2022/10/16(日)18:45
■ 歩くとは、発見することである
♪ 人口は減りゆくばかり自らを然るべく生く世界となるべし
28℃の夏日になった昨日、久し振りに南行のコースをとってウォーキング。Googleで距離検索してみると9.2㎞だった。その時、歩いたコースの一部の長浦の裏道をよく見ると「常滑街道」という名があって驚いた。この人家もまばらな軽自動車がやっと通れるほどの山道が、往時のメイン街道だったなんて思いもよらなかった。
家の近くを通っている155号線を常滑街道(知多街道)と呼んだりしているので、その道筋が昔からあった街道だろうと何となく思い込んでいた。一部が155号線と重なってはいるが、ほとんどはもう裏道として日陰の存在になっている。
常滑街道は、名古屋・鳴海から南知多・大井までの約62kmを結ぶ街道で、往時の面影を偲べる部分が、今はもう誰もにも知られないまま残っているというわけだ。 海岸から少し入った小高いところにあって、海を眺めながら馬車や人々が行き交った道。海は埋め立てられその面影はもう全くない。
途中、何やら機材を運ぶためのレールのようなものが竹やぶの中に引き込まれているのに出会った。土曜日で作業は休みらしく誰もいないのをいいことに、いつもの野次馬根性でレールの先を見に行った。
坂をかなり下った奥にやぐらが組んである(右の奥にやぐらが見える)。
ボーリング調査をしているらしい。 午後4時半を過ぎていて、竹やぶの中はかなり薄暗い。すぐに引き返す。 なぜこんなところでボーリング調査をしているのか? 新しい道路計画が有るにはあるがこの辺りを通るのだろうか。
で、例のごとく調べてみれば、名古屋高速が延長されて産業道路の上を通り、内陸部に入る部分が丁度この辺りになるようだ。
高架道路がかなり高いところを通り、橋脚が立つ場所なのだろう。待避所まで出来る計画になっている。(上右の図は拡大します)
ずいぶん前に通ったことがあるもう少し内側の田舎道を行くと、懐かしいものが意外な姿になって繁茂しているのに驚いた。
「ミズカンナ」という湿地帯に生える植物で、以前初めてこの植物を見た時はもっと小じんまりしたものだった。それが耕作放置で荒れてしまったのか、わが物顔に繁茂しているらしい。
花はすでに終わっているが、カンナには似ても似つかぬ花を付ける。地味でカンナのような派手さはないが、独特の風情があってなんとなく惹かれていた。
こんな群生となっても葉っぱばかりが目立って、花が咲く時期になっても人気を呼ぶようなことにはなりそうにない。でも、珍しさは有るだろうから何か投稿すると、少しは反応があるかも知れない。
☆
こういう風情が私は好きだが、もともとは田んぼや畑があって、良き日本の田園風景だったところ。中学校が近くにあり、徒歩通学で良く眺めた景色だ。遠くの高台にある畑に続いていて、独特の風情が気が気に入っていたが、今では見るも無残な荒地となっている。
自然の力はすさまじく、人間が手を加えて作り上げた風景は、あっという間に自然に戻されてしまう。
こんな秋らしい自然の風景が、数キロ歩けば見られるのは有難い。季節と共に変化する風景を楽しめること自体、優雅といわずになんとする。日本時には情緒が備わっていたのは、この四季にまつわる自然に親しんで、花鳥諷詠の心を慈しんできたからに違いない。
この日は13,500歩ほど歩いた。夕陽を見たかったが、西側の開けたところがなくて秋の美しい夕陽を見ることはできなかった。見るためには2キロ先のマリンパークまで足を延ばさないといけない。
* ウクライナ応援の思いを込めて、背景を国旗の色にしています。