猫伝染性腹膜炎

2014.07.07

こんにちは　! 宇宙（そら）・人・ペット調和塾～作家阿部佐智子です。

この時季になると、毎年決まって私がお話することに
「猫伝染性腹膜炎＝FIP」のお話があります。

10年前。
わが家には本当に愛らしい「ぴぴ麿」という仔猫がいました。
生後三カ月になったぴぴ麿はわが家の新しい家族として
愛くるしい姿で元気いっぱいに飛び回っていました。

その数週間後、
突然原因不明の「食欲不振」に襲われるなど
誰も想像していませんでした。

ぴぴ麿は、仔猫なのに私たちに気を遣うコで
とてもおっとりした性格だったので
私たち夫婦は

「ぴぴ麿」という名前を付けました。

元々はその前に実家の女王として君臨していた
しまりすの「ぴぴ」の元気さにあやかろうと
新しく迎える家族の名前に「ぴぴ」は絶対にいかそうと考えていました。

ちなみに「ぴぴ」は女の子、
おそらくしまりすの中ではギネス並に長生きをした、とても元気なコです。

ぴぴは、その可愛いお顔と愛らしい姿で10年間
私に幸せを与えてくれました。

10年間病気らしい病気もせず、
最後の最後まで

「自分で生きる」

という立派な生きざまを見せてくれました。

そして迎えた「ぴぴ麿」、

「ぴぴ麿」も「ぴぴ」並みに元気に生きてくれるだろうと
私は信じきっていました。

ぴぴ麿は健康優良猫でした、
その上、性格も極上の部類にかわいいのですから
私たち夫婦はぴぴ麿の成長を心から楽しみにしていました。

けれど、あの運命の日、
ぴぴ麿には、5種の混合ワクチンが打たれ、
さらにその後二週続けて駆虫の注射も打たれました。

私たちは当時、獣医さんの言葉に従うことが
飼い主として最高の行為なのだと信じていました。

そしてぴぴ麿は突然
遊ぶこともできなければ
ごはんを食べることもできなくなってしまったのです。

何軒もの病院に駆け込み、
またブリーダーさんにも相談しましたが

「成長期で歯がむず痒くてものを食べられないのでは」
「猫のむら食いが始まったのでは」
「暑くて夏バテしているのでは」

そんな答えして帰ってきませんでした。

日に日にぴぴ麿が小さくなっていきます、

私たちの意向を確かめもせず「ステロイド」を投与した獣医さんもいました。

やっと、ぴぴ麿の病気がわかったのは
ごはんを食べられなくなってから二週間たってのことです。

「猫伝染性腹膜炎＝FIP」

この病気がどうして発症したのかその原因らしきものが
理解できたのはぴぴ麿が天国に旅立つ直前のことでした。

猫伝染性腹膜炎はコロナウイルスというものに
何らかのストレスがかかって
それが突然変異を起こして伝染病として発症する病気です。

ぴぴ麿の場合、コロナウイルスフリーではありませんでしたが
その抗体価はとても低く、
まして健康体そのものでした、

当時の獣医さんは認めてくれませんでしたが
おそらくワクチンと駆虫の注射が
なんらかの原因となっただろうことがわかりはじめました。

ちなみにぴぴ麿には虫などいませんでした。
なぜ駆虫の注射が必要だったのでしょう。

そしてぴぴ麿は、月齢5か月になったその日に
病院のベッドで一人天国に還っていったのです。

ぴぴ麿を迎える時に
どうしてもっと勉強をしなかったのか、
どうして獣医さんの言葉をうのみにしたのか、

どうして弱り切ったぴぴ麿にステロイド剤を投与させてしまったのか

どうして、どうして。

ぴぴ麿に関しては私の中に自責の念とそれに伴うトラウマがたくさん残っていました。

最期の瞬間を看取れなかったことも
私にとって大きな傷として心に残っています。

旅立ちを知った瞬間、
私よりもブリーダーさんの方が取り乱してしまって、

そんなことからもぴぴ麿のFIP発症は
避けられたものではなかったかと本当に無念で仕方ありませんでした。

けれどぴぴ麿の命がけのメッセージによって
私はホリスティック・ケアという考え方に辿りつき
そして「ごはんの力で犬猫ちゃんを元気にする」という方法論にたどり着くことが
できました。

それを電子書籍としてまとめたのが
『愛猫の幸せ寿命を3年延ばすhappy♪猫まんま』

です。

この電子書籍のご購入者さまが昨年、

「わが家の猫もFIPでしたが
　最後の最後まで元気に手作りごはんを食べてくれました。

　獣医さんからは信じられないと言われるほど元気に
　一生を過ごしました」

とお便りをくださったのです、
本当に嬉しくて嬉しくて
ぴぴ麿の愛に、心から感謝しました。

そして今、また別の読者さまの仔猫ちゃんが
FIPながら元気に手作りごはんを食べ、
またママさんのさまざまなケアによって
奇跡を起こしてくれています。

そのママさんと仔猫ちゃんには毎日
愛のエネルギーボールと
元気に幸せでいてくれることに関して
感謝の祈りを捧げています。

10年前、ぴぴ麿には何もしてあげられなかった。
でも、そのぴぴ麿が

「かぁさん、頑張るニャ、
　大丈夫ニャ、

　信じて。すべてのものを」

そんな愛のエネルギーで私を包んでくれているのです。

ぴぴ麿は仔猫のまま天国に還っていったけれど
でもその愛はスーパースーパー級にでかくて、

そして10年間、ただの一度も途切れることも
小さくなることもありません、

毎日毎日ぴぴ麿は光のシャワーで私を包んでくれています。

FIPは本当にむずかしい病気です、
けれど、がんばってくれている仔猫ちゃんがいます、

天国には還ったけれど
最後の最後まで元気に猫生を過ごしてくれた猫ちゃんもいます。

今、猫伝染性腹膜炎で苦しんでいる猫さんがいても
ママさん、

希望を捨てないで
あきらめないで

猫さんと向き合ってあげてください。

天国からたくさんの猫ちゃんたちが応援してくれています、

愛猫ちゃんもがんばっています、

ママさんの気持ちがくじけないように。

愛猫・ラグドールぴぴ麿の愛とともに。

　　　　　　　　宇宙（そら）・人・ペット調和塾～作家阿部佐智子

ぴぴ麿のFIP発症と天国への旅立ちは、
ぴぴ麿からの私への最幸の贈り物だったのだと、

やっと気づけたよ、ぴぴ麿。

10年分の愛、本当にありがとう。

この記事を書きながらまた大泣きしてしまいました。

私の原点は、ぴぴ麿、あなたの「命」だから。

あなたの「命」と共に私はいまここに、います。

お蔭さまで大好評　!