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カテゴリ:チラシの裏
ㅤ最初にまずお断りです。
ㅤ”ハゲた男は長生きするか”というタイトルを見て、???と思われたかもしれませんが、 ここで取り上げるのは、医学的に本当に”ハゲた人が長生きする”というようなまじめな話ではなく、いわゆる”統計のウソ”の類の頭の体操です。 1.”ハゲた男は長生きする”を検証するために 仮に、 ”ハゲた男性はフサフサな男性より長生きするかどうか”を検証するとします。 どんな方法があるでしょうか? お手軽に調べる方法が無いか?ということで、 死亡した男性を片っ端から調べる。 そして、ハゲた死者の年齢の平均と、フサフサの死者の年齢を平均して比較する。 という方法を採用したとします。どういう結果になるでしょうか? 2.”ハゲた男は長生きする”が立証できた? 死亡した男性を片っ端から調べる。 そして、ハゲた死者の年齢の平均と、フサフサの死者の年齢を平均して比較する。 という調査をしたとします。 結果は当然、 ハゲた死者の平均年齢のほうがフサフサな死者の平均年齢より高い となりますよね。 人間、年を取れば取るほどハゲる人が増えるのだから、死者のうちでハゲた人の平均年齢の方が高いのは当たり前です。 若いふさふさの死者ももっと長生きすればハゲていたかもしれない。 でも、最初に検証したかったのは、”ハゲた男は長生きする”かどうかですよね。ちょっと違いませんか? 3.因果関係が逆 死亡した男性を片っ端から調べる。 そして、ハゲた死者の年齢の平均と、フサフサの死者の年齢を平均して比較する。 という方法で、 ハゲた死者の平均年齢のほうがフサフサな死者の平均年齢より高い という結果が出たとして、 それは、 ”長生きしたらハゲる人が増えてくる” という当たり前なことが結果に出ているだけで、 ”ハゲたら長生きする”ということではありませんよね。 つまり ハゲる → 長生き という因果関係ではなく 長生き → ハゲる という因果関係です。 だけど、 ハゲた死者の平均年齢のほうがフサフサな死者の平均年齢より高い という統計を利用して、 ”ハゲる→長生き”という説を唱える人が出てくれば、案外信用する人も出てくるかもしれない。 4.世の中には因果関係が逆の話がたくさんある 上は、ハゲと長生きの頭の体操的な話でしたけど、 実は、世の中には因果関係が逆の話がたくさんあるように思います。 商売のための宣伝であったり、自己の主張を正当化するためであったり、 その説は本当か? 因果関係が逆だったり、因果関係が無かったりしないか。 へそ曲がり的に見てみることも大切かなと。 例えば、 人手不足で賃金が上昇傾向だから景気が悪くなるだろうという説がありますけど、 因果関係的には、景気が良いから人手不足で賃金が上昇傾向なんだろうな。 だから、人手不足で賃金が上昇傾向なのは景気良化を少し抑制することはあり得ても(私は合成の誤謬の修正でむしろ景気を加速すると思うけど)、それで景気悪化ということにはならないだろう。 また、 高い利益が出る事業をやっている会社のROEは高くなりますけど、 会社のROEを無理やり高くしたからといって高い利益が出る事業が出来るわけではありませんよね。 無理やり頭髪を抜いてハゲ頭にしたからといって長生き出来るわけではないのと同じこと。 5.蛇足 ちなみに、”ハゲた男は長生きする”かどうかを検証するための科学的に正しそうな方法としては、 ある年齢の男性を対象に、統計的に十分な人数のハゲた集団とフサフサの集団を作り、その後に追跡調査をして各集団の平均寿命なりを調べる。 といったところ。 なお、そんな調査が、行われたことがあるかどうか私は知りませんので悪しからず。 ※同様の分野のランキング。優良ブログが見つかるかも。 にほんブログ村 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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人手不足で賃金が上昇傾向だから景気が悪くなるだろうという説がありますけど、
→僕の理解だとこの説は真逆だと思っています。 景気はフローなので、使う所に金を流すほど上昇します。 企業が利益を使う量と、労働者が給料を使う量で考えてみると、今の日本では後者の方が大きいのでフローとしては給料が高い方が景気が良くなります。 ※使う先にもよりますが (Oct 8, 2017 09:40:21 AM)
MEANINGさんへ
こんにちは。 >企業が利益を使う量と、労働者が給料を使う量で考えてみると、今の日本では後者の方が大きいのでフローとしては給料が高い方が景気が良くなります。 この点、私もMEANINGさんと同意見です。 (Oct 8, 2017 09:56:29 AM)
その無理やりROEを高くした企業を見抜いて本当に業績のいい企業を見抜くのが投資家の腕の見せ所です。
ROEが高いからといって必ずしもいい企業とは限らないが、ROEが低すぎる企業はほぼダメです。ROEは1分で投資対象として調べるべきかを判断できる優秀な指標だと思いますよ。 (Oct 22, 2017 04:08:45 PM)
Kaiさんへ
こんにちは。 Kaiさんと私とは、ROEに対する見方がまるで違うと思います。 Kaiさんは、ぜひ企業をROEで1分で見極める投資法で頑張ってください。 私は、ROEが低いとシメシメと思う方なので。もちろん、高ROEだからといって直ちに投資対象から外したりはしませんけどね。 (Oct 22, 2017 08:05:28 PM)
偏屈たぬきさんへ
こんにちは。例えば、ROE単体では心もとなくともROAか自己資本比率も見て、参考程度にPERも確認する。これを通年でやれば優良企業かどうかはほぼ見極められます。 ROEが低い割にいい企業は確かにありますけど、その判断基準理解しかねます。どういう株を買おうとしてるんですか?値下がりしない株? (Oct 23, 2017 01:16:34 AM)
Kakaさんへ
株は、良い会社を買うんじゃないんです。過小評価されている会社を買うものだと私は思っています。もちろん、良い会社で過小評価されていれば問題は無いと思いますけど。 PERとROEの両方を見ていては、過大評価気味の銘柄を掴みがちだと思いますね。 (Oct 23, 2017 07:11:16 AM)
偏屈たぬきさんへ
やっと分かりました。偏屈たぬきさんは生粋のバリュー投資家ですね。投資家ではグレアムが近いですね。 バフェットをマネる僕とは流派が違いますね。 (Oct 23, 2017 06:32:01 PM)
Kakaさんへ
そうでもないんですよ。 私は成長株も好きです。 だけど、ROEは重視しません。 なぜ、重視しないかというと、端的には 簿価の純資産に対してどれだけ利益を出していようが、 我々投資家は簿価で株を入手することは出来ず、時価の株価でしか株は買えません。 といっても、理解していただけないかもしれませんけど。 (Oct 23, 2017 10:29:52 PM)
偏屈たぬきさんへ
言ってることは分かりますが、確かに理解しかねますね。。 ROEに限らずPERやPBR含め指標を重視したくないタイプってことでしょうか? 分析方法がイマイチ見えてきません。 (Oct 23, 2017 11:04:41 PM)
Kakaさんへ
PERはとても重視します。 そしてPBRは少し重視します。 ROE=PBR/PER (×100)% そういう関係にあるので、3つの指標とも重視することなんてできません。 私はPERとPBRを重視します。だからROEは重視しません。 最初にPERをチェックするなら、次にPBRは低いほど良い(=ROEが低いほど良い)となるはずです。論理的には。 (Oct 24, 2017 05:41:34 AM)
偏屈たぬきさんへ
大体わかりましたが、その手法で成長株探せますか?バリュー分析としては王道だと思いますが、例えばスタートTみたいな成長株は漏れてしまう気がします。 ちなみに僕はROE重視、自己資本比率、ROAもそこそこ重視。 PERは参考程度。PBRは無視もしくは高い株を好みます。やっぱ基本、流派が違いますね。 (Oct 24, 2017 07:48:32 PM)
Kakaさんへ
成長とROEは別物です。 有望な成長株を見つけたければ、成長そのものに着目すべきかと。 ROEが高いから成長株というのは短絡的過ぎます。 (Oct 24, 2017 08:29:41 PM)
偏屈たぬきさんへ
成長そのものをどのようにして見つけますか?その目安としてROEやROAが存在すると思うのですが。PER、PBR単体じゃ分からないですよ。 連続で増収増益の企業や増配の企業を探す方法もありますが あまり効率のいいやり方とは思えません。それよりはさっと3か年分のROE、ROAを調べて良さげな企業だけ分析するのが僕のやり方です。 (Oct 25, 2017 12:30:29 AM)
Kakaさんへ
スクリーニングするなら低PERであることが大前提です。 その中で、売り上げと1株利益が継続して伸びている、または今後継続して伸びそうな企業を探す感じですかね。 もっとも、スクリーニング以外でひっかかってくる銘柄(日常生活で気になったとか、ブログで見かけたとか)で、魅力的なものがあれば若干高めのPERでも許容することはありますけど、特に最近は。 成長を見るための指標じゃありませんが、収益性の指標であるROAでスクリーニングするのは有効と思います(私は、最近はあまりやりませんけど)。 だけどROEでの検索は、私からすれば全くの無駄ですので過去にもやったことはありません。 (Oct 25, 2017 02:37:53 AM)
僕この手の話題好きなんで、読んでいて思わずよだれが出てしまいます。
万年割安株ってありますよね。 低PER低PBR低ROEっての。 ただでさえ低いROEが年々徐々に低下するような、資金効率の悪い企業。 そういう万年割安株でも成長し続ける事は可能です。 資金効率が悪いだけで。 PERとPBRを見れば、ROEは見たことになります。 PERとROEを見れば、PBRを見たことになります。 逆説的になりますが、PBRとROEを見れば、PERなんて見なくても良いんです。 ROEは推移が重要で、単年度の数値を云々言ったり、年々ROEが低下していく高ROE銘柄を評価したりしても余り意味がありません。 ROEを向上できるのであれば、低PBRでも成長株として投資妙味があります。 (実際は多くは業績回復銘柄になりますが) (Oct 25, 2017 08:25:38 PM)
MEANINGさんへ
それです!!同じROE重視の投資家としてすごく共感します。 分かりやすく説明していただきありがとうございます。 偏屈たぬきさんが色々リンク貼って持論を述べてますが、 そもそものリンク先の記事がROEの意味をろくに理解せずにおかしなことを書いてるんですよね。それに対して偏屈たぬきさんが批判されてるんですが、 どうも腑に落ちなかったんですよね。 結論はROE自体が悪いんじゃなく使い方が悪いってことですね。 (Oct 25, 2017 11:12:53 PM)
MEANINGさんへ
結局のところ、MEANINGさんはROE投資法の弱点もよくわかっておられて、 行き着く先の銘柄は、私ともそんなに違わないのかもしれませんね。 最近、MEANINGさんは、投資法を少し修正されましたね。 以前、やりとりをさせていただいた時と、ちょっと違った風に感じます。 (Oct 28, 2017 01:58:53 AM)
KAkaさんへ
私は、ROEのことをよくよく理解したうえで書いているつもりですよ。 ROEが投資にとって重要だと考える人たちが、ROEの何を見て、それが投資にどう役に立つと思っているのか、腑に落ちない。(経営にとってということであれば、少しは、少しだけですがROEも役に立つと思いますけどね) 多くの投資家は、”ROEが高いことが良いことだ”ということが最初から前提になっていて、深く考えることをしていない。 例えば、投資法を語っているブロガーでも、PERは低いほうが良い、PBRは低いほうが良い、ROEは高い方が良い、と並べて、それが矛盾していることにさえ気づいていない人が沢山いる。 それが分かっていて、なおROEだというMEANINGさんのような方には、一目置きますがね(真似しようとは決して思いませんけれど、大リーグ養成ギブスをつけたまま剛球を投げているように感じます)。 まあ、今はとてもイージーな局面なので、どんな手法でも株を買いさえすれば大抵儲かります。 多くの人に良い結果が出ていて、それぞれの人が自分の手法に自信を持っているでしょうから。 (Oct 28, 2017 02:41:23 AM)
偏屈たぬきさんへ
僕も結果として投資先がたぬきさんと同じ銘柄になることは非常に度々あると思っています。 万年割安株を是とする低PERを前提とする分散投資ですからね。 僕はPERかPBRが上昇するような銘柄を探します。 手っ取り早いのが資金効率が上昇するような銘柄。利益率が上昇する可能性がある銘柄。その為には売上。川上から川下へ。最終利益のPERは最後に確認する指標、という訳です。 川下(PER)から入るか川上(売上と時価総額)から入るか、という感じでしょうか。それで利益成長の比重が違うかな。 今まではそんなに投資先が一緒になってないようですが、時流が変われば一緒の銘柄に投資することも多くなるでしょう。 一番最初の頃に僕がたぬきさんに言ったこと覚えてますか。 何年も前になるので書き込み自体は忘れましたが、内容は 『(ポートフォリオを見て、)投資手法が人とは違う非常に興味深い。いやこれは本当に思考回路が複雑な投資家だ。要チェックだ。』 という感じでした。 色々な人の銘柄を単純にパクっていたのかもしれませんが、それにしても、という面白いポートフォリオでした。 今でもそうですが、単純に低PER低PBR銘柄ではありません。僕も投資先が低PER低PBR銘柄多いですから分かります。 ファンダメンタル投資家でも単純な人多いですよ。ポートフォリオ見れば分かります。 お互い低PER銘柄への分散投資家として頑張っていきましょう。 僕は分散投資家が集中投資家より高いパフォーマンスになることを証明したい。 (Oct 28, 2017 03:49:56 PM) |