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Dr.半熟卵のつぶやき~女性医療の現場で働く産婦人科医の日記~

Let's go 婦人科♪

1)婦人科受診のススメ


 婦人科、特に「産」婦人科となると、イコールお産を扱うところ=妊娠してる人が行くところ、というイメージが強い様ですが・・・・それは、多産だった一昔前のこと。
 ほんの50年前までは、月経が始まるとまもなく妊娠・出産を繰り返して、ほとんどまともに月経を経験することなく閉経&寿命を向かえる、というのが一般的な女性のライフサイクルでした。だから、早いうちから産婦人科にかかる機会を持っていましたし、お産以外のトラブルで産婦人科にかかる必要性があまりなかったんですね。
 ところが、私たち現代女性のライフサイクルはまったく異なってきています。妊娠・出産の年齢が上がる事で、早いうちから産婦人科にかかる機会が減り、一方で、月経に関するトラブルや子宮・卵巣の病気は増えてきているんです。
 
 本来なら、月経が始まった10代の頃から婦人科のホームドクターをキープしておいて、何か困った事があったらすぐ相談できるようにしておくのが理想です。婦人科はお産を扱うところではなく、女性の一生をもっとも身近な立場でサポートできるところなんですよ。
 海外では、月経が始まったら母親が「そろそろあなたも婦人科に行かないとね」と言って、自分のかかりつけ医に連れて行くそうです。セックスが始まる年齢になれば、避妊や性感染症予防についてそのドクターから指導してもらい、初交年齢あるいは18歳を過ぎたら子宮頸癌の定期検査を受けるように促しています。
 何かあってからあせってあちこちの病院をジプシーしたり、「婦人科に行かなきゃ、行かなきゃ・・・」と悩んで受診が遅れてしまったりしないように、日頃から気軽に相談できるマイドクターを見つけておくことをおすすめします。


2)月経のトラブルが増えた訳


 昔から月経はあったはずなのに、最近になって月経困難症や月経不順などのトラブルで悩む女性が増えてきたのはなぜでしょう?
 ひとつは、女性が一生のうちで経験する月経の数の変化が原因と考えられます。初経年齢が今より遅く、妊娠・出産の回数が多かった昔の女性は、一生のうちで約50回の月経しか経験していなかったそうです。それに対し、妊娠・出産の機会が減り、初経も早くなった現代女性が一生で経験する月経の数は何と約450回!
 月経の数が多いという事は、その分トラブルも増えるという訳。
 もう一つは、生活環境の変化。ストレスや冷えや偏った食事はホルモンのバランスを崩し、月経痛を悪化させる原因になります。まだまだ女性にとっては、働きやすいとはいいがたい社会の中で、めいっぱい頑張って働いている状態は、女性の体にとっては負担だらけといえるでしょう。
 月経痛は我慢すべきものではありません。ひどい月経痛の陰に、重大な病気が隠れていることもあります。何か変だな、ちょっと調子悪いな、と感じたら早めに婦人科で相談してみてください。


3)若くても検診は必要です


 月経トラブルだけでなく、卵巣腫瘍や卵巣癌なども増えてきています。この原因の一つは、上で書いた月経の回数が関係しています。月経回数が増えたという事は、当然排卵の回数が増えたという事です。排卵というのは、卵巣から卵子が飛び出してくる現象の事ですが、この排卵のたびに卵巣の壁は傷ついている事になるんです。
 卵巣の壁が繰り返し傷つけられる事によって、そこに腫瘍ができやすくなるのではないかといわれています。卵巣癌の好発年齢は40~50代ですが、卵巣嚢腫は20代に多い病気ですし、30代でもかなり進んだ卵巣癌が見つかることだってあるんです。
 もう一つ、増えているのが20代・30代の子宮頚癌です。子宮頚癌そのものの数は、やや減少傾向にあるんですけれど、若い世代での割合は逆に増えていっているんですね。この原因の一つに、性交で感染するヒト乳頭腫ウイルス(ヒトパピロマーウイルス)=HPVの感染が挙げられます。性交年齢が低下していること、セーファーセックスが定着していないことなどから、HPVに気づかずに感染している人も多いのではないかと推察されています。
 20代だから大丈夫と思って検診を受けないのは考えもの。例え症状はなくても、性交の経験があれば10代でも20代でも、定期的に検診を受けることをお勧めします。
 *詳しくは別ページの「検診のススメ」を見てね。

 
 


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