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カテゴリ:オーラの泉
寄席では思いもかけない反応が返ってくることもあるようです。
国「そうですよね…僕も落語のシーンで、僕の落語が全然うけないというシーンを撮ったんです。 ただ僕は真剣に覚えたわけですよ、落語を。 でもお芝居で携帯電話でしゃべってるお客さんがいたり 空き缶を蹴って帰ったりする人がいるんですよ。本気で腹立って☆芝居なんだけど 『なんで?俺、一生懸命覚えたのに』っていうのがありますね」 小「空き缶、携帯ぐらい、どうってことないですよ。 本当に新聞紙に穴を空けて覗いている人とかね…」 国「どういう人ですかね、それは」 小「いや、わかんないよね。一番驚いたのは、これは本当の話なんですよ。 池袋演芸場っていうところで休憩時間に本当はシンとしてるはずの客席から落語のね テープが流れてきたんですよ。みんながね『え?何かな、どうしたの?』と言ったら それはね、お客様がデッキを持ってきていましてね、休憩時間中に 名人上手のテープを流しているんですよ。それで 『皆さん、昔の噺家はこんなに上手かったんですよ』って言ったんです、その方が」 国「ええ?!」 小「そういう人がいるんですよ」 美「営業妨害ね」 小「何を考えているんだろうなと思いますけれど。で、人間国宝になった小さん師匠は 大阪の寄席で子供が前を走り回ってね、ジュースの缶が転がって大騒ぎですよ、 じいちゃん、おばあちゃん、目の前を通って。30分、落語をやらなくちゃいけないんですよ。 でね、小さん師匠の声が聞こえないんですね。それなのにマイペースで ずっとやっていらっしゃる。で、15分経過した辺りから、だんだんその音が静かになって 20分くらいから笑いが起き始めて、25分経過した時から爆笑になって 最後は万雷の拍手で下りたんです。 僕もう鳥肌がたってね『どういうことなんだ、これは』と思って 小さん師匠がお亡くなりになる直前に 『どうしても訊きたいことがあるんですけど、師匠、こういうことがあったんですけど…』 『ああ、あったかもしれないな』 『師匠、ああいう時は、どうなさるんですか?師匠の声は全然聞こえてなかったんですけど』 『いや、そんなのは簡単なんだ。話に入っちゃえばいいんだから』」 国「話に入る…」 小「噺に入っちゃう。つまり目の前にいる登場人物しか見えていない。 だから何にも音が聞こえないんですって」 国「あー、なるほど」 小「だから誰が騒いでいても何をしていても、何にも見えない。目の前の登場人物だけ。 で、スッと話に入って、30分しゃべって、下りてきた。 結果的にはお客さんがついてきて、万雷の拍手だったんですよ。 だからねえ…凄いですね…」 1988年に故・林家三平さんの次女である歌手の泰葉さんと結婚後も 銀座博品館劇場での30日連続公演、日本武道館の独演会などで活躍。 2003年には笑福亭鶴瓶さん、林家正蔵さんなどと共に「六人の会」を結成する一方 昨年11月には離婚へ。 国「最近、ちゃらんぽらんになったというようなことを言っていましたけれども… いつ頃からですか?」 小「これはですね、やっぱり一連の騒動からでしょうね。 僕はね、自分で言うのも何ですけれど、結構大事に育てられてきまして 師匠からも一度だけ怒られたことがありますけれど、怒られたこともなくですね 本当に大事に育てられてきたんです。それなのにね… それから歴代のガールフレンドを思い出してみても、とっても皆さん 優しくて良い子ばっかりだったんです。初めてです『金髪豚野郎』なんて言われたのは☆」 国「まさか小朝さんの口から聞けるとは☆」 小「いやいや、だってそれは毎日のように言ってるわけでしょ。 僕は番組とかは全然観ていないんですよね。そういうものは観たくもないので 観なかったんですけども、でも新聞にはそういうのが出るじゃないですか、活字で。 そういう風になってくると『もうどうでもいいや』ってなりますね」 国「全然、TV観なかったんですか?」 小「観ませんよ、そりゃ」 国「物凄かったですよ、各局」 小「でしょ?だから噂は聞きます、当然。『あんなこと言ってました、こんなこと言ってました』 聞きますけれども、僕自身はね、そういうことを言ってる姿も見たくなかったし…あとね… 非常に…何ですかね…物事を表面だけで見なくなりましたね。 つまり、例えば何か事件が起きましてもね、出ているのは上っ面なんですよ。 で、皆さん、上っ面で判断して、やっぱりワイドショーなんかでも結局 出てる情報だけで何か処理しなきゃいけないでしょう?」 国「はい、そうですね」 小「ところが、その下に隠れているものって、いっぱいあるわけですよね。 そうすると僕は、誰か他の方が事件を起こしたり、何かスキャンダルがあった時も 『この人、言いたいことがあっても言えないんだろうな』とかね 『多分、違うことが他にあるな』とか、そういうことを考えるようになりましたね」 国「小朝さんにとって、結婚というのはどんな分岐点でしたか?」 小「そうですね…僕は楽しかったですよ…うん、あの…良い思い出ばっかりというか… 楽しく過ごしていましたから」 美「いやだからね、ネタにして申し訳ないんだけれど 『別れ上手、恋上手、食べ上手は芸のうち』って言ってね、昔から言われているんだけれども。 つまり別れ上手ってね、相手の心に永久に良い姿としてね、一生残してやろうっていう 心意気がないっていうんですよね。とにかく惚れて一緒になって ある時期暮らした期間があるじゃないですか。 それまでね、別れが下手だったら泥まみれにしてね、踏みにじってゴミにしちゃうんですよ。 もったいないでしょう? だからやっぱり、せっかくの時期は、綺麗にせめて浪漫の香りでまぶしてしまっておいて 70、80になってフッとした時にね、寂しい時、苦しい時、悲しい時に思い出して しみじみと感慨に耽るみたいな…そういう別れ方をすべきなのに、最近は髪振り乱す 刃物は振りかざす、泣き喚く…とにかく滅茶苦茶にしちゃうの、 自分のせっかくの人生の良いところを。 だからね、最近の人って、そういう古いことわざを噛み締めなさいっていうの。 だからね、別れる時にね、いかにブレーキを引いて、恨みたい、罵りたい いろいろ言いやりたい…それをグッとこらえてね、それで 『お幸せに。よござんしたね』っていうのが…」 小「それが良いですね」 美「格好良いじゃありませんか」 国「やっぱりそう…」 小「…だから僕は一切、コメントを出していないっていうのは、それなんです。 もうだって、これ以上何かやったって、しょうがないじゃないですか。だからあの… 一番は僕が何か発言することで傷つく人が出てくるんですね。 僕は守らなきゃいけない人間が何人かいたんです。そんなこともありまして、それで今 美輪さんがおっしゃった通り…やっぱり綺麗がいいじゃないですか。ねえ」 国「そうですよね」 小「ねえ。また喜ぶ人がいるからいけないんでしょうけれど 僕は喜ぶ人はね、そんなにいないって判断なんですよ。そんな人ばっかりじゃないと。 そんなのいいよっていう人たちがいっぱい居るだろうと。 僕はそっちに期待をかけているんですけどね」 美「いま大分増えてきましたよ、一頃より。昔はもう 『人の不幸は蜜の味』の方でね『他人の幸せ、癪の種』っていう人が多かったんだけど 今は随分、変わってきました」 国「その…表というか、番組とかではそうやっていろんなことをクローズアップされながら 公演に立つという…僕の中では、凄く複雑なんじゃないかなって思うんですけど…」 小「それはね、そうなんです。つまりね、お客さんが緊張してるんですよ。 『何か言うんだろうか?』とか、言わなきゃ言わないで、ちょっと物足りないような気もするし 言わないでほっとしたみたいなのもあるし…あの…ちょっとね、お客さんの緊張感がね…」 国「やっぱり見えるわけですか?」 小「見える。最近は良くなってきましたけどね」 国「小朝さん自体はそんなに揺れなかったですか?精神的なものというか…」 小「いやそれは、ピークの時はやっぱり大変ですよ。 その時に人を笑わせるって、なかなか…」 国「…ですよね」 小「大変です」 国「そこなんですよ僕、すごく聞きたいのは。自分でも落ち込んでる時にTV番組があっても 『やっぱり上手くいかなかったな』ってことがあるんですけれども、そこはどうやって…」 小「いやいや、だってそれはお客さんには関係ないことですから、それの一点ですよね」 国「はあ…すごく疲れません?」 小「疲れます、疲れます」 美「でもね、一番いい切り替え方はね、何かって言うとね、さっきいみじくも ご本人がおっしゃいましたでしょう、小さんさんの…その人物の中に入ればいいの。 関係ないの、そうすると。世の中の諸々の事象…違う次元にスポーンっと入っているわけだから。 そうでしょう?そんなのなんか何にも関係のない次元に自分がタイムスリップしてるんだから。 だから私はずーっと舞台に出ていて、あの『エディット・ピアフ』をやっている時も その中に入っているから…まあいろんなことがありましたよ。 だけど、いつもそこでサッと切り替えるのはそこ。 だから小さんさんがおっしゃったのは本当によくわかりますよ」 国「そうなんですよね、美輪さんが本当にそういう風に…前も僕、聞いたことありますけれども… なかなかそれが…やっぱり自分が弱いのか…」 美「だからね、自分が弱いって、その自分は要らないのよ、お客は。 『お前さんは要らない』っていうの。その作品が欲しいわけであって」 国「『なに自分を見せようとしてるんだ』って話ですよね、僕は…」 美「『あんたは要らないの』☆」 小朝さんがこだわっているものには、意味があるようです。 国「これ面白いなと思ったのは、こだわっている物が水と炭酸水と入浴…これ…」 小「…何でしょう?あのね、すごく水が恋しくなることがあるんですね。 それが堪らなくなるとですね、例えば滝を見るとか、水につかるところへ行きたがるんですよ。 そういう場所に行くんですね。それと何が好きかって言うとですね、洗車する時に ガソリンスタンドで車の中に入ったまま洗ってもらうのが大好きなんです」 国「内側から綺麗になってゆく姿を…☆」 小「そう。それが何かね、自分が洗われているみたいな気持ちになっちゃって、すごく大好き」 国「それ、子供がやることですよね☆」 小「そう?大好きなんですよ☆」 美「いや、そうじゃないのよ☆」 国「…今、お二人が、水のことを話し始めたら、ざわつきましたね☆これは何か…」 小「とにかく、水をすごく欲したときは、水を摂る…と」 国「そのこだわりというのは、水ひとつひとつにもこだわりがあるんですか?」 小「合う水、合わない水がありますから。全国から物凄い数を取り寄せてますから。 それでテストして…それでまたね、あの…こないだ合わなかったのに、急に合う… なんていうこともあるでしょ?」 国「へえ…何ですかね…」 小「どんなに名水だとか言われたって、体が拒否する場合がありますでしょう? その…最初の一口も飲めない時もありますよね」 国「へえ…僕はちょっとわからないですけど、あるわけですか」 小「あります」 続きます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
December 23, 2008 08:05:15 AM
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