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2015年07月16日
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カテゴリ:少女マンガ


『ベツコミ』で2008年から2013年に連載されていた作品です。
少女漫画、というよりもサスペンス要素が多いストーリーですね。
一見、高校時代のクラスメイトとの復活愛なのかなぁと思いましたが、
もっともっと深いお話でした……。


【あらすじ】
「――あの子の記憶をたどって」
大学生生活を送る水帆の下に、高校時代のクラスメイト
折口はるかが亡くなったと連絡が入る。
特に親しくした覚えはないのに、
折口は母親に水帆を親友だと言っていたらしい。
そのことがきっかけとなり、彼女の母親に、
はるかが付き合っていた男を探して欲しい、と頼まれる。
地味で男の影なんか微塵も感じられなかった、と伝えるが、
はるかは高校時代に妊娠・堕胎をしていたと言われる。
驚く水帆だったが、当時のクラスメイトたちを訪ね、
彼女の足跡を辿り始めると、自身の苦い思い出と否応なく向き合うこととなる。
(wikiより転載)


【感想(超ネタバレあり)】
んーと、何から書こうかな、と悩んでしまうくらいちょっと複雑な作品でした。
登場人物は皓の母を除いて、みんな実在しそうな普通の人たちです。
でもそれぞれが闇というか問題を抱えているんですね。
人の心って本当に難しいなぁ、と思ったり。
でもあまり深く考えてはいけないなぁ、と思ったり。

あらすじを追って感想を書くのは私には難しそうなので、
以下、超ネタバレで進みます。


水帆は人づきあいが得意ではなく、あまり人に関心を示さない女の子でした。
それがはるかの母親からの、「生前はるかが付き合っていた男性を探してほしい」
という頼みに乗ってみる。
自分の世界を変えてみようという気持ちからだったのでしょう。
実際、人に関わっていくことで水帆は大きく変化していきます。
クールで何か達観した雰囲気を持っていた彼女ですが、
人と積極的に関わることで感情が表に出るようになっていく、というのかな。
成長していく様子が見られます。
……でも面白いよね、どっちかっていうと、クールで達観している雰囲気のほうが大人って感じですよね。
でも心の成熟、人との関わり方の成長って、こーゆうことだな、と納得せざるを得ませんでした。
大人になるって、醜いところも曝け出せてしまうのかもね……。

そしてこのストーリーの肝となる皓ですが、
彼は人との距離が極端に近い割に、心の中がまったく見えてこない男の子です。
結局、最後までどんな子なのかわかりませんでした。
そして物語の中盤で明らかになる、彼の兄・比呂。
彼らは心療内科医の母によって実験をさせられていました。
まったく同じ家庭環境で別々の土地で育つと人格にどんな違いが現れるか、という実験。

比呂はおとなしくて人に心を開けない内気な性格。
でも時折、狂気が暴走してしまうという危険な面を持ち合わせた男の子でした。

この兄弟は「依存」しあっていました。
遠く離れていても、お互いを必要とし、片方が片方にないものを埋めていくという存在。
近くにいればお互いに暴走を止められたかもしれないけれど、
引き離されたことによって歪んでしまった。
最終的に二人は自立して生きようとします。
さほど輝かしい未来が待っているように描かれていなかったけど、
あんまり物事がうまくいきすぎるとリアリティなくなってしまうでしょうね。

そして、ストーリーの軸となっていた、「はるかを堕胎させた男性」ですが、
実ははるかが妊娠したのではなく、水帆の友人・礼美が坂口との間にできた子どもを堕胎していたのでした。
坂口は過去に起こした事件によって脅され、社会の底辺で生きていました。
一方、同じく事件に関わっていた皓がのうのうと暮らしていたことに苛立ち、
偏差値の高い高校で輝かしい未来が待っている奴を傷つけたいという思いで礼美に近づきます。
坂口の親は金と権力を持つ人物であるため、坂口の起こした事件はきれいに後処理をしてくれます。
でもそれは彼を助けるためではなく、保身のため。
礼美の堕胎も坂口の父親の指示で誰にも知られることなく行われました。

社会の歪が描かれていますね。
何の不自由もない家庭で育っているように見えるけれど、実は歪んだ環境にいる水帆のような人、
人にたかることでしか生きていけない人たち、
そしてたかられて脅されることで、暗黒の枠から出られないコウジのような人、
障害を持ちつつも懸命に生きる丸尾のような人。
実際、社会ってみんな同じではないんですよね。
恋愛って自分と同じような環境で生きていない人とすると、うまくいかないことのほうが多いです。
そのあたりの現実が冷酷にも描かれていました。

そして。
水帆が小さい頃にバスに乗って通っていた、子どもと遊んでくれる楽しいお兄ちゃん。
一度は幼女に手を出したとして警察に捕まりますが、
最終巻では同じように子どもから人気のあるおじちゃんとして登場します。
あの男性が出てきたときに、ふと思ったことがあります。
世の中には子どものままでいることを選ぶ人間と、
足掻いて大人の世界に飛び込もうとする人間がいること。
大抵は、知らぬ間に大人になっています。
いや、実はなりきれてないひとも多い。
この漫画は極端ですが、皓や水帆が足掻いて大人になっていく様が描かれています。

大人になる、ってものすごいことのようですが、
実は「何も考えないこと」なのかもしれないなぁと思ってしまった。
悩んで考えて……を繰り返すのが思春期。
それをあきらめたら大人になれてるのです。
不思議だな。


折口はるかの存在もとても考えさせられました。
地味で友達もいないおとなしい女の子。
でも彼女の人生をたどってみると、とても壮絶なものでした。
つまらない人生などひとつもないんだ、ということも一つのテーマだったのかもしれません。


最後にもひとつ、驚くべき真実が明らかとなりました。
水帆の母が、実は皓と比呂の母の患者だったのです。
幸せの裏に何が潜んでいるのかわからない。
人は誰に助けられているのかわからない。
……ということを考えさせられました。





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最終更新日  2016年01月13日 16時10分51秒
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