2023/07/09(日)09:24
〇〇 現地でしか読み書きできないスピノート
♪ 出来るなら良い事だけを記したい貴重度を増す人類遺産
地球上のすべての場所を30メートル四方に分け、1区画に1冊、計5700億冊のデジタルノートを設置。
置かれているところに足を運ばないと、閲覧も書き込みもできない。そんな無料アプリ「spinote(スピノート)」を開発した山本圭史(43歳)さん。
その場にいない人からの「いいね」ではなく、その場にいる人の「わかる」を共有する。旅館などにある、誰でも書けるノート。そんなものがあらゆる場所に有ったら、思いがもっと残されるのでは・・。
「その場に行って初めて感じる気持ちが大事」と、他の場所からは情報のやりとりができない不便さにこだわった。昨年12月には国際特許も取得。
朝日新聞
国内中心に、寺、無人駅、飲食店など250カ所のノートを友人と見て回った。そこには読まれることを意識していない「本音の言葉たちがあふれていた」。「自由ノート」「交流ノート」「足跡ノート」…。全国各地で3千種類近くをリストアップしたという。
☆ 神戸新聞NEXT 2023/1/13 06:00より さまざまなノートを研究する中で思い至ったのが、災害などの記憶継承という役割。代表的なものに、広島の原爆資料館に置かれた「対話ノート」がある。被爆者や遺族の思い、来館者の感想、平和への祈りや誓いが綿々とつづられてきた。
スピノートに3年前に書き込んだメッセージを見せる山本圭史さん
今年、阪神・淡路大震災からまもなく28年。「1・17のつどい」を訪れた人たちに活用を呼びかけ、「大切な人を思う言葉や震災で培われた絆、未来に向けた希望のメッセージを、spinoteに自由に書き残して」
実物のノートは保存や管理に課題があるが、スピノートならいつまでも残せ、複数の人が同時に書き込むこともできる。メッセージは永久に蓄積される。
スピノートの画面とQRコード 赤いノートは自身の書き込み、黄色いノートは他者の書き込みがあるマスホ画面
(山本圭史さん提供)アプリ「スピノート」ダウンロードページのQRコード
■「継承の装置として有効」 専門家も期待
広島の被爆地や阪神・淡路大震災の被災地で「記憶と場所」の関係を研究してきた慶応大名誉教授の浜日出夫さん(68)は、「震災を経験していない人も、その場所に行けば記憶を共有できる。継承の装置として有効だ」とスピノートに期待を寄せる。
浜さんは、スピノートを記念碑や慰霊祭と同じように「記憶の地層を掘り起こすためのツールの一つ」と位置付け、その場所に行かなければ読んだり書いたりできない点に着目。「わざと不便にして、場所と記憶を結びつける点が画期的」と評価する。
「過去を振り返るだけでなく、未来への願いも積み重なる。スピノートが関わることで、何が起こるかを楽しみにしている」と話す。
山本圭史さんの出身校同窓生の集まりの「長田高校 神撫会東京の広場」同窓生紹介「Face To Face」に、スピノートについても詳しく書かれています。
アイデア段階で様々な人に意見を求め、慶応大学名誉教授の社会学者・浜日出夫さんからは「時間というものは水平に流れて行くものだが、これは、垂直にかさなる時間を捉えたものであるということにおいて画期的だ」との言葉をいただいている。
山本さんがプロットした、日本全国のリアルにノートのあるお店や宿など。
スピノートは「記憶の地層だ。時の流れをその上を行く人間が言葉で紡いだものが何層にもなってその場所でだけ生きている。だからスピノートはこれから先、何十年、何百年が経過した後にこそ、その価値が高まることになる。」
私も早速ダウンロードし、インストールしておこうと思います。