歌 と こころ と 心 の さんぽ

2020/01/23(木)10:07

〇 暖冬の夜には古風なミステリーを・・

読書(38)

♪ 湖の底に眠りて色褪せし奇奇怪怪の謎をひもとく‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥  返却のため2週間振りに図書館まで3.2㎞ほどを歩いて行った。本を持っているし汗もかくので走るのは自重したが、長い登り坂があって、そこだけはスイッチが入った。  最近は、風呂上りにスクワットを80回ほどやっているので少しは自信がある。軽々ととは行かなかったが何とか登り切った。  それで借りて来たのが、あの名高い「虹をつかむ男」(ジェイムズ・サーバー)が収録されているミステリー短編集。読んだことないのでどんなものかと思って・・。二度映画化されていて、題名を知っているだけで観た事がない。数年前の『LIFE!』という映画も知らない。  書庫に眠っていて紙も古びた、今は昔の物語。ちょっとした辞書ぐらいのボリュームがある。  世界ミステリー全集18-37の短編(傑作短編集)  1972年(昭和47年)から早川書房より刊行された全集で、1979年に再版されたもの。従来の古典的作品を網羅した全集から脱却した編集で注目を浴びたものらしい。  「虹をつかむ男」は原題が「ウォルター・ミティの秘密の生活」。最初、読んだ時はさっぱり意味が分からず、二度三度読んで(短いので苦にならない)、風采の上がらない中年の恐妻家ウォルター・ミティの、奇抜な空想というか妄想辟を描いているらしいことがようやく分かった。ああこれが有名な「虹をつかむ男」なのかぁ・・。しばらく呆気に取られていた。    ある時は命知らずのパイロット、またある時は高潔な射撃の名手、そしてある時は凄腕の外科医・・・  最初の所に出て来る「シリンダーの音が速さを増していった。タ・ポケタ・ポケタ・ポケタ・ポケタ・ポケタ」の表現がえらく気に入った。剥き出しになったエンジンが動いているところを見たことがあるが、正しくこんな感じ。  この短編を映画化したくなる気持ちはとても良く分かる。余分な説明がなく何の脈絡もなく話が進んでいく。どんな風にでも料理できそうな素材が並んでいて、確かに映画に向いていると思う。  作品一つ一つに著者の略歴がつき、タイトルとは別に「張込み」「トリック」「密室」などとカテゴリーが付記されている。これから読み進めていくわけだけれど、知らない作家ばかりなので先入観なしに楽しめる。  原著の発表順に並べられている、1950年頃からの四半世紀(おおむね戦後から編纂時まで)の37作品は次の通り。 ジャングル探偵ターザン(エドガー・ライス・バロウズ) 死刑前夜(ブレット・ハリデイ) 虹をつかむ男(ジェイムズ・サーバー) うぶな心が張り裂ける(クレイグ・ライス) 殺し屋(ジョルジュ・シムノン) エメラルド色の空(エリック・アンブラー) 燕京綺譚(ヘレン・マクロイ) 後ろを見るな(フレドリック・ブラウン) 天外消失(クレイトン・ロースン) 九マイルは遠すぎる(ハリイ・ケメルマン) 魔の森の家(カーター・ディクスン) この手で人を殺してから(アーサー・ウイリアムズ) 北イタリア物語(トマス・フラナガン) 百万に一つの偶然(ロイ・ヴィカーズ) 少年の意志(Q・パトリック) 懐郷病のビュイック(ジョン・D・マクドナルド) 五十一番目の密室(ロバート・アーサー) ラヴデイ氏の短い休暇(イーヴリン・ウォー) 探偵作家は天国へ行ける(C・B・ギルフォード) 燈台(E・A・ポー&R・ブロック) 女か虎か(フランク・R・ストックトン) おとなしい凶器(ロアルド・ダール) 長距離電話(リチャード・マシスン) 歩道に血を流して(エヴァン・ハンター) 死刑執行の日(ヘンリイ・スレッサー) 死者のポケットの中には(ジャック・フィニイ) 白いカーペットのごほうび(アル・ジェイムズ) 火星のダイヤモンド(ポール・アンダースン) ヨット・クラブ(デイヴィッド・イーリイ) クライム・マシン(ジャック・リッチー) 一滴の血(コーネル・ウールリッチ) ジョン・ディクスン・カーを読んだ男(ウイリアム・ブルテン) 最後で最高の密室(スティーヴン・バー) アスコット・タイ事件(ロバート・L・フィッシュ) 選ばれた者(リース・デイヴィス) 長方形の部屋(エドワード・D・ホック) ジェミニイ・クリケット事件(クリスチアナ・ブランド)  この厚さでも収録数が多いので文字が小さい。全部を読み切れるかどうか・・・。

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