キャバリア
ゆうべ、上司の奥様が50歳で亡くなった。私は上司から「妻が犬を飼いたいと言うんだよ、初めて犬を飼うんだけれど、初心者向きの犬を知らない?」と相談を受けていた。 初めての人でもあつかいやすい、それほど大きくはならない犬、人懐こく、可愛い愛玩犬と言えば私はキャバリアキングチャールズスパニエルという犬種がぴったりではないかと考えた。心臓病が多いらしいので、健康な親犬から生まれた良い子を一緒に探しましょうという事で、ネットやいろんな本で良心的なブリーダーさんを探していた。初めは誰からも返事が来なくて、私は上司からは「まだかなぁ」と矢のような催促を受けていた。ところが年末になって上司が「妻が入院する事になって、キャバリアは退院してからにするよ」と言ってきた。そして今日訃報が入った。 今年に入って上司は看病疲れでみるみるやせ細っていた、キャバリアは手に入らなくて結局は良かったのかもしれない、パピーは手がかかるし、しつけも充分しなくちゃいけない。なにより人の手でやさしい愛撫が必要な時期、奥様の看病との両立は難しいはずだ。でもキャバリアが居れば奥様の生きがいになったのだろうか? 私はちょっと複雑な心境... 落ち着いたらいつかキャバリアを迎えてもらいたい。奥様を亡くした悲しみは埋まらないけれど、ワンコのくれる愛情はきっと上司を癒してくれると思うから...