♪ 珍妙な雲丹海鞘海鼠美味にして海とは生みの深さを思う
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
婆さまが珍しい刺身を買って来た。時どき目にしてはいたけれど、なじみがない魚なので手が出なかったらしい。
これがとても美味かったらしい。脂が乗っていて甘みがあって柔らかい。肌理は細かくて弾力もあり、もちもちとした食感が心地いい。臭みなど全くなくどの刺身よりも癖がないので、幾らでも食べられそうだと、爺婆さまは大いに気に入った様です。その名は「ハガツオ」。
ハガツオは鮮度落ちが非常に早いらしく、水揚げされてから翌日辺りまでしか美味しく食べられないとさえ言われているんだって。
この魚を目的とした漁はほとんど行われておらず、カツオやサバなどに混じって漁獲されるだけらしい。数が少ない上に鮮度落ちが早く、カツオほど人気もない魚で、ほとんどが産地で消費されきたらしい。
主な産地は鹿児島県から高知県、和歌山県など太平洋沿岸部と、長崎県五島から山口県、鳥取県や福井県など日本海沿岸部で水揚げされているとか。鮮度を保っての運送技術が進歩して来たおかげで、中部地方辺りを限界に流通するようになったらしい。
盛期は8月から10月にかけてで、沢山穫れる時期という意味での旬は夏。でも、秋から晩秋にかけて(11月~12月)身に脂がのっていて、この時期のものが一番旨いというのも頷ける。
体側の腹側は銀白色で、背は薄い紺色の地に濃紺の縦縞があるのが特徴。
別名スジガツオという名の由来にもなっている。
歯鰹(ハガツオ)と呼ばれるのは、下あごに鋭い歯が
沢山並んでいるところからなんだね。
1mを超すものもいるらしい。でも、市場に出回るのは50~60cmがほとんどで、カツオよりやや小ぶり。体形はカツオに似た紡錘形だけど、顔つきがカツオよりも細長くて「キツネガツオ」とも呼ばれるんだとか。
カツオの名が付いているけど、サバ科の魚らしい。スズキ目 - サバ亜目 - サバ科 - ハガツオ属の魚で、別名がキツネガツオ(狐鰹)、トウサン、トウザン、ボウサン、シマガツオ、サバガツオなんて呼ばれているらしい。
婆さまが、 “猫にもぜひ食べさせてやりたい” といつものやさしさで、幾切れか残しておいてくれた。色んな魚を食べたけれど、これは旨かった。ぜーんぶケロリと平らげちまったよ。アランはあんまり魚は好きじゃないけど、いつもよりたくさん食べたらしい。
安いし美味いし、流通が少ないとなれば、そのうち値が上がっちまうかも知れない。そうなったら鰯や秋刀魚みたい手に入りにくくなるなぁって、国民年金暮らしの爺婆さまは心配している。
このブログは8月22日より、飼い猫ピピの目線で書いています。タイトルの頭に ◇ が付いてますが一部例外があります。
日によって文体が違ったりしますが、そのうち一つの形に収斂していくと思いますのでそれまでは、未熟さを面白がりつつやり過ごして頂けるとありがたいです。
|