山本美芽さんの本。
山本美芽さんの本を立て続けに2冊読みました。どちらもとてもよかったので、ご紹介します。まず1冊目は、『子どものセンスは夕焼けが作る』子育て中の方にお勧めです。特にまだ小さいお子さんがいらっしゃる方は必読。学力のもとになるものは”センス”ではないだろうか?という考えのもとにこの本は書かれています。親と子どもの両方の毎日を楽しくして、しかもセンスを伸ばす!という習慣の提案です。・遊びを大切にする。 遊んでいるときにセンスは伸びる。・昔の遊びを思い出そう。 折り紙やお手玉、わらべうた、あやとりといった昔の遊びはばかにできない。 手先を器用にするといった意味でも非常によい。・お母さん自身をメンテナンスする。 雑巾でも汚れたら洗わないと汚れを落とすという本来の機能が失われてしまう。 同じように子どもの心をしっかりと磨くためには、母親自身の心をこまめにリフレッシュするこ とが大事。・感覚の引き出しをつくる。 休みの日に、海や山、都会などにわざわざ出かけていくのも、大きな意味がある。子どもをいつ もと違う場所に連れて行ってやると、子どもの中にはこれまでになかった引き出しができる。・「お金がない」を禁句にする。 「お金がない」といういいわけをしないことで、自分でもびっりするくらい創意工夫のエネルギ ーがでてくるようになる。・うまい、へたは禁句にする。 「素敵」「素晴らしい」「よかった」というようにする。 ・色を大切にする。 70色のパステルを買う。すぐに出来ることがたくさん書かれています。でも決して、これをしないと”センス”が伸びない。という考えはしないでください。と山本さんは言っています。子育てに「ねばならない」は不要です。早速実行してみようと思ったのは、今月末の次女のお誕生日に、「70色のパステル」をプレゼントしてやろうと思います。次女は絵を描くのが大好き。柔らかなパステルで描かせてやったらどんなに喜ぶでしょう。そして、ひそかに私もパステルなるものを使ってみたいと思っています。もう1冊は、ピアノ・ソルフェージュ教師の呉暁(ごあき)先生のお話を山本さんがまとめられたものです。『練習しないで上達する 導入期のピアノ指導』という「えっ!?練習しないでピアノが上達するの?」という衝撃的なタイトルです。・長時間の反復練習にさようなら。 アマチュアは楽しむことが第一。・弾きたい曲から練習を始める。 「チェルニー」や「ハノン」で指慣らしという発想は捨てる。・楽しんで集中力を出す。 「好きこそものの上手なれ」 好きな曲を選んで弾く。・イメージの引き出しを増やす。 上等なイメージを持つ。 よい音楽を聴くと、弾き方も変わる。・古いイメージからの脱出。 あこがれの曲を何回も何回も練習して弾けるようにするのはもう古い。 楽譜が読めて、伴奏が弾け、聴いたメロディをすぐピアノで再現できるという「音楽を楽しむための能力」が今、ピアノ教育に求められている。・うまくなるよりも楽しむこと。 食後にコーヒーを飲むように楽しむ。・「練習しなさい」は禁句。 目からうろこの本でした。かつて、私の一番下の妹はピアノを習っていたとき「ハノン(指の練習曲)は、面白くないから弾かない」と言っていました。長女でまじめ一筋の私は、面白くないと思いながらもそんなこと考えもしませんでした。今、やはりピアノの先生は何冊かある本の中から、「先にハノンから練習しようね」とおっしゃいます。この本を読んでずいぶん考え方が変わりました。今までは、毎日子どもに「練習した?」と確認していましたが、今では「○ちゃんのピアノ聞きたいなぁ。聞かせてくれる?」といっています。そして、たくさんある宿題のうち「どれから弾く?」と必ず聞いて、子どもに決めさせます。ご機嫌で弾いています。ピアニストになるなんて毛頭思っていません。楽しんで弾けるようになればそれでいいのです。今、時代は変わっているのです。かつてのような発想はもうやめて、「楽しむためのピアノ」であってほしいと思います。呉暁先生に拍手です。