2018/10/21(日)12:40
貸株サービスが熱い(その3)
貸株サービスについての続き。
今回は、貸株サービスを提供している4社(マネックス、カブドットコム、SBI、楽天)について、個別の銘柄毎の金利を比較すると、どんな状況だったか、
また、それをふまえての最適戦略とは、 といったようなことを。
(関連の日記)
〇貸株サービスが熱い(その2)
〇貸株サービスが熱い(その1)
〇貸株サービス
1.個別の銘柄毎の各社の貸株金利を比較してみた
とはいっても、すべての銘柄を網羅的に調べるのは体力的に無理なので、
私が保有している、または関心がある213銘柄に限定。(なのでサンプル的に偏りがあるかもしれませんので、その前提で!)
調べたのは今月初めごろ。
(1)各社の貸株金利の平均
各社の213銘柄の貸株金利を単純に平均すると、
〇楽天証券:0.37%
〇SBI証券:0.32%
〇カブドットコム証券:0.25%
〇マネックス証券:0.17%
と、楽天証券の0.37%がトップで、SBI証券が続いている状況。
(2)銘柄毎の比較
上記は、平均すると楽天証券が高い金利を提示しているということなのだけど、銘柄毎にみると常に楽天証券が最高の金利を提示しているということではなく、最高の金利を提示している証券会社はマチマチ。
213銘柄について最高の金利を提示している証券会社を整理すると、
〇楽天証券が単独で最高の金利を提示しているもの:31銘柄
〇カブドットコム証券が単独で最高の金利を提示しているもの:20銘柄
〇マネックス証券が単独で最高の金利を提示しているもの:12銘柄
〇SBI証券が単独で最高の金利を提示しているもの:5銘柄
と、楽天証券がトップであるのは同じだけど、それに続くのはカブドットコム証券。
ちなみに、
〇楽天証券とSBI証券の2社が並んで高い金利を提示しているもの:22銘柄
〇それ以外の組み合わせで2社または3社が並んで高い金利を提示しているもの:22銘柄
〇扱っている各社0.1%で並んでいるもの:101銘柄
どうやら、楽天証券がSBI証券を貸株サービスのライバルと捉え、SBI証券の金利を意識して金利を設定をしている模様。
で、今のところは、”SBI証券が単独で最高の金利”という銘柄が極力発生しない状況まで押し込んでいる。
一方、カブドットコム証券とマネックス証券に対しては楽天証券のマークが薄く、カブドットコム証券やマネックス証券が単独で最高の金利を提示している銘柄はそこそこの数存在。
2.銘柄毎に最高の金利を提示する証券会社をつまみ食いすると
証券会社ごとに貸株金利の平均を比較すると、楽天証券の0.37%が最高だったのだけど、
銘柄毎に各社の金利設定状況が異なることを最大限利用し、銘柄毎に貸株サービスを受ける会社をつまみ食い的に選択するとすると、調査対象216銘柄の貸株金利の平均は0.46%まで上昇する。
そのためには(あくまで貸株サービスのことだけを考慮すればということだけど)、
〇新たに株を買うときには、当該銘柄について最も貸株金利の高い証券会社で買う。
〇保有銘柄について残高のある証券会社の金利が低い場合には、高い会社に株式を移管する。
ということが有効な戦略となると思うのだけど、
各社の提示する金利はそれぞれの頻度(マネックス:数か月毎、カブドットコム:毎月、楽天:毎週、SBI:随時)で変更され、最高金利の証券会社が時々入れ替わるので注意が必要。
3.移管手続きの比較
この移管手続きに必要となる時間・手間が各社マチマチ。各社ごとに整理してみると、
〇マネックス証券:△
・手数料無料
・様式を取り寄せる、またはWebからプリンターで印刷して記入し、郵送
・所要時間:(最近マネックス証券から出庫していないので数年前の経験だけど)、1週間~10日程度。
〇カブドットコム証券:△
・手数料無料
・Web上で必要事項を記入(その時までに対象銘柄を保護預かりにしておく(貸株・信用担保からはずす)操作をしておく必要あり)、その用紙が証券会社から郵送されてくるので、署名をして郵送
・所要時間:10日程度
〇SBI証券:×
・手数料無料
・様式を取り寄せる、またはWebからプリンターで印刷して記入し、郵送
・所要時間:2週間程度
〇楽天証券:◎
・手数料無料
・Web上で手続き完了
・所要時間:3~4日程度
楽天証券がWeb上で手続きを完了させてくれていることからすると、署名・捺印等は必ずしも必須ではない模様。
他社の手続きが面倒なのは、他社への出庫という証券会社にとってうれしくない手続きに実態上のハードルを設けているのだろうと推測。
特に、SBI証券は書類が受け付けられたのかとか、移管が実行されたのかとか、Web上では全く表示されず、ストレスが溜まる仕様。
金利が横並びの場合には、将来の金利変更の可能性に備え、出庫手続きの容易な証券会社を選択しておく方が良い。
ということで、楽天証券をベースに、金利を比較し、銘柄によってカブドットコム証券やマネックス証券を併用、たまにSBI証券も。
というのが、(あくまで貸株サービスのことだけを考慮すればということだけど)最適戦略。
優待や配当についての注意点などを次回に。
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