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テーマ:赤ちゃんが欲しい!(9163)
カテゴリ:14回目の流産の後
心拍停止と確定されて9日目。 夫が、病院に来る日である。 当初の日程なら、今日の夕方から前処置をする事になっていたが、 A先生の配慮で、処置が一日伸びた。 まだお腹の中に、この子がいる間に、 少しでも3人で一緒にいた思い出を残そうと思った。 3人だと意識して一緒にいたのは、 妊娠反応が出て、私が飛行機に乗るまでの僅かな時間だった。 しかし、今はもう動かぬお腹の子・・・ それでも、母はお父さんとあなたと3人一緒にいた記憶を残したい。 これから先、生きていく為には大切な時間だ。 病院で1日を過ごすよりはと、伊勢神宮に行く事にした。 伊勢神宮に行く事に決めたのは、 ともちゃんママから、せっかく貰った「伊勢神宮の安産のお守り」を 今回はこんな結果になってしまったので、 返しに行こうと思い立ったのだ。 夫が名古屋駅に着く時間に合わせ、駅の改札で待ち合わせをした。 久しぶりに会う夫である。 しかし、待ち合わせ場所の勘違いがあり、 夫の姿を見つけた時には、電車の時間には余裕が無くなっており、 顔を見た途端、一緒に走りだした。 感動も何もあったものではなかった。 息を切らせながら電車に乗り込み、 夫は、「体、大丈夫か・・・」とだけ言い、 私は、頷いただけだった。 お互いに、お腹の子の話をする事も無く、 ずっと黙ったまま車窓を眺めるだけだった。 顔を見るだけでも泣き出してしまうと思った。 泣きたい気持ちを抑えるには、この方法しかなかったのだ。 2人共・・・ 今日は、鳥羽で1泊する予定だった。 駅に着くとホテルの人が迎えに来てくれた。 ホテルの部屋に案内されて、やっと向かい合って話をしだした。 私「女風呂、さっき案内して貰ったけど、 私、行ったら部屋に戻れるかなぁ~(笑)」 夫「はなももは戻って来れないかもなぁ~(笑)」 今日は、笑っていようと心に決めていた。 夫もそのつもりのようだった。 今日は、3人・・・ 楽しくしていたい・・・3人の楽しい思い出の為に・・・ お風呂に行く事にしたが、 このホテルは、女風呂が1階で、男風呂が2階にある。 その上、新館と別館が廊下で繋がっているらしく、 方向音痴の私には、迷路の様な感じの場所である。 夫に女風呂の前まで連れて行って貰い、 1時間後に迎えに来て貰う事にした。 宿泊客が少ないのか、風呂は私1人で貸切状態だった。 体を洗いながら、鏡に映る私のお腹には、 つい最近まで、お腹の子を守る為に打っていた注射の跡が、 帯状に茶色く残っていた。 お腹を撫でながら、涙を堪えた・・・ 溢れた涙を顔を洗いながら誤魔化した。 今日は、泣かない! 決めたのだから・・・ 風呂から上がると、夫は待っていてくれた。 部屋に戻ると、伊勢えび尽くしの食事の準備がされていた。 夫と他愛も無い話をしながら、ビールを少し飲み、 これ美味しい、あれ美味しいと和やかに食事をした。 食事も終わり、布団が敷かれ そろそろ寝ようかと、布団に入った。 入院中、当たり前であるがずっと1人で寝ていた。 久しぶりに夫の横で寝る。 大きな安堵感に包まれた。 入院中、随分気を張って来たのだと改めて感じた。 夫の胸に顔を埋めて泣きたいと思った。 泣き出しそうだった。 涙が溢れ出してきた・・・ これは、涙じゃない!泣いてなんかいない!! 心で強く自分に言い聞かせた。 夫に気付かれる前に、何かを取る振りをしながら反対側を向き、 そっと涙を拭き、必死で涙を止めた。 今日は、泣かない!!絶対に・・・ 睡眠導入薬が早く効く事を願いながら、 何も言わず、それだけを待った。 夫も何も言わず、私が寝るまでずっと手を握っていてくれた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年03月30日 16時27分05秒
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