娘の二十歳を祝いたくても睡魔に敵わなかった
父の誕生日も「よい日を過ごしています」という報告が帰宅後寝落ちしていた私を起こしてくれた
どちらも慌てて電話をした
いずれも3月
この時期はタスクをこなすことと
ストレスを発散することを繰り返して
6月まで走り切る
郵便受けには日本年金機構から
【国民年金加入のご案内です】
と極太フォントの黒文字を赤の太枠線で囲んだ封書が届いた
家族よりも忘れずに娘の二十歳を祝ってくれている
さらに、その下には大きな文字で
【ご本人様のほか、世帯主様もご確認ください】
と書かれている
紙で送られてくると
本人は画像で見るだけしかできない
内容を二次元コードにすれば留学中でも見られるのに
メールで送ってくれたら転送できるのに
手続きもオンラインになればどの国からでもできるのに
この国の素晴らしさは、全国の地方行政がきっちり仕事をしてくれるところ
残念なのは、未だ紙で配布、各自申請するシステムなところ
とりあえず何も考えず決められたルールに従ってお金を払うことが大切だと思えばよいのか
何も考えずこれまで問題がなかったわけではない制度を理解した気になって手続きを済ませるには説明が足りない気もする
誰にでも分かりやすく説明することの大切さと
説明すればするほど分かってもらいにくくなるもどかしさ
申請しなければ何も始まらない手続き
「学生なら在学証明書をここに添付して返信してください」
とか
「働いているなら職場が手続きを進める」
とか
事前に本人や家族が同意して登録したメールアドレスに手続き完了のメールが送られてくるようなシンプルなシステムになればいいのに
DX化したらいいのに
ここまで国の制度に守られて生きてきた娘も二十歳になったという喜びは、一通の封書で、将来いくら受け取れるかわからない年金のモヤモヤした思考に支配されていた
お金が絡んだ話になると
経済学で学んだ視点から娘に教えてもらう日本の今後
きっとこれからもこの国のよさと課題を語り尽くすことだろう