2021/08/22(日)07:03
〇 自分の感性くらい
♪ 日照雨(そばえ)ふる坂道ゆけば法師蝉 背中に時を押し付けて来る‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
このコロナ禍で大変な思いをしている人々に「自分の身は自分で守れ」という一言で突き放し、ムチ打つような事が平然と行われている。真面目で自制的、そして協調性を重んじる日本人であるが故に、どうしても被害者意識が先行しがちです。
他人に合わせていくのも重要かも知れませんが、一本の鉛筆のように先を尖らせて屹立し、踏ん張っていくことが求められています。
茨木のり子さんのことは、2020年10月26日のブログに詳しく書きましたが、この「折々のことば」を見て、また改めてこの詩を振り返っています。平時の自分の生き方に対し、自分で自分を叱責している詩ですが、この非常に困難な状況を生き抜いていくために “お前の足元をしっかりさせろ” と言われている気がしてきます。
自分の感受性くらい詩集「自分の感受性くらい」(1977刊)所収
「現代詩文庫」思潮社にも収録