太郎、高校でもボケる。
先日、太郎が学校に着くと、クラスのM君が膝をひどく怪我していたらしい。聞くと、登校途中に自転車で派手に転んだのだそうだ。M君はクラスの子たちに「誰か裁縫道具持ってないかなぁ…。針と糸貸して欲しいんやけど。」と、尋ねていたらしいのだが、太郎はそれを聞いてびっくりして「ええっ?!麻酔も無いのに?それに裁縫道具の針と糸で縫ったら痛いやろ!!」と叫んだ。一瞬、クラスのみんなが「へ?!」という顔になり、そしてM君が申しわけなさそうに、太郎に向かって「あ、いや、あのぉ…ズボンの膝がほら、こんなんなってしまってて…」太郎はきょとんとして、それからやっと自分の勘違いに気がついた。「あー、ズボンか…」当たり前だ。自分の膝の傷を自分で、しかもボタン付けに使うような裁縫道具で縫う高校生はいないだろう。ブラックジャックじゃあるまいし…。