2022/03/04(金)09:59
■ ウォーキングで新智識二つ。
♪ ナマコ蛸ウニ海鞘ウツボ食う我らユムシをキモイという資格なし
3日4日があっという間に過ぎてゆく。一昨日、来客が帰った後、中4日も過ぎてしまったウォーキングに出かけた。久しぶりに南方面、新舞子のビーチランドまで6キロほどを目標にして。
市役所裏の駐車場わきの水路に、一羽だけの見慣れない鳥が泳いでこちらへ向かって来る。何の鳥だろう?
頭に黒いふさふさとした毛が、モヒカン頭のようによく目立つ。カルガモなどのカモ類はよく集まっているのを見るが、初めて観る鳥のような気がする。例のごとく調べてみた。
どうやら「カンムリカイツブリ」という水鳥らしい。ユーラシア大陸の中部に広く分布しており、冬期にはやや南に渡るという渡り鳥だ。
カンムリのような冠羽が特徴で、夏は名前の通り頭部に黒~赤褐色の飾り羽が生えて顔もそれに準じた色になる。それが、冬になると頭は黒一色となり、頬から首までも白く地味になるらしい。
日本では冬鳥として渡来するが、およそ50年前に本州北部で繁殖が知られるようになり、溜鳥として通年生息している個体も増えているんだとか。
群れで過ごすのを好む鳥で、数羽~数百羽(数百羽、千羽という記述も)の集団を形成宍道湖や琵琶湖などの大きな湖でその姿を見られるとある。
昼行性で日中に採食し、夜は集団で湖の上で休む。肉食で潜水して水中にいる小魚、昆虫、爬虫類などを捕まえて食べる。流れの緩やかな淡水域に生息し、生活のほとんどを水上で過ごすらしい。寿命は20年ほど。
卵生で春~夏に繁殖期を迎えると縄張りを形成し、番を作ると水上に植物の葉や茎で浮巣を作る。 3~5個の卵を産んで夫婦で交代して抱卵し、1か月の抱卵期間を経て孵化する。
一羽で泳いでいたが、近くに群れがいたのだろうか? つながっている水路を見てもそんな鳥の集団は見当たらなかった。
マリンパークの入り口までやって来た。曇りがちの天気で、やたらに風が強くて冷たい。人工島に懸かる橋に差し掛かると、その寒風の中で釣りをしている人の姿があった。この寒い中でご苦労なことだなぁと、反対側の歩道から眺めながら橋を渡っていく。
ここまで来たが、午後5時を過ぎていて天気も悪いし人影もほとんどない。
ドッグランのあるところまで行ってみみるものの、すでに閉門されていて人影もなし。その上腹が減ってきていて、何か口にしたいと思うもののこの時期に売店などやっているはずもない。島の向こうのマリンブリッジを渡って新舞子の駅まで行っとところで、売店がないのを知っている。
とにかく寒いのでゆっくりベンチに座って休憩する気にもならない。おなじ道を戻って早々に帰ることにし、さっきの釣り人に何が釣れるの聞いてみよう。
「何を狙ってるんですか?」
「カレイ」「それとクロダイ」
「カレイが釣れるんですか?」
「おう、前来たときは4枚、40㎝ぐらいあったかな」
「へえ~、良いですねぇ。刺身に出来るねぇ」
「そうだよ」
「エサは何ですか?」
「イムシ。韓国から入って来るやつ」
「えっ、何?」
「そこにあるから、見て」
そこで見せられたエサが何ともグロテスク。大きいドバミミズが、水膨れしたようなやつだった。なんでも輸入品の上に数が少ないらしく、なかなか手に入らないんだそうだ。
このエサが手に入ると釣りにやって来るらしく、「いつもは向こう側の築堤で釣るんだけど、大潮の満潮時には沈してしま」とか言う。そういえば、3日が新月で大潮に当たる。
カメジャコ(クロダイ釣りに使われる)だとすぐに死んでしまうけど、このエサは2時間ぐらいは大丈夫という。一匹150円ほどで高いけど、長持ちするし何でも釣れるのでいいエサだという。マダカの60㎝ぐらいのを上げたこともあるんだとか。
帰ってから例のごとくググってみると、「ユムシ」という名前だった。これれは、干潟など浅い海の砂に縦穴を掘りその穴の中で生息している海産無脊椎動物で、一般的には「ユムシ」と呼ばれていて、北海道では「ルッツ」、和歌山では「イイ」、韓国では「ケブル」と言うらしい。
左のなんかツヤツヤして血色がいい。食材と思って見れば見えなくもない。
グロテスクだけれど、韓国では刺身のように生で食べたり、ホイル焼きや串焼きなどにして食べられているらしい。ユムシ自体に味はほとんどないらしく、噛み始めの柔らかい食感や噛んでいるうちにシコシコ感がでてくるという。その特異な食感は、一度味わった人ならまた食べたくなるシロモノなんだとか。
ユムシ自体に味はほとんどないが、噛み始めの柔らかい食感や噛んでいるうちにシコシコ感がでてくる特異な食感は、一度味わった人ならまた食べたくなるらしい。
日本でも北海道の石狩市浜益区では、大しけの後に打ち上げられたルッツ(ユムシ)を拾いに行くそうで、希少なご馳走になるんだとか。
2015年に、韓国でユムシの養殖が成功したという。2010年から2年間人工繁殖を通じて生産した種苗、約4万匹を干潟に移植していた。養殖が本格化すれば沿岸漁場の活用と輸入代替などで500億ウォン台の経済効果が期待されるんだとか。
干潟に穴を掘って生息するユムシは、漁場環境を改善する働きをするので、一石二鳥と言うわけだ。
そういえば、今日は夕方用事があったのを思い出した。帰路に向かって歩きだす。日暮れが迫っていて、産業道路の横断跨道に差し掛かっ時、わずかな雲の切れ間から真っ赤に燃えた夕陽が顔をのぞかせた。
復路も歩くつもりだったが、とても間に合いそうにない。ざんねんだけど、仕方がない。電車で帰ることに。日長駅に着くと8分後に上りの電車があるとわかった。ほとんど待つこともなく乗車できそうだ。腹が減っているので、自販機でホット・ドリンクを買い、昔の面影を探しながら懐かしい駅の風情をしばし楽しんだ。
新舞子方面 2駅先の朝倉まで230円だった。
実家のある日長だが、最近は両親もなくなり兄貴とも疎遠になっているし、盆暮れの集まりも無くなって久しい。用事があれば車で行くので、この駅を利用することなんか結婚して以来、初めてなんじゃないだろうか。
昔かの無人駅で、私が利用していたころは車掌が先頭車両に移動して、降りてきた乗客の切符と、定期券を目視するというものだった。定期券の不正乗車をずいぶんやっていたのを思い出したりしていた。自販機が出来てからは不正乗車は一切できなくなった。
この日は1万歩ほどでちょっと歩き足りなかったが、二つの新しい発見があった。まあ良いウォーキングだったんじゃないかな。