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2025.02.08
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カテゴリ:素晴らしいこと

♪ 忸怩たる思いを糧に香木の夢追いかける男一匹





知多市でも積雪

 前日(2月7日)のつづき。
 目的地の近くまで来るとに温室らしきものがあり、ここだろうとすぐに分かった。奥にはトレーラーハウスがあって、手前に車が一台停まっている。ハウスに行ってみると、閉まってはいないが誰もいない。




 はて、どこに? 結構広い敷地の端に温室があるのでそこかも知れない。戸を開けて入って声を掛けると、奥から人の声。「誰?」という顔をして、突然の訪問者に驚いている様子。

「久野正太郎の生家『愛水館』の館長に「香木」を育てている人がいると聞いて、興味があって話が聞きたいと思って・・。」
「ああそうですか。先日もそんな人が来てました。あいつ、何をしゃべってるのか・・」とか言いながら、喜んでいろいろ説明を聞かせてくれた。
 
 アクイラリアとかいう木をベトナムから日本に持ち込み、育てているのだという。実生からしか育てられず、発芽率もかなり低いとかで、日本の気候でどこまで出来るかを興味本位でやっているらしい。

 よくよく聞くと、実際にベトナムでその栽培をしていたらしくズブの素人ではない。1990年代に入植して年に3カ月ほど滞在していたという。コロナ禍で管理が出来なくなり、ダメになってしまったので引き揚げて来たとのこと。

 香木といっても木全体がそうなのではなく、傷がついたところに菌がついてそれが長い時間をかけて、いい匂いを出すものに変化するのだという。土を塗り付けてもいい。その中の菌が浸透していって効果はあるものの、薄い層にしかならないという。もっぱらドリルで木に穴を空けて人工的に作る方法を採っているんだとか。

 途中で穴を空けて出来栄えはチェックできるらしい。10数年経ったものから伐採して採取するとかで、10万円くらいにはなるが採算は合わないらしい。金の価格以上になればいいが、思ったようには行かないらしい。


最高級のお香『天年大伽羅』(株式会社天年堂)



「香木」は、切り株の上面が雨風に晒されたり、幹や枝の部分に傷が付いたりすると、樹木はその部分に樹脂を分泌し、腐敗が進むのを防御する。長い年月の間に木質部は腐りますが、樹脂の沈着した部位が残りそれを香木沈香として採取するのだという。

 インドシナ半島では、平たい板状や節のような複雑な形状の物が多く見られる。インドネシアやボルネオ島産の沈香は、木目の通った棒状の物や幹その物に樹脂が沈着しているのが特徴。産地の違いから香りの特徴も異なり、前者は比較的に甘めの薫り、後者は酸味のある辛めの薫りなんだそうです。

 沈香の採取量が減少し、ワシントン条約によって、沈香の輸出入には厳しい管理体制がとられるようになった。価格が高騰した現在、ラオスやベトナムで沈香の人工栽培が行われるようになっているというから、彼はそれをやっていたようだ。

 沈香を生じる樹木を植えて、その幹に孔を開けたり、傷を付けて特殊なバクテリアや薬品を塗布注入し、樹脂の分泌を促進する方法で、早い物で数年(?)すると樹脂の沈着した部分が採取可能となるという。天然の物に比べると、薫りの質はかなり劣っているとか。

 今や人跡未踏の上陸できないような島にしか存在しなくなっている。現地にいる頃、ニューギニアで香木が発見され、ブームが起こったことがあるという。まるでゴールドラッシュの様にたくさんの人が押しかけたが、大して良いものは採れなかったらしい。
 


 1992年、ベトナムではカンホア省で森林伐採で開発の進む山々を元の姿に戻すという壮大なプロジェクトの中の1つ、「沈香樹の植樹計画」が立ち上がっていた。しかし、ベトナムは戦後の復興期だったため、「回収が確実でないこと」で民間の協力業者が見つからない。また、自然を取り戻すプロジェクトに公的予算が取れる状況ではなかった。


ベトナム中南部山中の急斜面に沈香樹を植える志野流香道家元

 1996年になって、日本の沈香木を必要とする志野流香道家元に打診があり、林業局側はそれを起爆剤に、沈香樹をカンホア省の名産品にするという案を練り、家元と相談の結果カンホア省で植樹をすることとなった。日本の伝統芸道、香道の第一人者が沈香樹を植樹をするというニュースがもとで、翌年は多額の予算を林業局が獲得できたという。

 10年後の2008年にはカンホア省の省都ニャチャンに沈香樹の種子をイメージしたシンボルモニュメントが海岸線に建立され、カンホア省はベトナムでも有数な沈香香料の生産地と位置づけられた。

 そのムーブメントに乗って、「三祐コンサルタンツ」が組織を立ち上げて参画したのだろう。その関連企業にいた彼に話がいき、事業の立ち上げから参加することとなって、香木の栽培を始めることになったのだろう。推察なので断言はできないが・・。
 彼(小川さん)のハウスには珍しい植物が育てられている。冬なので元気が無いし寒さでかなり弱っているものもある。コショウの木(つる性)、バニラ、シナモン、マンゴー、なんとかフルーツ、マメ科の酸っぱい実が生る木、バナナ、ほか名前を知らないものたち。

 香木も1年、2年、3年ものと植えられていて、かなり大きくなっているものがある。天井につかえてしまうのでガラスの温室の奥に手作りの温室を設えてある。日曜大工で作ったもので、「温室に木を使うっのて、どうなのかなぁ」とか言われたりしているらしい。

 突然、(ミストと言っていたが、やさしいシャワー)水が噴出した。その後に送風機から風が吹き出した。日本の気候に合わせるため、温度をギリギリの18度まで下げて調整しているんだとか。

 バナナは土壌を改良するために植えるんだとかで、増やして地植えにする。外に植えてあったものがこの寒さでやられダメになっていた。それより丈夫だという芭蕉も植えてあり、花も咲いて実が生ったものの、ごく小さいものしかならなかったらしい。



 息子に会社を任せ、自分は引退して夢を追いかけている。トレーラーハウスは200万、温室も200万という。
 借りた土地が荒れ地だったものを自分で開墾し、温室を設け事務所用にハウスを設置し、悠々自適的な優雅な日々。私も植物が好きなので、こうして植物相手に好きなことをやっていられるのは幸せに違いない。

 良い季節になったらウォーキングがてら、時々見学させてもらいに行こうと思う。





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最終更新日  2025.02.08 10:37:22
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◆2011年1月2日からは、楽歌「TNK31」と改題しました。
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