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カテゴリ:染と織
あ カミさんが なんかしてる
カードマシンで カーディングしてるんやな 五条坂陶器祭り終わって 盆明け いまちょっと カミさんにやってもらう分の やきもんの仕事の 手が切れた=仕事が無い おヒト雇わせてもろてたときは みんなの手が切れんよーにするのん それだけでもたいへんでしたわ 3人みんなの仕事の段取り用意する うん たいへんでした ま カミさんが 染と織の仕事を休止して やきもん屋の女房役になってくれたんで そこはユーズーが効く えーと仕事ないけど? 草伸びてるから草挽きするわ とか えーと明日 素焼きがでるまで仕事ないけど? そしたら帳簿整理するわ とか で 家のそこここの片づけしてたら 染の済んだウールの端:は が大量に出てきた それをしばらく カーディングするとゆーことで ウール=羊毛 は 先染め するんですわ 羊の毛の状態で 大なべに天然染料いれて 煮染めする あ それ以前に 白い羊の毛の状態で ブレンドする ひとくちに 羊の毛 とゆーてもみんなちがうんですわ メリノ フォークランド チェビオット サフォーク ポールワース・・・・ 羊の品種によって 毛足の長さ 腰のあるなし 光沢 みんなちがうんで どんな糸が作りたいかによって 単味:たんみ で 使こたり 2種3種を好みの配合で混ぜたり で 草木染めするでしょ 植物染料ですわねー あかね ヤシャブシ 渋木 藍 くちなし とか 植物の根とか 実とか 皮 とかから煮出した染料で染める 動物染料 ってのもある カミさんが使こてるのは コチニール これは南米のサボテンに寄生する 虫 です ダニみたいな 虫 もちろん死んでる 2ミリ角の粉状 プラスチック瓶に入って売ってる でも煮出すと ちょっと膨らんで 5ミリ角くらいになって 見ると ダニやとはっきりワカル あ 高級な口紅 とか 高級なアイスクリーム にも使われてる ムラサキとか 赤とかを染めるのに使われる 高級染料 前にチリ人がうちに来たときに聞いたら 親戚が養殖してる てゆーてた 金より高いらしー ええカネになるらしー ま 明治以来 日本人もウールを着るよーになり ウールを織るよーになって コチニール輸入するしかない が 太平洋戦争のとき輸入できへんでしょ そやから 小笠原でサボテン育てて養殖しよーしたけど うまいこといかへんかったらしー ほかの動物染料では ほとんどマボロシの染め 貝むらさき メキシコ湾のどっかの 貝の分泌液で染めるんやとか ともかく 植物と動物 あわせて 天然染料 科学染料 ではない 天然染料で染めた羊毛の色の綿 をまず作る どないです? ここまででも えらい手間でっしゃろ? で それを カーディングする 色のついた羊毛の綿 繊維がぐじゃぐじゃに絡んでる このままでは 糸に紡げない んで それを 梳く わけですわ 繊維の方向をそろえる ととのえる 針のついたドラム式カードマシンに 色綿を送り込む 回転するドラムの針が繊維を一定方向に 梳く このカードマシン カミさんが使う道具の中で 唯一 動力=モーター がついてる ほかの道具は 動力なし 人力のみ ゼンブ 木でできてる道具 ウールを紡ぐ 西洋糸車 ニュージーランド製 ¥20000くらい 木綿を紡ぐ 和の糸車 古いの見つけて なんとか修理して・・・ 紬糸:つむぎいと は 繭を広げた状態から 手だけでひきだして 糸にする・・・ どないです? いまどきや おまへんやろ? で 単色の色綿 のカーディングとは別に 染めの済んだ色綿 そこから色をえらんで 混色した色綿として カードマシンではなく ハンドカードで カーディングする 自分の好みの色の混ざり具合を塩梅して この 四角いブラシみたいな ハンドカードを使こて じゃっじゃっ と こすり合わせて 梳く 繊維の方向をそろえる で こーなる で これを マシンにかけた 単色の色綿と 適度に混ぜるために もういちど マシンにかける とゆーんですよね そーして やっと 糸を紡ぐ準備の出来た色綿 の完成・・・・ふぅー やっと これから・・・ 紡毛機;ぼうもうき 西洋糸車 スピニングホイール これを使こて 延々と糸を紡ぐことになる・・・・ 経糸:たていと は 縒りを強くかけて切れないように 緯糸;よこいと は 縒りを緩くしてやわらかさをだす・・・ふぅー カミさんのやってるよーな 完全手づくりの織物の仕事 って 織る のは 最後の1割の仕事 で 9割 は 染めと糸づくり ですわね だから 個人が全工程をやるのは 産業的には もともとムリなんです 道具として工芸として出すためには 地場産業としてみんなで分業する その道具としての地場産業が 衰退し崩壊しつつあるなかで その全体的技術を受け継いだのが カミさん なわけですわ 茨城県結城の織元と栃木県益子の日下田工房で 修行6年 ひとのくらしに役立つ布を織ってる むかしのおあばあちゃんたちがやってきたことを やってきたよーにやってるだけ とゆーんですが・・・ これ やきもん に置き換えたら 土つくり ですわ 山に行って粘土を掘ってきて いくつも並べた風呂桶に水溶きして 水簸:すいひ 浮かんでくる 草の根 草の実 は 取り除いて 粗い成分 小石や 砂気 を沈殿させ にごった 上水:うわみずだけを 集めて 桶を変える 今度は 沈殿させて 清んだ上水を 徐々に切って 泥しょう を濃くしていって 素焼きの鉢に移し替えて乾燥 最後は 天日で乾燥・・・・ こーゆーこと いま自分でやるとしたら・・・ 1キロの土が 何万円になりますやろか・・・ それで作った 抹茶碗を 薪窯で 4日4晩焼きぬいて・・・ 窯の神さんと 炎と灰に天然自然の絵を描いてもらう 灰かぶり 自然釉 出てきた品を 自分の目=美意識にかなわないもの ことごとく割捨てて 唯一 たった 1碗だけ残した茶碗 この抹茶碗のネダンは いくらか? 30年ほど前かなー 唐九郎さん はこれをやったらしー 志野の茶碗 1年に焚いた窯から1碗だけ残し それを 500万 で売って ヒハンを 浴びたらしー やりすぎ ってことかな この論理を推し進めると・・・ 一生かかって1碗だけ 3億円 もありえる 自分の目にかなうものがない と一生涯焼いて 0碗も・・・ いや 生き延びるためには どこかで折り合いはつけんとー これは唐九郎さんでななく 奥磯栄麓さんの品 25年前のネダンで 50万 唐九郎さんの後を襲う とされて奥磯さんだが 亡くなられた 唐九郎さんと奥磯さんは 唐九郎さんが例のモンダイで 逼塞していたころに出会われて 引き立てを受け ぼくが 奥磯さんのところに最初 お訪ねしたころは 唐九郎さん 唐九郎さん てゆーたはったけど 数年後には 唐九郎がっ と 呼び捨てになってた なんでですか? と連れていってくれたヒトに聞くと 最晩年 唐九郎さんは 穴窯ではなく ガス窯で志野を焼き始めはったんで 晩節を汚すくらいならやきもんなんか止めろ が奥磯さんのキモチ・・・ で 織物のハナシにもどって・・・ カミさんのウールのマフラーのネダンは・・・ いまどきではないやりかたでボーダイに時間使って・・・ 一本¥10000です ですが売れない いや 売れるんですが 売り切れなかったなあ ムカシよくやってた2人展で ¥10000 なら ブランド物のカシミアのマフラー が買える ここまでの裏の仕事量 ネウチをわかってもらう それを伝えるのは もともとムリやから 手紡ぎ草木染手織の品 がどうしても欲しいというニーズがない またそのニーズを持った顧客を束ねてる売り手のところに持っていけない 持って行ったとしたら マフラー1本¥30000になる ←ムリ ね やっぱり 陶芸家は恵まれてる と思う 茶道の主役 あまたの先人陶芸家たちの作った伝説や逸話 そーゆーモンに助けられて なんとなく重んぜられてる なぁ・・・ やきもん屋は そこを捨てていく地平 駄物への回帰 しかしそれが本流 使い手たちとの あたらしい関係 美術から道具へ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー なにがしか みなさまのお心に とどきましたでしょうか? もし そー思てくれはったら・・・ またクリック↓おねがいいたします♪ ↓ ↓ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年08月20日 08時40分34秒
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