2013/08/06(火)17:43
風立ちぬ
創造的人生の持ち時間は10年だ。
作中の印象的だったことば。
夢を無心に追いかけた結果、
戦争に加担することにもなった主人公の苦悩は、
それほど作中には生々しくは描かれておらず、
主人公の最後のセリフや空想的世界での会話に現れているくらい。
むしろこの作品では、
戦争兵器や商業的価値としての飛行機でなく、
ただただ美しく空を俊敏に駆ける飛行機を作りたい、
そんな主人公のひたむきな夢への情熱
プラス
純文学的恋愛に見られるような愛の情熱
がめいっぱい描かれていた気がする。
有限の時間の中で、めいっぱい生きること。
この映画は、そんな全力少年のような生き方の素敵さを再認識させてくれる、
思春期〜おとな向けの物語だった。