アッザーム・タミーミ氏講演会
アラブ未来協会代表の田中博一様からお声をかけていただいて、岐阜で行われた、パレスチナ出身のアッザーム・タミーミ氏の講演会の通訳を務めさせていただきました。アッザーム・タミーミ氏1955年パレスチナ・ヘブロン生まれ。現在英国在住。マークフィールド高等教育研究所の助教授およびロンドンにあるイスラム政治思想研究所々長。イスラム運動に造詣が深くBBC、アル・ジャジーラなどの放送にコメンテイターとしてしばしば招かれている。現在パレスチナの選挙に勝利したハマスについ執筆中。 原題:Hamas: Unwritten Chapters("書かれざる章”) Amazon.com.uk で予約可(Azzam Tamimi "Hamas: Unwritten Chapters" Publisher: C.HUrst & Co, September 1, 2006)タミーミ氏は8歳までをパレスチナで過ごし、周辺国での生活を経て英国へ移られました。なんでもわが大学のお隣の名古屋大学でも以前教鞭をとってみえたこともあるとか。そして、教授業の傍らパレスチナに関する講演活動で、世界中を飛び回ってらっしゃいます。うまくいかなくて写真を載せられないのが残念ですが、紳士で、とっても素敵な方です。ちなみに3児のお父様。講演前のひとコマ。私:「今日は何名くらいの方がいらっしゃるんですか??」田中さん:「座談会のような形にしようと思っているから、30人ぐらいかな。(前日、同志社大学で行われたタミーミ氏の講演会には150人以上の参加者があったとのことで)小規模な会になってしまい申し訳ない、タミーミ」タミーミ氏:"Sometimes one person makes a big change."この言葉は今日一番心に残ったもののひとつ。彼はこういう気持ちを大切にして、地道な活動を続けていらっしゃるんでしょうね。彼のその気持ちが参加者の方々に伝わるように、複雑なパレスチナ問題を理解しやすいように通訳を務めなければならなかったのですが・・・。その点から言うと、かなり惨敗でした。パレスチナ・イスラエルの政治問題に関する知識がまだまだ不足していて、田中さんに何度も助け船を出していただいてしまいました。終わってから田中さんや参加者の方に温かい言葉をかけていただいて本当に救われた気持ちになりましたが、このような貴重な機会を与えていただいたことをチャンスだと思って、精進しなくては。タミーミ氏のお話の中には、度々「命」や「天国」といった言葉が登場します。パレスチナの人々が、「奪われた土地を命をかけて取り戻し、自分たちの国を建設する」という想いを本当に強く持っているということの表れなのでしょう。土地を追われ、家を破壊され、道や畑を壁で塞がれ、石を投げただけで命を奪われる・・・その怒りや悲しみ、憎しみは、彼らにしか分からないものなのかもしれません。今日の講演の主催者の田中さんとは、3年前にお知り合いになました。田中さんは、数年前から毎年、パレスチナを訪れ難民に対する支援事業をされています。3年前、ほぼ初対面であった田中さんに対して、図々しくもパレスチナへの同行を願い出た私。その時は、田中さんの出発の時期が学校のテスト週間と重なってしまい、結局実現しなかったのですが、1年半後にNGOの仕事で訪れた岐阜の覚成寺で偶然、再会を果たすことができました。そして今年、ついにパレスチナ訪問が実現することになりました。7月末から、田中さんとご一緒にパレスチナに行ってきます。なんとタミーミ氏も同時期にアンマンに滞在されるご予定で、アンマンではタミーミさんのお宅にホームステイさせていただけることになりました。私を国際関係の世界に引き込んだひとつのきっかけでもあるパレスチナ。憎しみと報復の連鎖の現場を、この目に焼き付けてきます。