2005.4改正について

最近の結核の特徴
  活動性結核患者数 約4,500人
  15歳以下は200人ちょっと。75%は乳幼児型で家族内感染。25%は成人型で感染源は不明。
  0~3歳児のツ半で結核と判明した例は 13/120万であり90%は有症状。
  ツ半の意義は低い。
  BCGの効果・・0歳児の結核の87.5%は未接種。
 ※対策
  6ヶ月未満児のBCG接種の義務化(未診断の先天性免疫不全症の問題あり)
  出生直後のみ接種:低開発国
  小児期1回接種:イギリス、ヨーロッパ
  追加接種:スイス、ポルトガル、東欧、ロシア
  接種なし:アメリカ、オランダ、スウェーデン

ポリオ
  ワクチン由来株によるポリオの流行が世界にはある。
  生ワクチン接種後、河川でポリオの野生株がみつかることがある。

日本脳炎
  初回の3回接種が大事。
  ワクチンを接種しなくてもブースター効果はみられる。

麻疹の現状
  年間推定患者  日本:2~3万人   世界:3000万人
  推定死亡者   日本:20~30人    世界:78万人(1日2100人)
  累積接種率   日本:80%      世界:80% (アフリカ55%)
  ワクチン回数  先進国はイタリアと日本を除いて2回接種。

  ブースター効果がないと抗体価は10年もすると低下する。
  小学校入学時に追加接種が望ましい。
  22の遺伝子タイプがあり抗原性も少し変化している。
  重症化を起こすタイプとそうでないタイプあり。
  人の動きで世界の麻疹が広がる。
   例)罹患した大人が知らずに海外へ行きそこで子どもたちにうつす。
     今日本で流行しているタイプは韓国タイプ(ワールドカップで持ち込まれた)

ワクチン接種後の副反応の中には
  髄膜炎、脳炎の報告があるが Enterovirusであったり野性株のものあり。

質疑応答より
  ※経鼻インフルエンザワクチン・・IgA抗体は上昇するが下気道での免疫にはIgG抗体の上昇が必要である。経鼻にすると大量の抗原量が必要。で、まだ問題はある。

  ※日本脳炎ワクチンの接種量・・日本だけ年齢で細かく分けている。他国は6歳で分けているだけ。量が少なければ安全であろうとの発想。安全性のデータを取ることが困難なので変更し難い。日本の土壌は統計・疫学で考えることがない。10の9乗を安全と考えるヨーロッパ、まだ安全とは言えないと考えるのが日本の厚生省。(BSEにも関連)

  ※予防接種を受けようとするモチベーションの違い
受けなければ死に繋がると考えて接種する途上国のお母さん達は片道3時間掛かろうとも受けに来る・・・

詳しいことはこちらへ  北里研究所
 

              


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