♪ 体内の芯のあたりに飛び火してちりちり燃えるものを確かむ
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
先日、ローソクの明かりでジャズを聴いた事のを書きました。そこに暖炉のある飲み屋の事も書き添えましたが、そういえばこんな記事があったなあと、思い出しましたので紹介します。
天声人語 「たき火のできる街」 2017年10月19日
昨年のちょうど今ごろ、埼玉県上尾市の小学校の校庭で、子育て中のお父さんたちと七輪を囲んだ。べっこうアメを子どもたちと作る催し。初対面の方ばかりだったが、火を挟んで手を動かすと不思議と会話がはずんだ
▼呼びかけ人は街づくりNPO「ハンズオン埼玉」を主宰する西川正(ただし)さん(50)。娘2人の父でもある。「学校の行事で父親って所在ない。やることがなく、わが子の写真を撮ってばかり。でも火があると居場所ができます」
▼街なかでたき火を見なくなって久しい。空き地は減り、公園に「たき火厳禁」の看板が立つ。「煙が臭う、火事になったらどうするといった住民の苦情を役所は嫌う。でも役所を介する必要はない。顔と顔のつきあいがあれば、苦情はじかに届く。輪に加わってもらうこともできます」
▼最初はたき火を囲む焼き芋の会だった。十数年続けるうち、七輪を並べる会も始めた。ほかに落ち葉を集めたプール、こたつを屋外に置いてのカルタも好評だった。どうしたら遊びの場を地域に築けるか。西川さんは今春、その歩みを紹介する『あそびの生まれる場所』を刊行した
▼七輪の輪を広めようと「日本七輪党」も名乗る。ネット上の遊びにすぎないが、綱領もある。「五輪もいいけど七輪も楽しもう」「イライラしても、子にはあたるな、火にあたれ」
▼今年の秋も西川さんたちは忙しい。自分の子はもう卒業したけれど、在校生の親から頼まれれば断れない。七輪の会の日程も決まったところだ。
「火」は人間のみが扱える魔法の一つ。ギリシャ神話ではプロメテウスによって人間に与えられたという火。それをうまく扱えなくなって来ている気がします。
野外で、上手に火が起こせない人も増えているでしょう。マッチの姿も見なくなって久しいし、焚火も禁止、キャンプ・ファイアも禁止の傾向にあるようです。
火を使わない生活が当たり前になってくれば当然、火そのものに接する機会が絶対的になくなっていく。家庭では辛うじてライターやガスコンロで火を見るぐらい。正月明けのどんど焼きがある所も限られているし・・。
電子調理器なんて火も出ない。オール電化の家庭では炎を見る機会など皆無でしょうね。
そんな生活の中にいるからこそ焚火は人を刺激する。小学校の唱歌にもあるぐらい身近なものだった。自由に焚火が出来た時代は良かった。人と人の距離が今よりずっと近かった。
「学校の行事で父親って所在ない。やることがなく、わが子の写真を撮ってばかり。でも火があると居場所ができます」ほんと、親父たちも火遊びがしたいのだ。
それがダメならせめて小さな火を使う七輪で遊びましょうという事になるんだね。
火には人の魂を刺激する何かがある。生きものの様に燃え、広がり、飛び、猛り、熱を発して暴れ回る。この生きものの様に暴れる姿は、興奮を呼び得も言われぬ快感をもたらしてくれる。だからこそ恐ろしいとも言える。
そんな火の燃えるのに興奮し快感を知った不審者。焚火などしたこともなく火を囲む団らんも知らないのじゃないだろうか。
津山で倉庫全焼、不審火らしい(平成29年9月)
放火という最も恐ろしい犯罪。最近、不審火(放火)が相次いでニュースになっている。
豊橋市で10月1日、埼玉県上尾市で10月に6件、隣の桶川市で10月22日、愛知県清須市で昨年10月・12月と今年の4月・5月、埼玉市上尾10月に連続で不審火。
物置のごみや自転車に火をつける。家を燃やしてしまう事にもなる危険な行為。れっきとした「放火」だ。火事に至っていないので不審火なんて柔な呼び方をしているが、こんな呼称は良くないと思う。
平成27年に全国で発生した火災では、「放火」および「放火の疑い」を合わせると6,441件(16.5%)で、出火原因の1位(約6件に1件)になっているという。冬になれば、乾燥して火災も増えてくる。気をつけなければ・・・。
★10年振りにランキングに参加してみました。ポチッと押していただけたら嬉しいです。
|