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皮下脂肪という鎧を着てない私にとって、殺人的寒さである。
山場のない平坦な一日が終わる頃、晩飯を食いに行くタイミングを逃したことに気付く。 外に出るのは自殺行為と判断し、今日は家にある何かで、料理をしようということになる。 台所の棚と冷蔵庫の扉をバタバタ開けると、ビールとそうめんと腐ったピーマン。 でも、外に出るという行為と天秤にかけたら、この材料をいかに活かすということに浪漫を感じて、調理にとりかかろうと決意。 ピーマンは、炒めりゃ、そのしぼんだボディーが復活してくれると思いきや、蘇生に失敗。 ペペローションを塗ったばあさんのようだ。 そーめんは、ゆで始めた瞬間、つゆがない事に気付く。 無味のそうめんと、ビールの晩酌セットが、脳裏によぎる。 調味量を涙目で探す。 塩、味の素、醤油。 同居人関根氏のプロテインを水に溶かすシェイカーにこいつらを放り込み、水道水を足す。 格好だけは、バーテンダーで、ひたすらシェイク。 茹で上がったそうめんを冷水で洗うおれの手には、冷たさを通り越して、痛みが走る。 キッチンの大きな丸机に置かれた、ビールとそうめんの載ったザル、そしておそらくありえない味であろうつけ汁が入ったおわんが寂しさを助長する。 いざ、口に入れるも、冷たすぎるそうめんに不味いつゆ。 空腹のシロクマでさえ、残すと思われる なぜかこんな時に限ってやたら冷えてるビール。 体が冷えて小刻みに震えだす。 ただ、何もしゃべらず、何もなかったように、布団に入った。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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