♪ 天に何か意図のあるらん週末を狙うがごとく台風が来る
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秋の空は、鳥たちにとっても気分のいいものなのだろう。曇っているところも少しはあるが、全体的には晴れてさわやかな風が吹いている。柿の木にはカラスとムクドリが順にやって来る。それを少し離れた電線の上で眺めているスズメたち。キジバトも鳴いている。
どこからか、ピーヒョロロという声が聞こえてきた。この辺りでトンビが鳴くなんてことはほとんど無いので、その特徴のある声にすぐさま耳が反応した。なんと珍しいこと、郷愁を誘う声はとても懐かしい感じがする。
声のする方向ははどっちだろう?
東の空を見ると、おおいるいる。お寺の小山の上の方に浮かぶように飛んでいる。いつもならこの山の上にはハシブトガラスが何羽かいて、朝のひと時を良く通る声で鳴いている。木の天辺から飛び上がったり、木の陰になったりしているが、この日はどうも様子が違う。カラスはおらずトンビだけが舞っている。
地方へ行くと飛翔中のトンビとカラスが争う光景を見かける事がある。トンビとカラスは食性が似ているため競合関係にあるためらしい。特にカラスは近くにトビがいるだけで、集団でちょっかいを出したり、追い出したりすることもあるというから、カラスの方が気性が荒いのかもしれない。
この日は、たまたま上空を通過中、羽を休めるためにこの山の木に舞い降りたのかも知れない。運よくカラスが出払った後だったということか。
じゃれ合っているのか、中空で三羽が上になったり横に回ったり交差して飛んだりしている。一羽がスーッと離れて行ってしまったかと思うと、もう一羽が寄って来る。
さっき離れていったやつがまた戻って、近づいて来る。三羽が一つになって付かず離れず、同じあたりで舞っている。ピーヒョロロロ。
距離が遠いので上手く撮れない。
三羽が距離を保って、小さな円を描きだした。上昇気流をつかまえたのか、徐々に高度が上がって行く。羽を広げたまま羽ばたきもせず、定点上昇飛行とでもいうように一定の場所で旋回している。トンビ特有の飛び方だ。
風を読んで、労力をほとんど使わずに上昇していく。その姿はいつもながら惚れ惚れする。
どんどん高く上がって米粒ほどになり、ほとんど見えなくなった。上空の気流に乗って、どこか遠くの旅への続きを始めたのかも知れない。ほんの十数分の朝のスケッチ。
トビ(鳶、学名: Milvus migrans)は、タカ目タカ科に属する鳥類。トンビと言った方がしっくりくる。
三橋美智也の歌
夕焼空が マッカッカ とんびがくるりと 輪を描いた
ホーイのホイ
そこから東京が 見えるかい 見えたらここまで 降りて来な
火傷をせぬうち 早くこヨ ホーイホイ
古いなあ~確か曲のタイトルは「夕焼けトンビ」だったっけ。
河口、海岸、河川などを生息場所にしているのは、水辺は動物の死体などがよく見つかるかららしい。視力が良くてかなりの上空から獲物を見つけて急降下してくる。
一度、どこかの海辺で遊んでいる時に、すぐ目の前に急降下してきてびっくりしたことがある。あの大きさだ、驚かない方がおかしい。
全長は60〜65cmほどで、カラスより一回り大きい。翼開長は150〜160cmほどになり、小柄な大人の身長ほどもある。
トンビは英語で kite(black kite)。
スポーツカイト
これはトンビが基になってるんだね。知らなかった。
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