ゆるゆる時間

ようやく行ってきました。
素晴らしく充実した展覧会でした。
今までの自分の中の藤田のイメージって、「美しい乳白色の肌の裸婦を描く画家」というものだったのですが、だいぶ変わりました。

パリに渡ったばかりのピカソやルソーに影響を受けた画風から、'30年代、中南米を旅してからのカラフルな色使いに変わり、戦争画家として茶色をメインとした画風、最後にパリへ渡ってからの宗教画や子供たちの絵。
これだけの点数の作品を、年代順にわかりやすく展示してあって、見ごたえ充分。
藤田の作品は、線が細くて水彩画のような薄い色使いが印象的なのですが、私は30年代以降のカラフルな絵が好きです。
特に50年代以降の子供の絵は、とても緻密で、子供なんだけど笑顔ではなくてどこかミステリアスで、妖精っぽい顔をしてて、きっと絵本の挿絵なんかにはとても合うだろうな、と思いました。
ガラス瓶や木箱に描かれた子供の絵もとてもかわいかったです。
それに、動物たちの絵。
童話に出てきそうな、動物だけの宴会の絵とか、楽しかったです。
何より、額縁もきっと藤田が作ったんだろうな、と思わせるようなキュートで素朴なもので、画風ととても良く合っていました。

奇抜な格好で注目を集めた藤田ですが、その見た目とは反対とも言える繊細でやわらかい絵を描くんだなあ、とあらためて感じました。
でも、あの格好も、東洋人としてパリになじむためわざとやっていたんですね。
実際は、静かな環境を好む人だったんだなあ。
いつか藤田の作った、ランスにある教会にも行ってみたいです。

そして、全作品を通してよく描かれている「猫」。
作品の中に「どこにいるかなあ？」て、探すのもまた楽しかったです。
猫好きの友人の誕生日プレゼントに、「猫の本」を購入しました。
猫に対する愛情いっぱいの本です。

国立近代美術館は初めて行きましたが、いいですね。
靉光の「目のある風景」とか、古賀春江の「海」とか、高村光太郎など「教科書で見たー！」という絵や彫刻が・・。
イヴ･タンギーやクレー、佐伯祐三などなど、素晴らしい作品がたくさん。
常設展だけでも充分楽しめますね。
特集として展示されていた「浜田知明」の版画が個人的にはとても気に入りました。
４Fにはお堀が見える休憩室もあって、葉桜を見ながらぼーーーっと缶コーヒーを飲んで、足を休めることもできます。
またお気に入りの美術館がひとつ増えました♪