 ♪ 二万人収容ホールに十席のみ画面に眺む歌会始
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
遅ればせながら、今年度(平成29年)の歌会始。
お題は「野」で、米国など海外19の国・地域からの163首と、点字での29首を含める、失格を除いた応募総数は2万205首。この内一般入選歌は10首という狭き門。
今回は応募しそこなったので、来年は是非入選を果たしたい・・・。入選歌を見てもそう特別いい歌もない気がするし、今から準備してたくさん作ればなんとかなるんじゃないかなんて。
しかし、競争率が半端じゃない。よほど運がいい人でないと無理な気もしてくる。
天皇陛下の御歌
邯鄲の鳴く音聞かむと那須の野に集ひし夜をなつかしみ思ふ
入選するには、ちょっと違う視点から見た月並みではない、表現に工夫があって観念的でないもの。変に嘘臭くない情景が浮かんでくるような歌が求められる。そんな歌を20~30首ほど作ってみるか。少しは短歌のことが分かって来たので、入選歌を分析してその採られた理由を探り、確率0.0005%に賭けてみようか。
何にしても集中してモチベーションを持続し、為すべきことを徹底してやることで見えてくるものがある。それをするしか目的を達成する道はないと言っても過言ではない。
お題は「語」で、締め切りの9月30日まで、時間はたっぷりある。
皇族と選者、一般の入選歌を記しておきます。
皇后陛下
土筆摘み野蒜を引きてさながらに野にあるごとくここに住み来し
皇太子さま
岩かげにしたたり落つる山の水大河となりて野を流れゆく
皇太子妃雅子さま
那須の野を親子三人(みたり)で歩みつつ吾子に教ふる秋の花の名
秋篠宮さま
山腹の野に放たれし野鶏らは新たな暮らしを求め飛び行く
秋篠宮妃紀子さま
霧の立つ野辺山のあさ高原の野菜畑に人ら勤(いそ)しむ
秋篠宮家長女眞子さま
野間馬の小さき姿愛らしく蜜柑運びし歴史を思ふ
秋篠宮家次女佳子さま
春の野にしろつめ草を摘みながら友と作りし花の冠
常陸宮妃華子さま
野を越えて山道のぼり見はるかす那須野ヶ原に霞たなびく
【召人】(敬称略)
久保田淳
葦茂る野に咲きのぼる沢桔梗(ぎきやう)冴えたる碧に今年も逢
へり
【選者】(敬称略)
篠弘(83)歌誌「まひる野」代表
書くためにすべての資料揃ふるが慣ひとなりしきまじめ野郎
三枝昂之(72)山梨県立文学館長
さざなみの関東平野よみがへり水張田を風わたりゆくなり
永田和宏(69)京都大名誉教授、朝日歌壇選者
野に折りて挿されし花よ吾亦紅あの頃われの待たれてありき
今野寿美(64)現代歌人協会会員
月夜野の工房に立ちひとの吹くびーどろはいま炎(ひ)にほかなら
ず
内藤明(61)早稲田大教授
放たれて朝(あした)遥けき野を駆けるふるさと持たぬわが内の馬
【入選者】(敬称略)(年齢順)
政井繁之(81)元警察官(岐阜県)
如月の日はかげりつつ吹雪く野に山中(さんちゆう)和紙の楮をさ
らす
上田国博(81)無職(東京都)
歩みゆく秋日ゆたけき武蔵野に浅黄斑蝶(あさぎまだら)の旅を見
送る
小松美佐子(80)主婦(長野県)
宇宙より帰る人待つ広野には引力といふ地球のちから
斎藤和子(71)主婦(千葉県)
筆先に小さな春をひそませてふつくら画(ゑが)く里の野山を
平田恭信(68)医師(東京都)
手術野(しゆじゆつや)をおほふ布地は碧み帯び無菌操作の舞台整
ふ
西出和代(64)元司会業(東京都)
父が十野菜の名前言へるまで医師はカルテを書く手とめたり
角田正雄(62)公益財団法人職員(宮城県)
積み上げし瓦礫の丘に草むして一雨ごとに野に還りゆく
山本英吏子(42)主婦(新潟県)
友の手をとりてマニキュア塗る時に越後平野に降る雪静か
鴨下彩(17)高校生(東京都)
野原ならまつすぐ走つてゆけるのに満員電車で見つけた背中
杉本陽香里(17)高校生(新潟県)
夏野菜今しか出せない色がある僕には出せない茄子の紫 |
来年(平成30年)の応募規定など、詳細は「宮内庁」へ。
|
◆2006年5月8日よりスタートした「日歌」が千首を超えたのを機に、「游歌」とタイトルを変えて、2009年2月中旬より再スタートしました。
◆2011年1月2日からは、楽歌「TNK31」と改題してスタートすることにしました。
◆2014年10月23日から「一日一首」と改題しました。
◆2016年5月8日より「気まぐれ短歌」と改題しました。
★ 「ジグソーパズル」 自作短歌百選(2006年5月~2009年2月)
☆短歌集「ミソヒトモジ症候群」円居短歌会第四歌集2012年12月発行
●「手軽で簡単絞り染め」
|
最終更新日
2017.02.05 09:05:18
コメント(0)
|
コメントを書く
もっと見る
|
プロフィール
sunkyu
日本の四季と日本語の美しさ、面白さ、不可思議さ、多様性はとても奥が深い。日々感じたことを「風におよぎ 水にあそぶ」の心持ちで短歌と共に綴っています。 本業は染色作家
|
|