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幸せいろいろ・・・

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老人の肺炎

 抗生物質の発達にもかかわらず、肺炎は日本人の死因の第四位です。急上昇しています。肺炎で死亡する人の9割以上が65歳以上の高齢者で占められ、「肺炎はお年寄りにとって重大な病気の一つ」となっています。
 老人性肺炎の特徴は、不顕性誤嚥が多いことです。不顕性誤嚥は口腔内分泌物や胃液が少量ずつ肺内へ吸引されることですが、その時、合わせて細菌が吸引され肺炎が引き起こされます。特に脳卒中患者で頻発します。
 また、冬期のインフルエンザ流行は小児から高齢者まであらゆる年齢層で感染発病しますが、特に高齢者の場合、インフルエンザ肺炎による死亡も多く、今からの季節は特に注意を要します。
 高齢者は、肺炎にかかる前にすでに肺の予備能力が低下しています。また、慢性気管支炎、肺気腫などの呼吸器の病気や高血圧、心臓病、糖尿病、脳卒中などの基礎疾患を持っています。高齢者が肺炎になるとこれらの基礎疾患が治療を困難にし、肺炎の慢性化、難治化を引き起こします。
 高齢者の肺炎の自覚症状はどうでしょうか。肺炎は一般に、発熱、咳、痰、呼吸困難、胸痛などを主な症状としますが、高齢者の場合、これらの訴えが少ないことが特徴です。咳も痰も自覚しないものが2割くらいあるといわれています。それに対して、食欲不振、下痢などの消化器症状が比較的多くみられます。また、脱水や血液中の酸素不足による意識障害が25%程度あります。
 肺炎は、一般的に38℃以上の高熱をおこしますが、高齢者の場合、体温の上昇をみないか、あっても微熱程度のものが少なくありません。それに対して、呼吸数は増え、皮膚や舌の乾燥、すなわち脱水状態にあることが多いと言われています。以上述べたように、高齢者の肺炎は、臨床症状がでにくいわけですから、軽い咳や痰、微熱でも、早めに診察を受ける必要があります。
 肺炎の予防、重症化を防ぐためには、うがいや歯磨きなどで口腔内の清潔に努めるとともに、慢性気管支炎などの呼吸器疾患、糖尿病などの療養を医師の指示に従って、平生からきちんと行うことが大切です。 肺炎の診断は、胸のレントゲン検査で行われます。治療は、抗生物質の内服、注射とともに、全身的な管理が重要


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