆効果になっちゃったんだね。 水を飲まない、サウナに入る、絞る、絞る…その脱水症状を引き金に ラクナ梗塞になっちゃった」 国「それは、ダイエットみたいな感じですか?」 西「それもやったんです。ひと月に5キロぐらいとか… 自分では、良かれと思ってやったことが、ものすごく嘘っぱちなやり方だったんですね。 だからあの…本当によく聞いてからやった方がいいですよ。怖いです、ダイエットは」 美「お水が怖いんですよね」 西「水の飲み方をね、医者に教えてもらった時に 『大変なんだな。のどが渇く前に飲むのか…』」 国「水の飲み方を教えてもらうんですか」 美「どういうことなんですか?」 西「飲んでもすぐには、水分を吸収しないんですって。 『飲んで、一、二時間して、初めて吸収してるので、それから運動しながら またペットボトルでこまめに飲んでください』と」 国「しないですね。一日やはり、2リットルぐらい摂りなさい、とか?」 西「食事にも水分がありますから、それを入れて1.5リットルでいいですよ。 続けられる量でね。夏場は1.5から2リットル飲めば、充分じゃないでしょうか」 美「それまでは、どういう食生活でいらしたの?」 西「もう、めちゃくちゃです。倒れるまでは、油物だ、暴飲暴食だ 『さぁ、行くよ、もう一軒!☆』 そんな感じだったんですけど、それはないですね、今は」 美「それが全ての原因だったんですよね。暴飲、暴食…」 西「全部、その積み重ねですよね、本当に。 自分はスーパーマンだと思ったんだけど、スーパーマンじゃなくて やはりメンテナンスをしなくてはいけないんだと。 女房なんかは、揚げ物だったら二度揚げてくれたりとかしてくれるので、本当に助かります」 国「そのとき奥さんは、二人目をお腹に…」 西「ええ。医者に『言わないで下さいね、お腹に多分、いると思うので ショックを与えないで下さい』ということは、ろれつが回らないんだけど、ある程度言ったら 『脳障害です』ってすくに言っちゃって☆ だんだん事情がわかってきて、食べられるようになったら、病院までごはんを作って 来てましたから。病院でもちゃんとカロリー計算があるんだけど さらにカロリー計算してくれて、できるだけやってくれたんですけれど。 子供も会いたいだろうということで、二、三回連れてきたんですよ。 でも、子供は病院に連れて来ない方がいいからって僕が…」 美「でも、女の人の切り替えの早さって、もうつくづく…お思いになりません?」 西「強いです。『参ったなあ…どうやったら、今後勝てるのかなあ』と思って☆ 一番痛いところを、グッと握られた感じですよね」 江「痛みのわかる方ですね、お若くてね。話を聞いている中で、どんどん見えてくるのは 奥さんのことなんですよ。本当に、慈愛というのかな、慈悲とか慈愛とか… お若くていらっしゃるけれども、いろいろな精神的な苦労をなさってきた方ですね。 ご家庭のこととか、ちょっとそういうことが垣間見えて…」 西「そうですね」 続きます。 *** これまでの「オーラの泉の日記」、よろしかったらどうぞ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
March 11, 2008 06:45:06 AM
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