偏屈たぬきのへそまがり投資日記

2015/06/25(木)00:46

1996年以来の高値

チラシの裏(97)

 本日の日経平均は、2000年のITバブル超えで、1996年12月以来の高値とか。  ふと、1996年頃の株式市場はどんな感じだったのか思い起こしてみた。 1.簿価会計の時代  当時は株価の下限は会社の解散価値(PBR1倍)という感覚だったように思う。ただし、多くの銘柄はそのラインよりはるかに高い株価だったような。  でも、会社の財務諸表が今のような時価会計ではなく簿価会計。なので、PBR1倍とはいっても当てにはならない。  例えば、    保有株式の評価額も買った時の価格。なので、老舗の会社なら財務諸表に計上されてない巨額の含み益があったり、逆に計上されていない途方もない含み損を抱えていたり。  不動産会社や建設会社の開発用不動産などは、購入価格に金利も加えて簿価になっていたりするので、含み損のかたまり。  また、経営指導念書とか債務保証予約とか不透明な爆弾も。  年金の積立不足なども計上されてなくてよく分からない。  ようするに、今と違って、財務諸表を眺めただけでは会社の実態がさっぱりわからない状況。 2.低配当  今では、株式の配当が預貯金・債券の利回りを大きく上回っているけれども、  当時は、預貯金・債券の利回りに遠く及ばず、配当利回りで買える株など皆無。  配当は株価の下支えとなる状況では無かったように思う。 3.当たるも八卦  なので、ファンダメンタルズ的な観点から投資の判断をするのは難しく、投資というより当たるも八卦的な投機的なイメージだったように思う(少なくとも私にとっては)。 4.転換社債に勝機を見出す     で、私はというと、少しの株の他は、全て転換社債に投資していたように思う。  当時は、上場されている転換社債が新聞1面分以上あり、  株価との比較でほぼオン・パリティ(株式に転換して売却するとトントン。株価が上がれば追随して転換社債の価格も上がる状況。)で、なおかつ最終利回り(直接利回り+償還差益の年割)が7%とかの転換社債の銘柄がたくさんあった。転換社債は株に転換しなければ最終的には額面で償還されるという商品性を、市場参加者が理解していないのではないかとしか思えない美味しい状況がバブル崩壊後ずっと続いていた。  なので、株式に投機するより、転換社債が絶好の投資先。株と同様の値上がりの楽しみと債券の確実性を兼ね備えていた。 5.感想など  1996年頃の株価の根拠が判然としなかった時代と比べて、今の株価はファンダメンタルズの面からまだまだ十分な裏付けがあるように思う。  当時の日経平均2万800円に投資するより、今の日経平均2万800円に投資するほうがずっと安心感があるような気がしてならない。

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