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偏屈たぬきのへそまがり投資日記

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Aug 9, 2014
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カテゴリ:低位株
  ”兜町コンフィデンシャル -株式市場の裏側で何が起きているのか-”という本を読んだ。

  東洋経済新報社の記者だった高橋篤史氏が2009年に書いた本で、よからぬ人達が株式市場を食い物にしている状況についてのルポルタージュ。

  以前の日記、
  低位株にはバクチの札としての価値がある(その2)

  の中で、”MSCBによる株式無限増殖”の時代について触れているのだけど、そのインチキ賭博と化した市場の裏側で、実際に何が起こっていたのかを具体的に書いてある本。

  読んでいて、さもありなんと思える部分あり、ここまで乱暴にむちゃくちゃなのかとあきれ返る部分ありと、ともかく一読の価値のある本であったので、読後感想を書いておきたい。


 
1.会社の中から食い荒らす、裏側のよからぬ人達

  株式市場を食い物にする古典的な手口としては、仕手戦の主導。昔の”誠備グループ”を代表とするような、大衆投資家を巻き込んで仕手戦を主導し、騙し騙されつつ、株式市場から(言い換えれば他の投資家から)金をせしめていく手法。

  最近逮捕者が出ている、掲示板やブログを介して特定の銘柄を思わせぶりにはやし立てる手法もその系譜だが、

  著者によれば、そういう手口は牧歌的なもの、なぜなら、企業の外側で起こっているにすぎないから。

  現代の裏側のよからぬ人達は、そんなまどろっこしいことはしない。会社の内側から、会社ごと食い荒らし、株式市場を食い荒らすのだ。


2.裏側のよからぬ人達は、どうやって会社に取り付くのか

  じゃあ、裏側のよからぬ人達は、どうやって会社に取り付くのか。

  どうやら、2つのタイプがあるようだ。

  1つ目は、あきれたことに、会社の上場時からよからぬ人達が経営をしているパターン。マザーズ市場を代表とするベンチャー向け市場の整備が呼び水となってしまったもの。

  なんせ当時は、設立3年目ぐらいでも、赤字でも上場可能で、インターネット関係とうたいさえすれば内実はどうあれ途方もない株価が付くのだから、よからぬ人達に目を付けられても仕方が無い。

  まあ、目を付けたのは、よからぬ人達だけではないのだけど。この本に書いてあるエピソードでは、今でも活躍している情報・通信セクターの某企業(本の中では実名なのだけど、ここではぼかしておきます)などは、子会社の上場をもくろみ、”設立2年以上”という上場基準を満たすため、設立済みの(中身の無い)株式会社を買い集めていたそうである。


  こちらがメインなのだけど、2つ目は、業績不振企業の苦し紛れの資金調達の際に入り込む方法。

  事業に失敗して資本が底をついたとか、債務超過になってしまったという企業があるとする。そこで白旗を揚げて会社を整理しておけば良いのだが、普通はなんとかしようと金策に走る。

  で、裏側のよからぬ人達が近づいてくる。例えば、匿名性の高いタックスヘイブンのファンド名義で増資に応じるということになる。
  MSCB(下方修正条項付転換社債)であるとか、ともかく出資者にとことん有利な方法での増資が行われる。

  ちなみに、MSCBは、転換価格が高頻度で見直され、常にそのときの株価以下での転換が可能なように設計されている転換社債。極端な株価の下落と、株式の希薄化を招く。

  そうこうしているうちに、株主の構成もがらっと変わってしまい、よからぬ人達が経営権を握ってしまうのである。

  そうなってしまうと、会社はもう株式市場から金をひっぱるための”箱”でしかなくなってしまい、MSCB等で増資しまくりの、会社の金を流出させまくりの、やりたい放題。

  で、一般投資家から見ると、どういう風になるのかというと、  

  以前の日記、
  低位株にはバクチの札としての価値があ(その2)から引用すると、下のような感じ。

MSCBを第3者に割り当てる。そのときの株価以下で転換して入手した株を市場で売る。株が下がる。またまた、そのときの株価以下で転換して入手した株を市場で売る。株が下がる。またまた、そのときの株価以下で転換して入手した株を市場で売る。株が下がる。またまた、そのときの株価以下で転換して入手した株を市場で売る。株が下がる。またまた、そのときの株価以下で転換して入手した株を市場で売る。株が下がる。
もう底なしに株価が下がり、無限に株数が増殖していくのである。

株価が下がれば、値ごろ感からバクチ感覚で手を出す投機家がいるものだが、MSCBには通用しない。
倒産もしないのに、株価1桁になり、ついには1円まで下がる。そして株式を併合して、1000円からまた下げる、というアッパレな会社もあった。

その過程で、MSCBの引受者はリスク無く大金をせしめ、値ごろ感から株を買った投機家は全滅である。もはや、バクチにすらならないのだ。



3.表面的には合法

  上場企業なのだけど、よからぬ人達に蹂躙され尽くした”箱”でしかない、という企業が次から次に出てくる状況。

  中でも、上で書いた、”株価1桁になり、ついには1円まで下がる。そして株式を併合して、1000円からまた下げる”という会社は、大証ヘラクレスに上場していたサンライズ・テクノロジー(旧社名プライムシステム)という会社なのだけど、

  おそろしいことに、東証のコンピュータシステムを担っていた会社であり、その会社の経営が既によからぬ人達によって蹂躙されているという事態が発生。


  しかし、ことここに至っても、(本の著者の最大の危機感でもあるのだが、)
  やっていることはむちゃくちゃなのだけど、パーツパーツを見ると、表面的には合法なのだ。

  そのため、金融当局もなかなか有効な手が無い状況であり、

  著者の見立てによると、
  大証はなんとかしようと動いたが、東証は(自分のコンピュータシステムを運営する会社がそんな状況にもかかわらず)表面的な事象を見るだけで対応が遅れたとのこと。

  それでも、上場廃止基準も追加で整備し、1社ずつ上場廃止に追い込んでいったようだ。

  というような状況のあたりで、この本は書かれている。


4.その後

  捜査当局の摘発や、極端なMSCBは禁止されるなどの金融当局の取り組みが進められてきた。

  今は、この本が書かれたときに比べれば、かなりマシな状況になってきているように思う。

  しかし、業績不振企業が、なりふり構わず資金を調達しようとすれば(実際多くの業績不振企業はそうしようとするのだが)、そこには、よからぬ人達が付け入る隙が生じる。 

  そのあたり、低位株フリークの私にとっては、大きな留意事項。

  何を狙って、どんなことが行われようとしているのか。よくよく見極め、食い物にされないよう用心、用心。


  
  本を読んでいて、私の低位株コレクションの会社名がいくつも出てきて、まあ、そんなこともあろうかといったところなのだけど、

  主力銘柄の社長の名前に出会ったのには。。。。

  本の中では、表で活動する善悪とらえどころの無い人物として描かれており、

  その後、増資による特別背任罪で逮捕→裁判→無罪→社長復帰 となっている。紙一重の才能を持つ人物なのだろう、社業も堅調なので、よからぬ道に逸れずに頑張っていただければ、と願っているところ。









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Last updated  Aug 10, 2014 05:35:08 AM
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