偏屈たぬきのへそまがり投資日記

2015/08/09(日)07:02

JPX日経400の真実(その2)

指数あれこれ(34)

 前回に引き続き、”JPX日経400”について。  ”「投資者にとって投資魅力の高い会社」で構成される新しい株価指数”と立派な能書きを掲げる”JPX日経400”が、その美辞麗句に対して実際のところは投資対象としてどうなのか、構成銘柄に分け入って検討してみようという試みの続き。 (前回の日記) 〇JPX日経400の真実(その1)  前回は、”JPX日経400”の銘柄選定・ウェイトの付け方を見たうえで、実際の構成銘柄をウェイト順に並べてみた。  ”TOPIXを基本に若干のアレンジをした指標がJPX日経400”という感じだったのだけど、  今回は、”JPX日経400”が、TOPIXに対してどのようなポジションを取っているのかを見てみたい。 1.TOPIXとの構成銘柄・ウェイトの差  前回見たように、”JPX日経400”は、基本的に規模の大きな銘柄が採用されやすい構図になっているのだけど、それでも過去3年に大きな赤字を出した等の理由で落とされている銘柄がいくつかある。  今年の6月末時点のTOPIX上位200位以内の銘柄で”JPX日経400”に採用されていない銘柄を、前回整理した”JPX日経400”ウェイト順ランキングの本来入るべきはずの位置に差し込んでみた。  あわせて、TOPIXとのウェイトの差を計算してみたのが以下の表。  ”JPX順位””JPXウェイト”の欄が空欄になっているのが、今回付け加えたTOPIX上位だけど”JPX日経400”では特落ちしている銘柄である。  ”特落ち銘柄”としては、近年業績不振のソニー、任天堂。MS&ADインシュランス、損保ジャパン日本興亜の長い名前系保険会社。再上場・新規上場の日本航空、リクルート、サントリー。3.11後遺症の電力各社。などが目に付く。 2.オーバーウェイト上位  次に、JPX日経400とTOPIXのウェイトの差のランキングを。  まずは、オーバーウェイトになっている銘柄の上位(ウェイトの差が0.1%以上ある銘柄)。  整理してみると、オーバーウェイト銘柄については面白味に欠けていて、単に”時価総額上位銘柄についてTOPIXのウェイトに4割弱加えてみました”といった感じ。  時価総額下位銘柄や東証1部以外から抜擢して採用した銘柄は、”JPX日経400”が”時価総額加重型”を採用しているため幸か不幸か影響は軽微でこのランキングには入らない。(私としては、過去のROEで投資対象を決めるという最悪に近い選択の影響が軽減されるという意味で、この指標にとってはラッキーなのだと思うけど、それはさておき)  実は、”JPX日経400”の特徴は、アンダーウェイト銘柄に表れているのだけれど、長くなってきたので今回はここまでにして、また次回に。 ※《訂正》:この日記の中で、イオン(8267)がJPX日経400採択銘柄と不採択銘柄の両方で記載されていますが、JPX日経400に採択されています。表の訂正は、時間に余裕のあるときに行います。すいません。(8月9日)

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