日本はイラクに軍隊を送ったの?

バスの中で、道端で、タクシーの中で。
いたる所で、痛感させられたことがある。
日本はイラクに「軍隊」を送った、ということ。

「どうして日本にイラクは軍隊を送ったの?」と聞かれるたびに
必死になって私は繰り返した。
違う、あれは自衛隊であって、軍隊じゃないんだ、と。
日本は平和憲法を持つ、平和国家なんだから。
FIGHTINGのためにじゃなくて、PEACE KEEPINGのために
日本の自衛隊はイラクにいるんだから・・・。

そんな私に、笑いながら友人はこう言った。
「How can you make Peace with killing people?」
人を殺しながら、どうやってPEACEを築くというんだい?

自衛隊は、人を殺してなんかいない。
だが、そのことを知っている外国人はあまりに少ない。
「自衛隊は軍隊」これが世界の評価。

「自衛隊派遣」という事柄に対して。
私は全く重く捉えていなかった、と気づかされた瞬間だった。

日本にいると「自衛隊派遣」は、私たち日本人の生活には
直接関係はないのではなかろうか。
自衛隊を派遣したからといって、私たちの生活に不都合が生じるわけでもない。
だから、私たち日本人は気づいていないのだ。
自衛隊派遣という事柄が、国際社会においてどれだけの意味を持つかということに。

考えて見て欲しい。
今、イラクにいる自衛隊と、軍隊の違いとは何か。
また、その違いを、どうやってこの国際社会に伝えられるというのか。

日本にいる時、自衛隊派遣に私は賛成ではなかった。
しかし、アメリカに従うしか選択肢はないのだろう。
そして、すぐに私は忘れた。
生活は忙しく、自分の生活と直接関わりのない、自衛隊派遣についてなど考える余裕などなかった。

私はぞっとした。
日本にいると気づけない。
多くの日本国民は気づいていない。
例え、日本国内で、軍隊と自衛隊の違いに、私たち日本国民が納得できたとしても、
国際社会において、自衛隊は軍隊以外の何者でもない、ということを。



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