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カテゴリ:陶芸関連
日本の家庭食器として いま スープカップ作るとき 取っ手は右か左か? なんでそんなことに迷う と思わはるかなぁ・・・・ はい ちょっと前の文の再録 作法とマナー ↓ 作法とマナー すごーくムカシのイギリスに とても優雅な囚人たちがいたそう かれらは ある人体実験に使われてた みんな終身刑でね あさ10じ ごご3じ 2種類の褐色の液体 を飲む それが彼らの仕事 何十年もかかって かれらの体調の変化を医師が観察する その2種類の液体が 人体に悪い影響をあたえるか 否か はい 紅茶と コーヒーです この検証を経てのち アジアとアラビアの嗜好品やったこの飲物は イギリスの特権階級のあいだに 急速にひろまる 日本でゆーと 江戸時代初期かなー 飲むための器には 中国のやきもんが 用いられた 中国アジアでは やきもんが発達してたからねー ヨーロッパには まだ陶器磁器のいいものがなかった ティーボウル 最初のころ 取っ手はついてなかった ヨーロッパ イギリスのやきもんの発達が追いついて それから ハンドルつきの ティーカップになった 取っ手のあるカップ あっちで発達した 熱いモノ熱くなく持てる お茶を飲むときの やり方 作法 マナーができていく 紅茶を飲むときの 道具の扱い 立ち居ふるまい マナー=あるべき習慣=ルール=上流階級の身ぶり になっていく あのー コーヒー紅茶のカップの取っ手って 左に向けてサーブされるのが ニッポンの作法上では 正しいんですけど いま どーなってるんかなー? 帝国ホテルではどーか? いまも守ってる? 京都のイノダはどーやったけ? たしか左や スタバではどーか? あ スタバはプラスチックカップで出るんか カジュアル化してるわけか ロンドンでは?パリでは?ニューヨークでは? 北京では?上海では?マレーシアでは? どんなふーにサーブされてるやろー? 取っ手を左にサーブするのが正式 ってのは 欧米文化=コーヒー紅茶の喫茶 が明治維新で入ってきたときに 幕府作法指南役の家 小笠原家のヒトが 茶道の作法にならって作った ルール決まりごと やと聞いたからです 作法=諸事一般礼式の小笠原流 そこがそー決めたらしー お作法 特権階級はなんでも 正式 を作るからねー 左に取っ手 そこに左手を添える 右手で持ったスプーンで 砂糖やクリームを入れる 不調法な音 立てない 右手の指3本取っ手にかけて 180度時計回りに 皿の上でカップをまわす 抹茶茶碗を 90度まわす要領で おごそかに おしとやかに まわしてのち 一呼吸置いて はい 右手で取っ手つまんで はい 飲みましょう ・・・・ ってことやそうです ほんまかなー ハナシをムカシのイギリスにもどすと 紅茶を喫茶する習慣は じょじょに 労働者階級へもひろがる そーすると 労働者階級には労働者階級の身体的身ぶりが備わるんですねー 紅茶を受け皿で飲む とゆー習慣 風習 マナーができる むかし 「紅茶を受け皿で」ってタイトルの本で読んだんですわ イギリス民衆芸術覚書 小野二郎 晶文社 1989 ←もう絶版かも 小野次郎さんは英文学者 やったかなぁ・・・ともかく 小野さんが ロンドンから遠く離れた 田舎町の安食堂で オバアサンが 紅茶を受け皿にうつしてすすってる のを見る 1980年とかの現代ですわねー でもその飲み方=マナーは ヴィクトリア時代=江戸時代の 労働者階級のマナーでね それが今も 片田舎のイギリスに残ってる ってことに 深くカンドーするわけ 文化ってことの根の深さに で この光景が出発点で なぜこんなマナーができたか 英文学者らしい すんごくハイブロウな考察がつづくんですけど 要約すると 今は浅い 紅茶の受け皿 ムカシはとても深かった なんでか ティーボウルで飲んでたから カップではなく ボウルで飲んでたから 深い受け皿は そのボウルのカタチのなごり 取っ手つきカップができてからも その深い受け皿を有効に利用したのが 労働者階級 労働者階級は 満足な炊事設備のないトコに住んでた なので朝早い 労働者に食事提供する屋台が発達 香港なんかと おんなしことですわね イギリスは すんごく寒いし 熱い飲物提供 をもとめるヒトもいるんやけど パンと紅茶を 手早くかっこんで行かねばならないヒトもいる あっつい紅茶 深い受け皿にうつして フーフーして冷ましてすする これが労働者階級の 風習 習慣=マナー になった この飲み方で飲むところを描いた屋台風景の銅版画が残ってる これやるひと この身ぶりの文化を受けついでるヒト ぜったいに 貴族階級ではない んですねー 立ち居ふるまいの文化=お作法はダイジなんですねー 貴族階級に見せかけたいヒトは 貴族階級のマナーを守ると 貴族階級に見える お作法=マナーってそーゆー文化装置 逆にも使える 貴族階級出身で貴族階級であることにウンザリしてた ジョージオゥエルは受け皿にうつしてワザと音を立てて すすってたそうです ウイリアムモリスがそう書いてる らしー さてー 器を作る仕事 やきもん屋のぼくとしては いまの このカジュアル化したニッポンにおける マナー 風習 習慣 作法 の実際がどうであるかってことと 加えて 道具としての使い勝手優先で考えたら どうなのか・・・ ーーーーーーーーーーーーーここから今日書いた文です♪ 新作のカップ 取っ手はどっちにあるべきか ってことを勘案して カタチを決めなきゃならない・・・ カップコーヒーや紅茶やミルクを飲む カップ マグカップ については迷わない とっくに決めてる いちおう右取っ手 メインの絵が正面にあったら 取っ手は右側90度の位置につける これは右利きのヒト優先での絞り込み 注文があれば左利きの方のために 左取っ手にもしますが 常に作る品は右取っ手 特に悩むことはないんです が 新作は 横に広がったカタチ・・・・ 取っ手で持つモノ 保持するとき縦長のカタチと 横長のカタチでは 力のかかる指がちがう 方向がちがう まず4月 一回り小さいサイズで こども用 それはじっさいに使うシーンを考えれば カンタンに決まった 左取っ手だった 広口 熱いモノが冷めやすいカタチ こどもさんが フーフーしながら食べる こども用のマルチ碗 汎用性の高いこども用の食器 として作った ひっくり返さんよーに 取っ手のトコに 小笠原流に左手添えて 右手で持った箸やスプーンやフォークを使う 中の食べ物が 飛び出しにくいカタチ 口がすこしくつぼんでて 内に向かってカーブしてるんで スプーンを向こうへ向こうへと動かせば ←西洋流マナーに準拠 自然にすくえる 子供さんにもうれしいカタチ けれど 一回り大きい 大人用を作るときに 右取っ手にした これを 今回 カミさんとカンカンガクガク 検討して やはり この品の家庭での使用状況を 深く深く深ーく 考えれば もとの こども食器と同じ 左取っ手 にもどすべきだろー となった それは この品のカタチ重量 とカンケーする問題なんですが・・・ これは 容量が250cc入り 入ると全体重量が530gになる それを 指一本通しの取っ手で 安定保持できなきゃならない・・・ これは コーヒー紅茶を飲むための品ではないんですね そして 透明でサラッとしたコンソメスープを ちょい 飲みするカップではない 具沢山なオカズになるスープ や トロッとしたかぼちゃスープ や ポタージュスープ 時によっては サラダボウル そして グラタンを焼くココット 容量が口から 2センチ下で250ccも入る これは汎用の器=ボウルですわ それに取っ手がついたカタチ 食べ始め カップの重さ 盛られたスープと具の全体重量は530gになる これを 指一本で安定保持できるような 取っ手にしなきゃならない・・・ 明日につづく =========================== なにがしか みなさんのお心に とどきましたでしょーか? もしそー思もてくれはったら クリックたのんますー♪ ↓ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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